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[患者さんの相談事例] 2015/07/31[金]

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 現代の医療現場では、自分なりの判断や意思決定が求められます。患者側にだって、治療パートナー(医療者)と上手に対話して、疑問解消・意思伝達できるコミュニケーションスキルがあった方が良いですね。
 ここで紹介する「相談事例」は、患者側視点に基づくもので、実際にはもっと他の背景があったかもしれませんが、「私ならどうするか」を考えてみませんか?

患者さんから実際にあった電話相談

感染症予防のために医師の指示で個室に入ったときも、差額ベッド料は請求される?(29歳・女性)

 2歳の子どもが川崎病と診断されて、入院しています。主治医から「ステロイド治療をおこなうので、免疫力が下がります。ちょっとした菌にも感染する可能性があるので、個室に入ってもらいます」と言われました。
 じつは、私がいないときに、私の母(子どもの祖母)が看護師から差額ベッド料の同意書の提出を求められたらしく、すぐに出さないといけないと思ってサインして渡したそうなのです。母によると、同意書を持ってきた主任ナースが「本来は1日13,000円のお部屋なのですが、感染予防ということで特別に2,300円にさせていただきます」と言ったそうです。そして、小さな子どもは親の付き添いが義務だとも言われたため、夜は夫が付き添って、病院から会社に通っています。私は下の子どもが生後4か月で、母乳しか飲まないために母に預けるわけにいかなかったのですが、入院が1週間を過ぎた辺りから、夫が体力的にきついと言い始め、数日前から下の子どもを連れて私が付き添っています。
 ところが今日、病棟の看護師長が病室にやってきて、「原則として、病室には患者さんと付き添いの方1人と決まっています。赤ちゃんがご一緒なら、本来の13,000円支払っていただきたいのです」と言われました。このまま順調に治療が進んだとしても、退院まであと1週間はかかると聞いています。1日13,000円もかかると、経済的にかなり負担になるのですが、従わないといけないのでしょうか。

より良いコミュニケーションを目指そう!患者さんこうしてみては・・・?
 「免疫力が低下して感染の可能性があるから」という理由で個室に入院することになったのならば、治療上の必要なので差額ベッド料を請求することはできないと厚生労働省の通知で定められています。とくに治療上の必要の場合は、同意書を求めること自体がルール違反とされているのです。
 COMLに資料請求していただければ、上記の通知や同意書を求めることもダメという内容が書かれた資料がありますので、お送りします。それを病院に持っていき、相談されてはいかがでしょうか。おそらく、病棟師長はそのような決まりについて知らないか、誤った解釈をしている可能性がありますので、「事務の方に確認していただけませんか」とお伝えになってはどうでしょう。
より良いコミュニケーションを目指そう!医療機関さんこうしてみては・・・?
 差額ベッド料の請求には、いくつかルールがあります。とくに請求できないのは、同意書がない場合と、治療上の必要で差額ベッド料が設定されている病室に入院した場合です。治療上の必要でも、同意書があればいいと誤解している医療機関がありますが、原則的に治療上の必要の場合は請求してはいけないので、同意書の提出を求めること自体、問題なのです。これは、ある国会議員が質問主意書で質問した際に、内閣の閣議決定を経た(答弁書が発行された当時の)内閣総理大臣名で出された答弁書の中に明記されています。まずはルールの正しい周知が必要だと思います。
※写真はイメージです

この実例紹介とアドバイスのご提供は・・・


認定NPO法人
ささえあい医療人権センターCOML

理事長 山口育子

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