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[患者さんの相談事例] 2016/07/01[金]

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 現代の医療現場では、自分なりの判断や意思決定が求められます。患者側にだって、治療パートナー(医療者)と上手に対話して、疑問解消・意思伝達できるコミュニケーションスキルがあった方が良いですね。
 ここで紹介する「相談事例」は、患者側視点に基づくもので 、実際にはもっと実際にはもっと他の背景があったかもしれませんが、「私ならどうするか」を考えてみませんか?

患者さんから実際にあった電話相談

がんと言われ、胃を3分の2取る手術をした後、ただのポリープとわかりました。(60歳・男性)

 2か月前に胃の調子が悪く、近くの病院で胃カメラ検査を受けました。すると、3センチの大きな腫瘍があるとわかり、胃カメラを実施した際に表面の細胞を採取して病理検査に出されました。その結果は「異常なし」だったのですが、ドクターから「表面の柔らかい部分しか採取しなかったので検査が不十分だった可能性があります」と言われ、再度胃カメラ検査を実施して、硬い部分の組織を採取して病理検査に回されました。

 その結果、組織は悪性と言われ、胃がんとの診断で胃を3分の2切除する手術を受けました。ところが、退院後初めての外来に行くと、ドクターから「手術のときに切除した胃を詳しく調べた結果、がんではなく、ただのポリープだったことがわかりました。まぁ、こういうことはたまにありますので」と言われたのです。胃を3分の2も取っているのに、いとも簡単に「がんではなかった。たまにある」と言われても、とても納得できる話ではありません。そこで、大きな病院に数か所電話をかけて、「検査でがんと言われて、手術をしたらがんでなかったということはたまにあるのか」と聞いてみましたが、どこもまともに対応してくれませんでした。

 実際に「たまに起こり得ること」と思って諦めるしかないことなのでしょうか。もしそうでないとすれば、何ができるのでしょうか。

より良いコミュニケーションを目指そう!患者さんこうしてみては・・・?
 検査や手術の際に採取した組織から、細胞の種類を限定する病理診断は、病理医と呼ばれる専門医がおこないます。病理医に聞いた一般論では「明らかに正常、または悪性ならば誰が見ても結果は同じだけれど、非常に診断に悩むグレーゾーンの細胞がある」そうです。そのため、なぜ検査の段階で悪性と診断したのに、手術の結果は悪性が否定されたのか、できれば病理医に説明を求めたいところです。もし、その病院に常勤の病理医がいるならば、直接病理医から説明を受けることができないか担当医に相談をしてみてはどうでしょうか。常勤の病理医がいなくて外部委託で病理検査に出したのなら、検査をおこなった機関から担当医はどのような説明を受けているのかを確認することが大切だと思います。
より良いコミュニケーションを目指そう!医療機関さんこうしてみては・・・?
 このようなご相談は時折届きますし、実際に起こり得ることだと聞いています。しかし、患者さんにとっては胃を3分の2も切除したというのは大変なことです。この方も体重が15キロも落ち、食後のダンピング症候群に苦しんでいるとのことでした。
 病理診断は病理医の役割ではありますが、やはり結果が異なった理由について、もう少し詳しい説明があってもいいのではないでしょうか。病理医と一緒に患者さんに説明するということも可能ならばおこなっていただきたいと思います。
※写真はイメージです

この実例紹介とアドバイスのご提供は・・・


認定NPO法人
ささえあい医療人権センターCOML

理事長 山口育子

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