[患者さんの相談事例] 2014/02/28[金]

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 現代の医療現場では、自分なりの判断や意思決定が求められます。患者側にだって、治療パートナー(医療者)と上手に対話して、疑問解消・意思伝達できるコミュニケーションスキルがあった方が良いですね。
 ここで紹介する「相談事例」は、患者側視点に基づくもので、実際にはもっと他の背景があったかもしれませんが、「私ならどうするか」を考えてみませんか?

患者さんから実際にあった電話相談

自宅療養中の義弟に辛くあたられ、看護に限界を感じていると妹に相談されたのですが…。(67歳・女性)

 半年前、65歳の義弟に、肺がんが見つかりました。しかし、その時点でかなり症状が進行し、すでに肝臓に転移していたため、手術を受けることができませんでした。そこで3ヵ月ほど入院して、放射線や抗がん剤による治療を受けました。その後は退院し、自宅で療養しながら通院を続けています。
 肺がんがわかった段階で「末期状態」と言われたらしいのですが、ドクターが驚くほど抗がん剤治療が功を奏したらしく、小康状態を保っています。ただ、痛みはひどいらしく、モルヒネのパッチを貼って対応しているようです。
 義弟はドクターや病院関係者の前では穏やかな対応をしているようなのですが、妻である妹と二人きりになるとかなり感情をあらわにするそうです。日によってイライラしたり、眠れなかったりすると妹に辛く当たるのだそうです。妹は膝が悪く、血圧も高いので、義弟の看病にも限界を感じていると泣きついてきました。私の知っている知識のなかからホスピスや緩和ケア病棟の話を妹にしたのですが、妹はすでにドクターにそのことを確認していたらしく、「まだそこまでの段階ではありませんから、在宅で十分療養できます」と言われたそうです。ドクターはきっと、自宅でも穏やかに暮らしていると思っているのだろうと妹は言っていました。
 何とか妹の助けになりたいと思っているのですが、何分遠方で駆けつけるわけにもいきません。時折かかってくる妹の話に耳を傾けるぐらいしかできないのです。どうすればいいのでしょうか。

より良いコミュニケーションを目指そう!患者さんこうしてみては・・・?
 遠く離れて心配するしかないというのもお辛いことだと思います。でも、話を聴いてくれる人がいるだけで、妹さんにとってはとても救いになっていることと思います。
 きっと義弟さんが感情をあらわにされるのは、妹さんに対して信頼し、安心しているからでしょう。きっと妹さんも、そのことは十分理解されているのだと思いますが、やはりそれが日常になると辛さが募ってくるのだと思います。
 病院の関係者は、妹さんのような悩みを持っていらっしゃるご家族をほかにもたくさん経験しているはずです。病院によっては、がんを専門にした専門看護師や認定看護師がいるところもあります。一度病院で、家族の悩みを聞いたり、アドバイスしてくれたりする部署はないか尋ねるように妹さんにお伝えになってはいかがでしょうか。

より良いコミュニケーションを目指そう!医療機関さんこうしてみては・・・?
 病気になったとき、患者本人はもちろんですが、人知れず悩んでいる家族や身近な人間も少なくありません。そのような家族ケアをしている部署があれば、あらかじめ患者・家族に知らせるような取り組みも、今後は大切になってくると思います。
※写真はイメージです

この実例紹介とアドバイスのご提供は・・・


NPO法人
ささえあい医療人権センターCOML

理事長 山口育子

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