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[患者さんの相談事例] 2011/07/01[金]

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 現代の医療現場では、自分なりの判断や意思決定が求められます。患者側にだって、治療パートナー(医療者)と上手に対話して、疑問解消・意思伝達できるコミュニケーションスキルがあった方が良いですね。
 ここで紹介する「相談事例」は、患者側視点に基づくもので、実際にはもっと他の背景があったかもしれませんが、「私ならどうするか」を考えてみませんか?

患者さんから実際にあった電話相談

だらだらとした対応をする病院に、憤りを感じました。指導してくれる機関はないのでしょうか。(57歳・男性)

 2週間前、足に痺れと痛みが生じて、整形外科を受診することにしました。CTやMRI検査ができる設備の整った病院のほうがいいと思い、地域の比較的大きな病院の整形外科を受診しました。
 受付で「紹介状がなければ、初診の方は待ち時間が長くなります」と言われたのですが、整形外科外来の待合室で4時間半、何の説明もなく待たされました。トイレに行くのも躊躇していたのですが、とうとう我慢できなくなってトイレに立ったときに診察室に呼ばれたらしく、不在ということで飛ばされて、さらに30分待たされました。
 ようやく診察を受け、X線撮影を済ませて再び診察室で呼ばれると言われたのですが、さらに1時間も待たされたのです。とくに混んでいるようにも見えず、待合室にはほかの患者はいませんでした。気になって診察室を窺うと、ドクターとナースと事務員がしゃべっていたのです。こんなだらだらとした対応をする病院に、憤りを感じました。
 そこで、診察を終えてから、病院の相談窓口に苦情を言いに行きました。すると、「そのような内容でしたら、文書で苦情内容を提出してください」と木で鼻をくくったような態度で言われました。どうして、患者が文書を作成するなんて労力を使わないといけないのでしょうか。こんなひどい病院は初めてです。どこか指導してくれる機関はないのでしょうか。

より良いコミュニケーションを目指そう!患者さんこうしてみては・・・?
 患者にとって、長い待ち時間は非常に苦痛を伴います。多くの患者で混雑していて待たされるのならまだしも、診察室でスタッフがおしゃべりをしている(ように見えた)のに待たされたのでは、腹立たしい思いをされたことでしょう。
 ただ、このような医療者の言動に対して指導できる第三者機関は存在しないのです。衛生管理や職員配置など法的に違反していれば、行政が監査・指導に乗り出しますが、医療者の言動についてはどこも指導できる権限を持っていません。それだけに、その医療機関の管理職に直接苦情を届けるしか方法はないのが現状です。できれば、相談窓口の責任者に再度苦情を伝え、苦情対応のあり方についても再考してもらうように話してみてはいかがでしょうか。
より良いコミュニケーションを目指そう!医療機関さんこうしてみては・・・?
 長い待ち時間は、医療機関の永遠のテーマと言われています。患者としても、長く待たされるのは非常に疲れますし、苦痛を伴います。ただ、その場合でも、ある程度待ち時間の目安を示してもらえれば、精神的な負担はかなり軽減するものです。待ち時間自体の解消ができないとすれば、せめて待ち時間の目安を伝える努力をしていただきたいと思います。
 また、患者から見て暇そうに見える場合でも、何かすぐに呼び入れられない理由があるのならば、それを積極的に説明する姿勢が必要ではないでしょうか。
 さらに、相談窓口のスタッフにとって、もっとも大切な姿勢は“聴く”ことです。患者・家族が納得いかない気持ちを訴えてきたとき、しっかりと聴くだけでも冷静さを取り戻してもらえることが多々あります。その役割をしっかりと認識している人を配置することが大切ではないでしょうか。
※写真はイメージです

この実例紹介とアドバイスのご提供は・・・


NPO法人
ささえあい医療人権センターCOML

理事長 山口育子

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