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[患者さんの相談事例] 2010/04/23[金]

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 現代の医療現場では、自分なりの判断や意思決定が求められます。患者側にだって、治療パートナー(医療者)と上手に対話して、疑問解消・意思伝達できるコミュニケーションスキルがあった方が良いですね。
 ここで紹介する「相談事例」は、患者側視点に基づくもので、実際にはもっと他の背景があったかもしれませんが、「私ならどうするか」を考えてみませんか?

患者さんから実際にあった電話相談

予想していなかった医師の対応に、裏切られたような思いがしています(36歳・女性)

 私は冷え性と生理痛がひどいため、漢方薬で治療を受けたくて、漢方を出してくれるクリニックをネットで調べました。そして、口コミサイトで人気がある女性ドクターが院長の婦人科クリニックを見つけたので、そこを受診することにしました。
 クリニックに行くと、とても混んでいて、「やっぱり人気があるんだ」と思いました。ただ、混んでいる分長く待たされて、ようやく診察室に入ったときには3時間が経っていました。
 院長は私が事前に書いた問診票に目を通すと、いきなり「あなたの症状、婦人科じゃないよね。何で来たの?」と責めるように言いました。私は「生理痛もひどいし、婦人科系の症状から冷え性になることもあると聞いたので……。それに、こちらでは漢方を出してもらえるとネットに書いてあったので来たんです」と必死の思いを伝えました。すると今度は、「あなた、普段から怒りっぽいんでしょ?」とバカにしたように言います。そして「ピルを飲めば生理痛がよくなることもあるから、向こうでナースから説明を受けて」と診察室から追い出すように言われました。
 私は仕方なく、ナースに「私はピルではなく、漢方薬で症状を緩和したい」と伝えると、ナースは「選ぶのは患者さんですから、先生にあなたの思いを伝えてください」と理解してくれました。それで勇気を得て、再び診察室で院長に思いを伝えました。すると「どうしてピルはいいのに、やらないの? だいたい『一度試しにやってみよう』と前向きな人がよくなるのよ。結婚だってそうでしょ? 試しに一緒に暮らしてみないとわからないでしょ」と、私が独身であることを念頭に置いての嫌がらせかと思うような例え話をされました。私が「試しにというだけで、月に2,500円も払うのは負担です」と言うと、「あなたは……、保険が共済組合ってことは、公務員でしょう? 公務員のくせに、それだけの費用も出せないの?」と言われ、とても屈辱的な思いをしました。
 ネットの口コミ情報では、「サバサバした口調が人気」とありましたが、まさかそれが乱暴な口調だとは思ってもみませんでした。裏切られたような思いがしています。

より良いコミュニケーションを目指そう!患者さんこうしてみては・・・?
 インターネットの普及とともに、受診先に迷った際に、気軽に口コミサイトで調べる人が増えています。もちろん、情報を入手するには貴重な情報源ですが、やはりすべてを鵜呑みにするのは危険です。一つの“参考意見”と考えることが大切でしょう。
 患者とドクターの関係は“人間関係”ですから、相性もあります。はっきりと断定する口調が「サバサバしていて気持ちいい」と思う人もいれば、「そんなきつい言い方をされると傷つく」という人もいます。それだけに、結局は直接会って、自分で確認するしかありません。その際、自分はどのようなドクターを求めているのかしっかり考えて、自分の“選ぶ基準”を明確にしておくことが必要です。
解決!医療機関さんこうしてみては・・・?
 ドクターだって人間ですから、気に食わない患者や相性の合わない患者、イライラする患者もいるでしょう。しかし、それを表に出したのでは、専門家と言えないと思います。
 当然ながら、患者にもさまざまなタイプの人がいます。目の前の患者がどういうタイプなのかを見極め、言葉づかいや情報の内容、量を調整することが求められると思います。
※写真はイメージです

この実例紹介とアドバイスのご提供は・・・


NPO法人
ささえあい医療人権センターCOML

理事長 山口育子

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