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[患者さんの相談事例] 2011/04/01[金]

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 現代の医療現場では、自分なりの判断や意思決定が求められます。患者側にだって、治療パートナー(医療者)と上手に対話して、疑問解消・意思伝達できるコミュニケーションスキルがあった方が良いですね。
 ここで紹介する「相談事例」は、患者側視点に基づくもので、実際にはもっと他の背景があったかもしれませんが、「私ならどうするか」を考えてみませんか?

患者さんから実際にあった電話相談

所狭しと検査機器が置かれていて、落ち着きません。治療を受けるのに不安があります。(45歳・男性)

 私はパソコンを多用する仕事をしているせいか、とても目に疲れを覚えます。それに加えて、最近、視野に歪みを感じるようになり、先日眼科クリニックを受診しました。
 初めて眼科にかかったのですが、待合室でほかの患者の視線にさらされながら眼圧や視力検査を受けるシステムに驚きました。そのクリニックは検査機器が充実しているという噂を聞いて選んだのですが、クリニック内に所狭しとさまざまな検査機器が置かれています。そのため、機器を移動させようと、視力検査を受けている最中に、目の前を看護師や視能訓練士が通るのです。そのたびに視力検査は遮られ、落ち着いて検査を受けることができませんでした。
 その後、眼底検査や網膜の断面を見る赤外線検査などを受けたのですが、ともかくスタッフや他の患者が検査中もそばを通るので、当たるのではないか、検査結果に支障があるのではないか、とヒヤヒヤしてばかりいました。
 検査の結果、黄斑部に水が溜まっている病気だとわかり、レーザーによる治療を勧められました。レーザー治療はどこでするのか確認すると、赤外線検査を受けたすぐ隣の機器だとわかりました。レーザー照射を受けるのに、あの落ち着かない環境でするのかと思うと、とても安心してお願いできません。このようなクリニックの検査、治療環境は許されているのでしょうか。

より良いコミュニケーションを目指そう!患者さんこうしてみては・・・?
 検査や治療の機器をどのように設置すべきかまでは、法や国の通知で定まっていないと思います。しかし、視力検査中にスタッフが目の前を横切ったり、人と接触するような環境で検査、治療を受けたりするというのは、患者にとって不安以外の何ものでもないと思います。
 一度、クリニックのスタッフに患者としてどんな思いで検査を受けていたかを伝え、もう少し落ち着いて検査、治療を受けられる配慮をしてもらえないものかと相談してみてはいかがでしょう。その結果、まったくとりあってもらえないようであれば、別の医療機関にかわることもお考えになってはどうかと思います。
より良いコミュニケーションを目指そう!医療機関さんこうしてみては・・・?
 おそらく、少しずつ検査機器などが増え、結果的に余裕のない配置になってしまっているのでしょう。また、ドクターはじめクリニックのスタッフにとっては、狭い院内に機器がひしめいているのは“日常”の環境でしょうから、改めて違和感を覚えたり、問題を感じなくなったりしているのかもしれません。
 しかし、患者のニーズとして、基本中の基本は“安全”です。具体的に事故が起こっていないにしても、落ち着いて検査や治療を受けられない環境自体、すでに安全とは言えないと思います。
 また、他の患者の視線にさらされながら検査を受ける環境についても、同様の医療機関は多いので、「どこでもこれが当然」と済まされている場合も少なくないでしょう。しかし、これからはプライバシーの問題に敏感な患者もさらに増えてきますから、改めて見直す必要があるのではないでしょうか。たとえば、ときには第三者の目で院内を見てもらうなど、スタッフにとって“当たり前”になってしまっている改善点に敏感になることが大切だと思います。
※写真はイメージです

この実例紹介とアドバイスのご提供は・・・


NPO法人
ささえあい医療人権センターCOML

理事長 山口育子

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