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[患者さんの相談事例] 2011/07/29[金]

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 現代の医療現場では、自分なりの判断や意思決定が求められます。患者側にだって、治療パートナー(医療者)と上手に対話して、疑問解消・意思伝達できるコミュニケーションスキルがあった方が良いですね。
 ここで紹介する「相談事例」は、患者側視点に基づくもので、実際にはもっと他の背景があったかもしれませんが、「私ならどうするか」を考えてみませんか?

患者さんから実際にあった電話相談

誠意のかけらも感じられない応対、訴えることはできないでしょうか。(54歳・男性)

 私は1ヵ月ほど前から血尿が出るようになり、近くのクリニックを受診しました。血液検査と尿検査の結果、腎臓がんの疑いがあると言われ、近くの総合病院を紹介してもらいました。そこで、早速受診したところ、診断のためにさまざまな検査を受けることになりました。
 ところが、まだ全部検査が終わっていない段階で全身に倦怠感を覚え、日常生活に支障が出るようになってきたのです。そこで、泌尿器科外来に電話をかけ、「まだ検査が全部終わっていないけれど、調子が悪いので受診すれば診てもらえますか?」と聞いてみました。電話に出た看護師から、「何の検査が終わっていて、残っている検査の内容と日程は?」と聞かれたのですが、具合が悪くてイライラしていた私は、思わず「いま調子が悪いと言っているのに、診てくれるのか診てくれないのか、どっちなんだ! 検査の予定だったら、そちらのカルテを見ればわかるだろう!?」と怒鳴ってしまいました。
 すると、看護師は電話を保留にするのを忘れたのか、受話器を塞げば聞こえないと過信したのか、誰かに「ややこしい患者から電話がかかっていて、いまから診ろと怒鳴ってるんですよ~」と言っている声が聞こえました。私は頭にきて、通話が再開したときに「いまの言葉は全部聞こえていたぞ。いったい何がややこしい患者なんだ!?」と文句を言うと、「それは私ではなく、受付の○○さんが言った言葉です」とごまかそうとしました。その態度に我慢ならず、すぐに電話を切って受付の○○さんに電話をかけ直して尋ねると、何のことだかまったくわからないようでした。
 そこで、私は電話口に最初に出た看護師に間違いないと確信して再度電話をかけ、看護師を問い詰めました。すると、しぶしぶ自分の発言であったことを認めたのですが、謝罪をしないどころか、誠意のかけらも感じられません。そこで、今度は「病院の責任者を出してくれ」と電話をかけると、医事課に電話が回されたのですが、「そのような名前の看護師は当院におりません」と言い出しました。こんな病院、とても信用できません。訴えることはできないのでしょうか。

より良いコミュニケーションを目指そう!患者さんこうしてみては・・・?
 たしかに、内輪の会話が電話を通して聞こえてくるのは気分がいいものではありません。ましてや、自分を非難する内容であれば、なおさらでしょう。
 具合が悪いときに本題と関係ないことを聞かれると、イライラしてしまう気持ちはわかります。しかし、そのままけんか腰に相手に伝えてしまったり、怒鳴ったりするのは、できれば避けたいものです。
 また、このような病院職員の言葉に対して「訴える」のは民事訴訟の性格上難しいと思います。やはり、まずは冷静に病院側と話し合いの場を持ち、職員の対応について改善を求めることが現実的ではないでしょうか。
より良いコミュニケーションを目指そう!医療機関さんこうしてみては・・・?
 すぐに感情的な返事をしてしまった患者側にも原因の一端はあると思いますが、体調を崩しているときに本題以外の内容を細かく聞く必要性がどれだけあったのでしょうか。
 さらに、患者から内輪の会話が聞こえていたと指摘されたときに、とっさに別の職員のせいにしたのは言語道断です。患者対応以前に、人としての誠実さが問われる問題だと思います。
 保留せずに内輪の話し声が聞こえることはもちろん、電話をあちこち回される、長く待たされる、不適切な言葉遣いなど、電話対応でトラブルに発展することは少なくありません。組織の大小を問わず、職員間で対応について常に気をつける姿勢が大切だと思います。
※写真はイメージです

この実例紹介とアドバイスのご提供は・・・


NPO法人
ささえあい医療人権センターCOML

理事長 山口育子

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