[患者さんの相談事例] 2016/07/08[金]

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 現代の医療現場では、自分なりの判断や意思決定が求められます。患者側にだって、治療パートナー(医療者)と上手に対話して、疑問解消・意思伝達できるコミュニケーションスキルがあった方が良いですね。
 ここで紹介する「相談事例」は、患者側視点に基づくもので 、実際にはもっと実際にはもっと他の背景があったかもしれませんが、「私ならどうするか」を考えてみませんか?

患者さんから実際にあった電話相談

小児の入院施設がなく、個室への入院に。差額ベッド料を請求されたのですが…。(37歳・男性)

 2歳の娘が扁桃腺炎で手術を受けるため入院することになりました。その病院では小児の入院施設がないために、一般病棟に入院することになりました。ドクターから「一般病棟ですから大部屋だと子どもさんはほかの患者さんの療養の妨げになることが多いので、個室への入院をお願いします。また、親御さんも付き添って入院してください」と言われ、1日14,000円の差額ベッド料が必要と提示されました。私が、「1日14,000円なんて、高過ぎます」と思わず金額に反応してしまったら、「じゃあ、1日7,000円にします」と言われました。その言い方にも反感を覚えたのですが、どうしても納得できません。
 2年前に上の息子が手術を受けたときには、個室でも差額ベッド料は請求されませんでした。そのことを更に伝えると、「耳鼻咽喉科の部長が代わって以来、方針が変更になったのです。どうしてもご納得いかなければ、小児科の入院施設がある病院を紹介します」と言われました。こんなこと許されるのでしょうか。

より良いコミュニケーションを目指そう!患者さんこうしてみては・・・?
 この場合は明確な基準があるわけではなく、病院からの提示に納得して同意書を提出すれば支払いの対象となります。それだけに話し合いをしたうえで最終的な判断が必要になります。病院の方針を示し、それに納得がいかなければ別の医療機関を紹介すると言っているだけに、明らかに誤った対応とは言えないのです。それだけに、どうしても納得がいかなければ、付き添いや個室の必要がない病院を紹介してもらうことを選択するしかないと思います。
より良いコミュニケーションを目指そう!医療機関さんこうしてみては・・・?
 医療機関も経営していかないといけないだけに、苦渋の判断が必要になる場合もあるでしょう。ただ、やはり患者側にしてみれば、「以前は良心的だったのに、部長が代わって儲け主義になったのか」と反感を買ってしまいがちだと思います。伝え方にも工夫が必要だと思います。
※写真はイメージです

この実例紹介とアドバイスのご提供は・・・


認定NPO法人
ささえあい医療人権センターCOML

理事長 山口育子

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