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[実践!病院でのコミュニケーションテクニック&秘訣] 2011/03/18[金]

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 現代の医療現場では、自分なりの判断や意思決定が求められます。患者側にだって、治療パートナー(医療者)と上手に対話して、疑問解消・意思伝達できるコミュニケーションスキルがあった方が良いですね。
 ここで紹介する「相談事例」は、患者側視点に基づくもので、実際にはもっと他の背景があったかもしれませんが、「私ならどうするか」を考えてみませんか?

患者さんから実際にあった電話相談

がんと診断されて手術しましたが、必要のない手術で、肺の3分の1をなくしました。(43歳・男性)

 昨年12月、職場の健康診断を受けました。その結果、胸部X線写真に5センチぐらいのカゲが写っていると指摘されました。じつは前年まで自営業だったので、定期的な健康診断や人間ドックは受けていませんでした。昨年自営業を辞めて今の会社に勤め始めたので、初めて受ける健康診断だったのです。精密検査が必要とのことで、年末に病院を受診し、CT検査を受けました。その結果、肺がんの可能性が高いと言われ、さらにMRI、気管支鏡、PET検査を受けることになりました。
 気管支鏡検査の終了後に「がんが疑わしい部分の組織を採取したかったのですが、気管支鏡では届かなかったので生検(組織を採取して顕微鏡で細胞を調べる検査)はできませんでした」と言われました。また、PET検査では「99パーセント間違いなく肺がんでしょう。ただ、転移はありませんから、安心してください」とのことでした。
 そこで、1月に入ってすぐに手術を受けることになりました。術前の説明でも、ドクターから「生検できなかったけれど、ほぼ間違いなくがんです」と繰り返し言われました。そして、手術の日を迎え、肺の3分の1を切除されたのです。
 ところが手術の翌日、ドクターが病室にやってきて、いきなり「よかったですね! がんではなかったですよ」と言うのです。私は一瞬、何を言われているかわからず、呆然としました。ドクターは繰り返し、「肺がんではなかったんですよ、良かったですね。手術で切除した肺を顕微鏡で調べたところ、結核による病変だとわかりました」と説明がありました。私はようやく「がんではなかった」という事実が理解できました。そして、ドクターが言うように、「よかった」とホッとしました。
 しかし、その後の検査で、結核は排菌していなくて、感染の痕があるだけとわかったのです。落ち着いて考えてみると、必要のない手術を受けて、片方の肺を3分の1なくしたことになります。これって、「よかったね」で済まされることなのでしょうか。日を追うごとに納得できない気持ちが高まってきています。

より良いコミュニケーションを目指そう!患者さんこうしてみては・・・?
 たしかに、肺がんでなかったのはよかったことですが、手術で切除に至るまでのどこかの段階でわからなかったのだろうかと思うのが当然の気持ちだと思います。もし、気管支鏡検査で生検できていれば、その段階でわかったのでしょうけれど、気管支鏡の届かない部位にあったことはとても残念です。
 事前の検査ではドクターは肺がんの疑いを強く持っていたわけですから、まずはドクターに、X線、CT、MRI、PETでなぜ肺がんと判断したのか、写真を見ながら説明を求めることが大切だと思います。さらに、手術中に“カゲ”の部分の細胞を調べる術中迅速診断ができなかったのかどうかも確認することも一つの方法でしょう。
 ただ、その内容に納得がいかなかった場合、疑問点を明らかにするためには、第三者のドクターに写真や検査データを見てもらって意見を求めることが必要になってきます。協力してくれる知り合いのドクターがいれば別ですが、そうでなければ第三者のドクターの意見を求めるには、弁護士の介入が必要になってきます。弁護士に依頼すると費用の負担も大きくなりますので、まずどこまで検証したいのかを考えることが大切です。
より良いコミュニケーションを目指そう!医療機関さんこうしてみては・・・?
 術前にがんを疑っていても、病理検査ではがんではなかったというグレーゾーンの問題を多く抱えているのが医療だと思います。ただ、この方のように、術前の検査でかなり強くがんを疑ったのであれば、術後に「肺がんでなくてよかった」とそればかりを強調するのではなく、術前に肺がんを疑った理由、手術時の印象や判断などをもう少し詳しく説明する必要があると思います。そうでなければ、患者側から見れば、「実際に切除しておいて、“よかった”わけがないじゃないか」「術前の誤診をごまかそうとしているのではないか」という気持ちになってくるのも当然です。このようなときこそ、真摯な姿勢で患者と向き合うことが必要とされると思います。
※写真はイメージです

この実例紹介とアドバイスのご提供は・・・


NPO法人
ささえあい医療人権センターCOML

理事長 山口育子

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