[患者さんの相談事例] 2014/03/28[金]

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 現代の医療現場では、自分なりの判断や意思決定が求められます。患者側にだって、治療パートナー(医療者)と上手に対話して、疑問解消・意思伝達できるコミュニケーションスキルがあった方が良いですね。
 ここで紹介する「相談事例」は、患者側視点に基づくもので、実際にはもっと他の背景があったかもしれませんが、「私ならどうするか」を考えてみませんか?

患者さんから実際にあった電話相談

入院した父が自力での食事が困難な状態に。ところが看護方針により食事介助がなく困っています。(56歳・女性)

 84歳の父が自宅で転倒し、動けなくなりました。救急車で病院に運んでもらったところ、背骨を圧迫骨折しているとわかり、そのまま入院になりました。
 入院後さらに詳しい検査を受けたのですが、背骨の一部に空洞化している部分が見つかったのだそうです。そのため、骨が弱くなっている可能性が高いと説明を受けました。骨セメントを注入する治療方法もあるそうですが、父は高齢なうえ、心臓に持病もあるということで、危険性が高いとのこと。なので、ギプス固定をして3週間安静にした後、リハビリをしてある程度自然に回復するのを待つことを提案されました。
 提案通りの治療を受けることにしたのですが、入院中の看護方針というのに戸惑っているのです。というのも、「患者のため」に多少からだが不自由でも食事は介助がつかず、患者が自分でとる方針なのだそうです。父は目も悪いし、ベッドに横になったままの不自由な状態で自力で食事をとるのはかなり困難を伴います。口腔ケアもきちんとしてもらえないので、結局、家族が交代で食事介助に病院通いをしている状態です。
 それに、父の話し方が徐々に呂律が回らなくなってきているように思えて、看護師さんにそれを伝えると「これぐらい、普通ですよ」と軽い調子の返事が返ってきただけでした。
 このままこの病院に入院し続けて、果たして本当に自然に回復するのだろうかと不安になってきています。

より良いコミュニケーションを目指そう!患者さんこうしてみては・・・?
 「患者のため」と言っても、自力でろくに食事もとれないのに放置されたのでは、ご心配なさるのも当然です。そのため、見るに見かねて食事介助に行かれているのでしょう。
 ただ、いまのままでは何も解決しませんから、一度病棟の看護師長や主任といった責任を持って発言できる立場の人に時間を取ってもらい、看護方針と現実とのギャップについてご相談してみてはどうでしょうか。もしかしたら、ご家族が食事介助をしている事実も把握されていないかもしれません。そのような申し出に対して、誠意ある対応をしてもらえるかどうかも、“今後”を考えていくうえで判断材料になると思います。

より良いコミュニケーションを目指そう!医療機関さんこうしてみては・・・?
 患者の自立のため、リハビリのためという方針かもしれませんが、十分食事が摂れない状態の患者さんには、“方針”で済ませず何らかの対策が必要だと思います。家族が交代で食事ごとに介助に来ていることも、看護師さんなら気づいているはず。そのままにするのではなく、看護側から家族に働きかけをするのが本来の姿ではないでしょうか。やはり丁寧な対応が望まれます。
※写真はイメージです

この実例紹介とアドバイスのご提供は・・・


NPO法人
ささえあい医療人権センターCOML

理事長 山口育子

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