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[患者さんの相談事例] 2010/05/07[金]

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 現代の医療現場では、自分なりの判断や意思決定が求められます。患者側にだって、治療パートナー(医療者)と上手に対話して、疑問解消・意思伝達できるコミュニケーションスキルがあった方が良いですね。
 ここで紹介する「相談事例」は、患者側視点に基づくもので、実際にはもっと他の背景があったかもしれませんが、「私ならどうするか」を考えてみませんか?

患者さんから実際にあった電話相談

治療方法を変えるのも一つの方法だと思いますが、私が納得したうえでないと受け入れることはできません。
(50歳・女性)

 私は20年近く前から不眠症で、心療内科にかかって薬を出してもらっています。3~4年前に親の介護問題が生じてストレスが加わったとき、かかっていた心療内科医が男性で理解してもらえなかったため、女性の心療内科医にかわりました。その女医さんは、ご自身も介護問題を抱えているらしく、私のつらさをとてもよく理解してくれ、ストレスを乗り切ることができました。
 ところが最近、職場でトラブルが生じて、薬を飲んでも十分に睡眠がとれない状態になってしまったのです。そこで、その女医さんに職場での悩みを伝えたのですが、雇われている私の立場をまったく理解してくれず、上司側に立った意見ばかり言われるのです。
 それに、女医さんは最近疲れているようで、私が明るい顔をしているときは対応もいいのですが、つらそうにしていると不機嫌になるのです。出してくれる薬だけが気に入っているので何とか受診しているのですが、行くたびに疲れを感じるようになりました。
 それがつらくて、別の心療内科クリニックを受診してみました。すると「あなたは抑うつ状態が出ているけれど、うつ病ではなく神経症です。ただし、メインは抗うつ剤を使って、安定剤は1種類にしましょう」と言われました。私が「抗うつ剤は副作用が心配です。攻撃的になることもあると聞きました」と言うと、「あなたは薬へのこだわりが強すぎる。副作用も、単なる言い訳です。すべてに強いこだわりをとらないと、治るものも治りませんよ」と言われ、反論できなくなってしまいました。
 治療方法を変えるのも一つの方法だと思いますが、私が納得したうえでないと受け入れることはできません。それに、いままでと同じ薬を出してもらえないと、何よりも不眠になるのが怖いのです。いったいどうすればいいのでしょうか。

より良いコミュニケーションを目指そう!患者さんこうしてみては・・・?
 心療内科や精神科の相談で意外と多いのが、「十分に話を聴いてくれない」「気持ちを理解してくれない」という訴えです。心の病と向き合っているドクターだからと期待してしまうのですが、薬物治療が中心のドクターも少なくないようです。
 ドクター選びをするときに、やはり理想を高く掲げてしまいがちですが、何もかも満たしてくれるドクターは、そうどこにでもいるわけではありません。それだけに、選ぶ際には、ある程度の優先順位をつける必要があるかと思います。「これだけは譲れない」という内容を考えて、いまの状態に合ったドクター探しをしてみてください。
解決!医療機関さんこうしてみては・・・?
 心療内科医で「(患者が)明るい顔をしていれば対応はいいけれど、つらそうにしていると不機嫌」というのは、いかがなものでしょうか。常に明るく保てる人なら、受診の必要などないかもしれません。ストレスを抱えた患者を診続けるのも疲れるかもしれませんし、ドクター自身が個人的に問題を抱えている場合もあるでしょう。でも、やはりそこはコントロールしていただくのが、プロとしてのお仕事ではないでしょうか。
 また、「言い訳だ」「こだわりが強い」と言われてしまうと、患者は心が開けなくなります。どの科でも同じですが、とくに心療内科や精神科など、患者が思いを伝えることが治療に大きく影響する科では、十分な配慮をしていただきたいと思います。
※写真はイメージです

この実例紹介とアドバイスのご提供は・・・


NPO法人
ささえあい医療人権センターCOML

理事長 山口育子

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