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[患者さんの相談事例] 2011/08/12[金]

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 現代の医療現場では、自分なりの判断や意思決定が求められます。患者側にだって、治療パートナー(医療者)と上手に対話して、疑問解消・意思伝達できるコミュニケーションスキルがあった方が良いですね。
 ここで紹介する「相談事例」は、患者側視点に基づくもので、実際にはもっと他の背景があったかもしれませんが、「私ならどうするか」を考えてみませんか?

患者さんから実際にあった電話相談

1泊2日の入院、特に治療もしなかったのに、2万円は過剰請求では?(47歳・男性)

 私は半月前にひどい頭痛がして、同時にめまいも起こりました。めまいの影響なのか、嘔吐も止まらなかったので、近くのクリニックを受診しました。そのクリニックにはMRIもあったので、ひどい頭痛と聞いたドクターはすぐにMRIを撮ってくれたのですが、画像では異常はないと言われました。ただ、検査の間も私が痛みを強く訴え、嘔吐を繰り返していたので、心配したドクターが入院治療の可能な病院を紹介してくれました。
 紹介してもらった病院にはすぐに入院し、CT検査を受けました。しかし異常は見つからず、翌日には症状が治まったので退院しました。
 ところが退院時に請求された費用が3割負担で2万円近くだったのです。あまりの高さに驚きました。領収書に“DPC”というアルファベットと点数が書いてあり、意味がわからなかったので、会計窓口で何の費用かと尋ねてみました。すると「当院はDPC対象病院で、診断群に基づいて計算した請求金額です。昨日の入院ですから、2日分の請求になっています」と言われましたが、いったい何のことだか理解できませんでした。そもそも1泊2日の入院で、どうして2日分も請求されるのでしょうか。ホテルでも、1泊2日は1日分として請求されるのが常識です。
 それに、CT検査は受けましたが、これといって治療をしたわけではなく、自然に症状が治まったので退院したのです。何の治療も受けていないのに、どうして2万円近くも請求されないといけないのでしょうか。これって、過剰請求なのではないですか。

より良いコミュニケーションを目指そう!患者さんこうしてみては・・・?
 DPCとは「診断群分類」の英語(Diagnosis Procedure Combination)の頭文字です。急性期(積極的・専門的な治療をおこなう段階)入院医療における病気を分類し、その診断群分類ごとに点数が定められています。その点数には入院基本料や検査、投薬、画像診断などが包括化されています。つまり、包括化されている内容は、実施してもしなくても同じ点数ということなのです。そのため、あまり検査や薬による治療がなければ、割高感は生じがちです。
 さらに、一般的な宿泊費と異なり、医療費は夜中0時が1日の起点になります。たとえば、23時に入院して翌日16時に退院した場合でも、23~24時で1日分、0~16時で1日分、合計2日分と見なして計算されるのです。医療における独自の考え方なのかもしれませんね。
より良いコミュニケーションを目指そう!医療機関さんこうしてみては・・・?
 最近、DPC対象病院の入院費に限らず、請求額に関する相談が増えつつあります。この相談者の場合、「当院はDPC対象病院です」と言われたとのことですが、それだけでは患者は何のことだかわからなくて当然だと思います。
 医療費に関する相談の場合、「会計窓口で疑問点を質問しても、『間違いありません』『妥当な請求です』と言うばかりで、なぜ間違いないのか、なぜ妥当なのか教えてくれない」という苦情が届きます。これからは、医療事務のスタッフにもインフォームド・コンセントが求められる時代。医療費についても、きちんと説明できる体制づくりが必要だと思います。
※写真はイメージです

この実例紹介とアドバイスのご提供は・・・


NPO法人
ささえあい医療人権センターCOML

理事長 山口育子

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