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[患者さんの相談事例] 2014/05/23[金]

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 現代の医療現場では、自分なりの判断や意思決定が求められます。患者側にだって、治療パートナー(医療者)と上手に対話して、疑問解消・意思伝達できるコミュニケーションスキルがあった方が良いですね。
 ここで紹介する「相談事例」は、患者側視点に基づくもので、実際にはもっと他の背景があったかもしれませんが、「私ならどうするか」を考えてみませんか?

患者さんから実際にあった電話相談

母が入院中の有床診療所ですが、真冬に夜間のエアコンを切るなど対応がひどく、納得できません。(92歳・母親)

 これまで心臓病や脳梗塞など持病を抱えてきた母は、90歳を超えてから目に見えて衰弱してきました。4か月前に腹痛を訴えて受診したのですが、全身状態がかなり悪化していると指摘され、入院することになりました。入院後は持病が悪化したうえに誤嚥性肺炎を起こし、すぐに寝たきりの状態になってしまいました。肺炎は何とか治まったのですが、その段階で「当院は急性期病院で、慢性的な病気は治療の対象にならないので」と言われ、有床診療所を紹介されて転院しました。
 有床診療所では入院当初は大部屋だったのですが、途中で便から菌が出たと言われ、個室に移されました。その際、1日3,000円の差額ベッド料の同意書にサインを求められたのです。1か月約9万円は負担が大きいなと思ったのですが、差額ベッド料を支払うことで比較的長く入院させてくれると言われ、しぶしぶ同意しました。急性期病院で転院先を探すときに、母の状態で受け入れてくれる病院を探すことの難しさを痛感していたからです。
 私は4人姉妹で、母が有床診療所に入院してからは、昼間は4人が交代で付き添っています。ですので、昼間については問題ないのですが、夜間の有床診療所の対応がひどいのです。その有床診療所ではエアコンが病室ごとの管理になっているのですが、夜間は必ず切られてしまいます。2~3月にかけての寒い時期にもかかわらず夜間エアコンを切ってあるので、朝、病室に行くと室内が冷え切っています。そのため、母はよく鼻水を垂らしていたり、寒さに震えていたりします。しかし、母は自分でナースコールを押すことも、寒いと訴えることもできません。このような対応は弱い者いじめとしか思えないのです。
 ましてや、差額ベッド料を1日3,000円支払っているのに、電気代を節約して環境を悪化させられていること自体納得がいきません。ほかの患者さんを見ていると、母と同様に寝たきりの人が大半です。家族の面会が少ないようなので、有床診療所の対応に苦情を訴える人も少なくて、対応がなおざりになっているのではないかと思います。どう言っていけば対応が改善されるのでしょうか。

より良いコミュニケーションを目指そう!患者さんこうしてみては・・・?
 おっしゃる通り、入院患者への面会が少ない医療機関では、どうしても外部の目が入らず、患者対応も低きに流れがちです。感情的に苦情を言っていったのでは聞き入れてもらいにくくなりますので、冷静に改善のための申し入れをすることは大切だと思います。有床診療所の場合、病棟は1つしかないところが多いので、スタッフの体制も組織だっていないことが少なくありません。やはり院長に思いを伝え、診療所側の考えを尋ねるところから始めてみてはいかがでしょうか。
より良いコミュニケーションを目指そう!医療機関さんこうしてみては・・・?
 全身状態の悪い患者さんなのに、寒い時期に夜間エアコンを切るというのは酷な環境だと思います。無駄な光熱費を節約することは大切ですが、患者さんに犠牲を強いておこなわれる節約は本末転倒ではないでしょうか。
 それに、差額ベッド料は本来、特別な療養環境に対して自費負担で支払っている費用です。1日単価はさほど高くないといえども、特別料金を支払いながら、あえて悪い環境にしているというのは、患者側として到底納得いくものではないと思います。もし、何らかの意味があって夜間のエアコンを切っているのだとすれば、その理由を明確に患者側に示す必要があると思います。
※写真はイメージです

この実例紹介とアドバイスのご提供は・・・


NPO法人
ささえあい医療人権センターCOML

理事長 山口育子

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