国立病院機構 北海道がんセンター

専門医より推薦を受けた診療科目・診療領域

国立病院機構 北海道がんセンターは、複数の有名専門医(※)の間で「自分や家族がかかりたい」と推薦されています。
このページでは、専門医より推薦を受けた分野(科目、領域)の特色や症例数、所属している医師について取材・調査回答書より記載しています。 ※推薦、選定して頂いた有名専門医の一覧表

消化器内科

分野

消化器・一般内科

特色

北海道のがん診療連携拠点病院に指定されており、がん治療の中心的役割を担っている。患者は札幌のみならず北海道全域から紹介されてきており、入院患者のほとんどはがん患者で、進行した消化器がんを扱うことが多い。セカンドオピニオン外来もいち早く開設し、積極的に受け入れている。日本消化器病学会、日本消化器内視鏡学会の認定指導施設、日本臨床腫瘍学会の認定研修施設である。

症例数

消化器内科のベッド数は60床で、年間の入院患者数は延べ約700人、外来患者数は1日約70人である。その他セカンドオピニオンで年間約70例が受診している。年間検査数は上部内視鏡検査約2,500例、下部消化管内視鏡検査約1,400例、腹部超音波検査約2,000例を行っている

食道疾患=食道がんがほとんどであるが、粘膜内がんに対しては内視鏡的粘膜切除(EMR)を行っている。内視鏡的治療の適応外症例に関しては、外科、放射線科とのカンファレンスにて、外科治療、化学放射線療法などの治療方針を患者の全身状態を考慮して最終的に決定し、最善の治療法を選択している。高度の狭窄に対しては、ステント挿入によるQOL(生活の質)の改善も行っている

胃疾患=早期胃がんに関しては、拡大内視鏡を用いた正確な診断により、積極的に内視鏡的粘膜剥離術(ESD:年間約40例)を行っている。進行がんに関しては、外科とのカンファレンスで治療方針を決定している。最近では胃がんに対する化学療法の進歩もあり、完全に切除することが難しい症例に対しては、はじめに化学療法を行ってから手術を行う(術前化学療法)ことにより、良好な成績が得られるようになってきている。手術不能の進行がんにおいても、化学療法を中心とした集学的治療を行い、手術ができるようになる症例も出てきている。吐血、下血などの消化管出血に対しても、緊急内視鏡によるエタノール局注、クリップ止血、アルゴンプラズマ凝固法などによる止血術で対応している

大腸疾患=大腸ポリープに関しては、内視鏡的粘膜切除を年間約150例行ってる。大きい病変に対しては、内視鏡的粘膜剥離術により一括切除も行っている。切除不能な進行大腸がんに関しては、標準治療が確立されてきており、ポートを留置して外来での化学療法を中心に行っているが、QOLや年齢等を考慮し、短期入院での化学療法も行っている

肝疾患=原発性肝がんには、大きさ、部位、個数、肝臓の機能を考慮して手術、肝動脈塞栓化学療法、リザーバー肝動脈持続動注療法、経皮的ラジオ波焼灼療法、エタノール局注療法などをうまく組み合わせて治療を行っている。転移性肝がんには、全身化学療法に加えリザバーを留置して動注化学療法も行っている。肝硬変に合併する食道静脈瘤に関しては、内視鏡的結紮術、硬化療法を行っている。B型慢性肝炎とC型慢性肝炎に対しては、ガイドラインに沿ってそれぞれ、ラミブジン、エンテカビルによる治療とペグインターフェロン単独またはリバビリンとの併用を中心とした治療を行っている

胆膵疾患=胆嚢がん、胆管がん、膵がんは、外科とのカンファレンスで手術が可能なものは積極的に手術を行っている。切除できない進行した胆嚢がん、胆管がん、膵がんに関してはジェムザール、TS-1を中心とした化学療法を中心に行っているが、症例によっては、動注療法や放射線治療も併用し、集学的に治療を行っている。胆管がん等によるがん性胆管閉塞による黄疸に対しては、胆管ステント挿入も行いQOLの向上に努めている。その他、急性胆嚢炎、急性膵炎、結石による閉塞性黄疸などの急性疾患の治療も行っている。化学療法に関しては、疾患ごとのがん診療ガイドラインに沿った治療を原則として行っているが、新薬などの臨床治験や医師主導の臨床試験に積極的に参加して、標準的治療の確立にも努めている。

医療設備

ヘリカルCT、MRI、上部・下部電子内視鏡、超音波内視鏡、カラードプラ超音波装置、血管造影、アルゴンプラズマ凝固装置他。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 北海道」(ライフ企画 2010年6月)

呼吸器外科

分野

呼吸器外科

特色

92年故成毛韶夫先生(元国立がんセンター中央病院副院長)の指導のもと、開胸手術やとくに胸腔鏡手術の開発を行い、全国に先駆け「安全確実な胸腔鏡手術」を開拓した。また、難しいとされてきた肺門縦隔リンパ節郭清も手術機械、手術器具は独自のものを開発し、胸腔鏡手術で可能にした。今まで手術適応でなかったIII期以上は、呼吸器内科・放射線治療科と協働で術前化学放射線治療などを行い、肺がんを縮小させ完全切除や拡大切除に努めている。がん性胸水や播種の場合は、試験的な温熱化学療法も行っている。また初診より3週以内の手術に取り組んでいる。

症例数

08年実績は全身麻酔手術を221例に行い、そのうち原発性肺がんは148例、転移性肺がん(肺転移)31例であった。いずれも胸腔鏡手術が約8割を占めた。悪性胸膜中皮腫は手術可能な1例に行った。縦隔腫瘍(13例)、気胸(4例)、良性肺腫瘍・炎症性肺腫瘤(16例)など呼吸器外科領域の良性、悪性にとらわれず、多岐にわたって手術をしている。胸腔鏡手術はやはり全体の8割を占める。また、肺がんの手術適応はIIIA期までだが、III期、IV期の人でも条件がそろえば手術を行っている。逆に初期、早期の肺がんには積極的な縮小手術も行っている。術後病期による5年生存率はIA期93%、IB期80%、IIA期50%、IIB期41%、IIIA期30%である。

医療設備

CT、MRI、換気・肺血流シンチ、リニアック、2人用内視鏡手術装置、超音波凝固切開装置、エネルギープラットフォーム。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 ○

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 北海道」(ライフ企画 2010年6月)

腫瘍整形外科

分野

整形外科

特色

北海道がん拠点病院の一部門として骨軟部腫瘍の診断、治療を専門としている。標準治療の実施を心がけており手術治療、化学療法などエビデンス(根拠)に基づいた治療を行っている。放射線療法、形成外科的な再建術、肺転移の切除、緩和ケアなど他科との連携も広く行われている。

症例数

08年の外来新患者数は590人で、そのうち他院からの紹介は84%であった。08年の新規腫瘍入院患者数は160人で、原発性悪性骨腫瘍12人、原発性悪性軟部腫瘍49人、転移性骨腫瘍35人などであった。08年の手術件数は231件であった。骨肉腫、ユーイング肉腫に対しては患肢温存手術と術前、術後の化学療法を行っている。軟骨肉腫は手術療法が主体となる。悪性軟部腫瘍も手術療法が主体であり、転移のリスクの高い例(高悪性度、サイズの大きな深部発生例)には化学療法を併用している。腫瘍切除後の再建には人工関節などの人工材料、遊離筋皮弁、遊離血管柄付き腓骨移植、体外照射骨移植など、状況に応じて種々の治療法を選択している。広範切除が困難な例では、放射線療法を併用した患肢温存手術も行っている。切除不能の進行例に対する治療は化学療法を主体としている。QOL(生活の質)を考慮し、可能な場合には外来化学療法も行っている。転移性骨腫瘍に対しては、病的骨折(切迫骨折を含む)に対する手術療法、麻痺発生例に対する脊椎手術などを行っている。95年から04年に治療したStageIIA、IIBの四肢発生骨肉腫の5年生存率は72%である。00年から04年に治療した悪性軟部腫瘍のStage別5年生存率はI期94%、II期92%、III期66%、IV期25%であった。

医療設備

MRI、CT、シンチ、リニアック、クリーンルーム、手術用顕微鏡。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 北海道」(ライフ企画 2010年6月)

婦人科

分野

産婦人科

特色

婦人科の病床数のみで57床を有し、卵巣がん・子宮がんの根治手術件数では道内でもトップクラスであり道内全域から患者さんが集まっている。がんセンターとしてあらゆる種類の婦人科がん治療に取り組んでいる。また、がん以外の婦人科一般疾患にも対応しているが産科は取り扱っていない。7人の常勤医のうち6人が婦人科専門医以上の各種専門医資格を取得しており、このうち5人が浸潤がん根治手術執刀医として対応できる。内視鏡下手術、機能温存手術、低侵襲手術など先進的医療も積極的に診療に取り入れている。さらに、手術不能の進行がんに対しても術前化学療法を施行後根治手術を行ったり、腹腔内投与、動脈内投与、放射線・抗がん剤併用療法など集学的治療にも可能な限り対応している。がんセンターという性格から、子宮肉腫、腟、外陰がんなどの稀であるが難治性であるがんの治療経験も豊富である。

症例数

08年度の手術数は482件。初回治療例では、子宮頸がん51例(0期を除く):根治手術36例、子宮体がん60例:根治手術42例、卵巣がん45例:根治手術19例、腟・外陰がん6例、筋腫・卵巣のう腫・子宮脱などの良性腫瘍は108例。浸潤がんに対する鏡視下根治手術は5例

★子宮頸がんに対しては定型の広汎全摘の他、センチネルリンパ節生検、広汎性子宮頸部摘出(子宮温存)(5例)、内視鏡下広汎(高度先進医療として:3例)(通算15例)などの先進的医療も導入。初期がんにはレーザー蒸散を行い低侵襲化に努めている。Ib2からII期の浸潤頸がんに対する選択的シスプラチン動注療法も行い、良好な結果である。放射線治療科(専門医5人)との連携で毎年10~20例程度が化学療法同時併用放射線治療を受けている。治療成績は5年生存率で0期99%、I期94%、II期90%、III期70%、IV期13%

★子宮体がんは毎年50~60例前後で、そのうち約40例が根治手術、残りが抗がん剤または放射線療法を受けている。若年者の早期がんには黄体ホルモン療法による保存的治療も実施。高分化型Ib期までの症例は、内視鏡下準広汎全摘+リンパ節郭清も行っている。成績はI期90%、II期84%、III期58%、IV期18%

★卵巣がんは初回治療例で年間30~40例程度。卵巣がんはIII期以上の進行例で見つかることが大部分であり、手術と抗がん剤を併用して治療が行われる。がん性腹膜炎例には腹腔内投与も実施。早期例には病理専門医(3人)の協力のもと術中迅速病理診断にも対応。転移例には転移部位の放射線照射も行う。卵巣がんは長期にわたって抗がん剤投与が必要となるが、すべてのクールを当院で行うことを原則としている。日帰りの外来化学療法にも対応し、外来点滴ユニット(17床)を有する。成績はI期84%、II期72%、III期47%、IV期22%と良好である

★腟・外陰がんは進行期に合わせて治療が選択されるが、難治性の進行例には希望により消化器外科・泌尿器科チームと連携し、骨盤内臓全摘も行っている

★臨床研究も研究部と道内大学・基幹病院との協力体制のもと積極的に行われており、英文論文も毎年上梓している。また治験管理部と協力し、全国レベルの治験にも参加し未承認抗がん剤の臨床試験も手掛けている

★都道府県がん診療拠点病院として放射線科、胸部・消化器外科、消化器内科、泌尿器科なども道内第一線のがん治療科として充実しており、これらの科との連携も良く、必要に応じて各科にも婦人科がんの治療に加わってもらっている。病理検討会、放射線カンファレンス、キャンサーボードも定例で週1回開催されており診断、治療方針について討論を行っている。また緩和ケアチーム、人工肛門ケア外来、医療安全室、感染対策室、医療情報管理室、がん登録室など側面から、がんの患者さんを支援する部門が充実しているのも当院の特徴。

医療設備

MRI、CT、PET(10年予定)、RIシンチレーター、各種超音波診断装置、マンモグラフィ、リニアック、RALS、専用内視鏡手術装置、半導体レーザー他。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 ○

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 北海道」(ライフ企画 2010年6月)

血液内科

分野

血液内科

特色

急性白血病、慢性白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などの血液悪性腫瘍や種々の貧血(鉄欠乏性貧血、再生不良性貧血、悪性貧血、溶血性貧血など)、骨髄増殖性疾患(真性多血症、本態性血小板血症、骨髄線維症など)、骨髄異形成症候群、血小板減少症、血液凝固異常症などの各種血液疾患を診療している。原則として病名を告知して十分に病状を説明し、科学的根拠に基づいた治療を行うことを基本方針としている。日本血液学会研修認定施設。

症例数

入院患者は常時50人ほどおり、血液悪性腫瘍の患者が多数を占めている。外来通院患者は月間500~600人程度で、最近は外来で化学療法を行う患者が増えている。年間入院患者は240人ほどおり、その内訳は、悪性リンパ腫130人、急性白血病・骨髄異形成症候群40人、多発性骨髄腫40人、その他30人などである。造血幹細胞移植は年間約10例

★急性白血病の治療は日本成人白血病研究グループ(JALSG)に参加し、そのプロトコールに則って行っている。急性骨髄性白血病の完全寛解率は約80%、5年生存率は約50%である

★悪性リンパ腫は病理専門医とのカンファレンスによる的確な診断に基づき、化学療法を中心として造血幹細胞移植や放射線治療を組み込んだ治療を行っている。09年からは、日本でまだ限られた施設でしか行われていない新規治療薬である放射線免疫療法薬(ゼヴァリン)による治療を、放射線治療医と緊密な連携をとって開始している。また当科は日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)のリンパ腫グループに参加しており、化学療法の成績向上に向けて多施設共同で新しいプロトコールを作成し、臨床研究を行っている

★多発性骨髄腫は適応に応じて造血幹細胞移植やサリドマイド、ベルケイドなどの新規治療薬を積極的に用いて治療している。

医療設備

無菌室4床、血液病室46床。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 北海道」(ライフ企画 2010年6月)

乳腺外科

分野

乳腺・内分泌外科

特色

多くの患者さんに役立つ最新の診断・治療法開発、導入に力を注いでいる。また、早期乳がん発見のために乳がん検診外来を設けている他、外来化学療法室を充実させて快適な薬物治療をお受けいただけるよう心がけている。

症例数

初発乳がんは年間約250例。他院からの進行乳がん紹介例も多いため、乳房温存率は約60%にとどまるが、最近では術前薬物療法により進行乳がんの温存手術例も増えている。温存手術では整容性(美容的満足度)確保のために、乳房CTや乳房MRIを駆使して過不足ない切除範囲を決定している。また、当科医師が道内で初めて実践したtwo mapping法によるセンチネルリンパ節同定率は99.8%におよび、リンパ節郭清を省略する症例も多い。手術後は3人の病理専門医と4人の乳腺外科医、1人の内科医による徹底したディスカッションにより適切な薬物療法を決定し、安全で再発の少ない治療を提示するようにしている。治験も積極的に行っており、新規抗がん剤や新規分子標的治療薬も認可後速やかに導入できるよう努めている。なお、09年度からは患者さん同士が励まし合えるよう、また情報交換しやすい環境作りを目的に、乳がん患者専用の女性病棟を開設している。5年生存率はI期97%、II期92%である。

医療設備

MMG、US、乳房CT、乳房MRI、マンモトーム(X線ガイド下、USガイド下)、センチネルリンパ節生検用ガンマプローブ、骨シンチグラフィ、リニアック(3台)。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 北海道」(ライフ企画 2010年6月)

放射線治療科

分野

放射線科

特色

当院は北海道の都道府県がん診療連携拠点病院であり、がん診療の中心的な施設である。放射線治療科は他科から高い信頼を寄せられ、関連各科とは毎週カンファレンスが持たれ、症例ごとに適切なタイミングで放射線治療が行われている。また毎日、外来診療の前に医師と治療担当の放射線技師全員が一堂に会して治療症例についての検討会が持たれ、治療方針の決定や治療内容のチェックが行われている。こうした毎日早朝の検討会で、医師全員が了解できる適切な治療であることを確認して放射線治療が開始されており、また医療過誤の防止にも努めている

★外来診療は治療症例数が多いため3人体制で診療しているが、診療に当たっては、照射部位の所見をしっかりと把握することに努めている。具体的には、頭頸部がんの診療に当たっては額帯鏡や経鼻内視鏡を使用して診察し、食道がんの診察にはバリウム造影検査や内視鏡検査も自ら行い、婦人科がんにおいては内診も行って腫瘍の進展範囲の把握や照射中の反応および効果判定を行っている。また各診察室には、超音波装置も設置して腫瘍の状態の把握ばかりでなく、再発や転移巣のチェックも行っている

★当科で放射線治療を行った症例のフォローアップも、原則として最低5~10年の長期間行っている。この間には重複がんにも留意した診察を行い、また経過観察中に再度治療が必要となれば、当科で責任を持って診療に当たっている

★入院診療においては、47床(一般病床44床+放射線管理病床3床)の放射線治療科病棟を保有しており、患者さんは札幌市内ばかりでなく、道内全域や全国からも来院して入院治療が行われている。多くの入院病床があるため、化学放射線療法における抗がん剤投与も放射線治療医が指示し行っている。また通院治療が困難な緩和的治療症例も多く、初回治療を当科で行った症例の看取りの医療も行っている。

症例数

当科はリニアック3台、RALS 1台、低線量率密封小線源を保有し、年間新患約1,000人の放射線治療を行っているが、実際には再発や転移して再度放射線治療を行う患者さんも多く、08年に照射した実照射人数は1,458人であった。したがって毎日120人前後の患者さんの放射線治療が行われている。外来では長期にフォローしているため、1日平均外来診察患者数は約70人である。44床の一般病床は常時満床に近く稼働している。照射例の35%は外来通院で行っているが、必要に応じて入院も可能である。放射線治療の内容としては、定位放射線治療や強度変調放射線治療(IMRT)などの高精度放射線治療の他に、全身照射も行っている。また当科は、全国でも小線源治療を積極的に行っている屈指の施設である。高線量率小線源治療では子宮頸がんが中心であるが、難治例では周術期小線源治療とも言うべき、他施設ではほとんど行われていない手術と組み合わせた小線源治療も行っている。また、舌がんなどを中心に低線量率小線源治療もCs-137針やAu-198粒子線源を使用して行われている。進行例の治療では、全身麻酔下で線源刺入を行っており、進行症例を全国で最も多く扱っている施設でもある。頭頸部がん、食道がん、肺がん、子宮頸がん等の治療においては、抗がん剤を同時併用する化学放射線療法を標準的に行っているが、その他のがん腫においても関連各科と連携してチーム医療を行っている。さらに、多発性骨転移治療薬であるメタストロン(Sr-89)や、悪性リンパ腫に対するゼバリンなどの放射線医薬品による治療も行っている。また放射線診断科(市村亘医長)とも連携してIVR手技も駆使した治療も行っている。

医療設備

一般病床44床、小線源治療病室3床、リニアック3台(4、6、10MV-X線、電子線)、高線量率Ir-192遠隔装置式後充填照射装置(マイクロセレクトロン)、低線量率線源(Cs-137針:120本、Cs-138管線源24本、Au-198線源、I-125線源)、X線シミュレーター、高精度放射線治療計画装置(定位照射、IMRTなど)3台、CT 3台(治療計画用CT 1台)、MRI。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 北海道」(ライフ企画 2010年6月)

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