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[患者さんの相談事例] 2016/05/13[金]

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 現代の医療現場では、自分なりの判断や意思決定が求められます。患者側にだって、治療パートナー(医療者)と上手に対話して、疑問解消・意思伝達できるコミュニケーションスキルがあった方が良いですね。
 ここで紹介する「相談事例」は、患者側視点に基づくもので、実際にはもっと他の背景があったかもしれませんが、「私ならどうするか」を考えてみませんか?

患者さんから実際にあった電話相談

私のかかりつけ医に夫の健診結果を見せたのですが、いい加減な対応を受けました。(48歳・女性)

 先日、夫の職場での健康診断の結果が郵送されてきました。これまで直接本人に渡すシステムだったので、私が夫に「健診の結果は?」と聞いても「結果の用紙は職場で保存している。まったく問題なしだったよ」と言うので、てっきりそれを信じていました。

 ところが今回システムの変更で郵送になり、私が開封して先に結果を見てしまいました。すると、過去3年の結果と比較できるように今年の結果が出ていて、問題があって受診の必要性を示す赤い印のついた項目が3つ、注意喚起を示す黄色はかなりの数の項目につけられていたのです。しかも、これまで「問題ない」と夫が言っていた過去3年間も、かなり悪い結果であることが判明したのです。

 夫は毎朝8時頃家を出て、仕事を終えて帰宅するのはほぼ23時を過ぎてからです。それからラーメンなど短時間で食べられるもので食事を済ませ、2時近くに寝ます。日中も食べたり食べなかったりのようで、かなり不規則な食生活を送っています。仕事も休みがほとんどないのですが、職場の事情から仕方がない部分もあり、健康的な生活を送りたくても送ることができないというのが正直なところなのです。

 すぐに受診と言っても、なかなか難しいだろうと考えた私は、私自身のかかりつけである内科医院に夫の健診結果を持って行き、何がどのように悪いのか、それがどれぐらいの状態なのかを説明してもらおうと考えました。ところが、私の受診のついでに夫の健診結果を見せた途端、かかりつけ医は「酒の飲み過ぎ」とひとことで終わるのです。「夫は、さほどお酒は飲みませんけど」と言うと、「自分で生活を改める気持ちがない人には改善なんて無理」と吐き捨てるように言われたのです。そのかかりつけ医は短い時間で診察を終えてくれて待ち時間が短いので私は通っているのですが、時折、診断ミスをすると噂があります。それにしても、あまりにもひどい対応だと思うのですが…。

より良いコミュニケーションを目指そう!患者さんこうしてみては・・・?
 確かに、ドクターの対応は乱暴だと思います。もう少し丁寧に項目について説明し、なぜお酒の飲み過ぎと判断するのか、最低限理由ぐらいは伝えてもらいたいものです。
 ただドクターにしてみれば、実際に患者さんを診て、事情を聞いたわけではないので、正確な判断や情報提供はしかねる可能性があります。それだけに、まずはご主人にきちんと受診するよう促すことが大切ではないかと思います。
 また、あなたご自身のかかりつけ医ということですが、診察時間と待ち時間が短いというだけの判断基準で問題はないのでしょうか。ときには慎重に、丁寧に判断してもらう必要もあるのがかかりつけ医なので、そのあたりもこの機会によく考えてみてはいかがでしょうか。
より良いコミュニケーションを目指そう!医療機関さんこうしてみては・・・?
 いきなり健診結果の用紙を見せられて意見を求められても、実際に患者さんを診ないまま無責任な意見は述べられなかったのかもしれません。しかし、それならそれで、きちんとそのことを伝えることが大切なのではないでしょうか。正確に判断し、アドバイスをするために何が必要か理解できなければ、患者側がつぎの行動へと進むことができません。結論だけでなく、その結論に至った経過を丁寧に説明することが大切ではないかと思います。
※写真はイメージです

この実例紹介とアドバイスのご提供は・・・


認定NPO法人
ささえあい医療人権センターCOML

理事長 山口育子

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