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[患者さんの相談事例] 2016/08/05[金]

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 現代の医療現場では、自分なりの判断や意思決定が求められます。患者側にだって、治療パートナー(医療者)と上手に対話して、疑問解消・意思伝達できるコミュニケーションスキルがあった方が良いですね。
 ここで紹介する「相談事例」は、患者側視点に基づくもので 、実際にはもっと実際にはもっと他の背景があったかもしれませんが、「私ならどうするか」を考えてみませんか?

患者さんから実際にあった電話相談

看護師が、患者の病名などを他人に話すのは問題にならないの?(56歳・女性)

 28歳の娘は、中学3年生のときに動脈に炎症が生じる難病を発症し、入退院を繰り返しながら治療を受けてきました。20歳代になって、入院することが減り、何とか外来治療で対応できる状態になってきました。そして、25歳のときには結婚することもできました。
 ただ、どうしても体調にムラがあるので、正職員として仕事に就いたことはないのですが、結婚後は調子のいいときには近所のカフェでアルバイトをするようになりました。と言っても、週に一度行けたらいいほうで、スタッフの手が足りないときに連絡があって、調子が良ければ手伝うというレベルのアルバイトです。そのカフェは娘の知人に紹介されたのですが、娘が通う病院の近くにあるため、時折病院のドクターやスタッフも客として訪れるそうです。
 あるとき、カフェのマスターが店のブログを立ちあげ、カフェで働いているスタッフの顔写真も紹介しました。娘もそこに写っていたらしいのですが、そのブログを見た看護師が、マスターに「どうして〇〇さん(娘の名前)が写っているの?」と聞いてきたそうです。さらに、その看護師は、娘が難病であることや娘の夫の職業をはじめ、病院で知り得た個人情報を包み隠さず話したそうなのです。娘はマスターに「持病があるので、通院しています」とは伝えてあったのですが、難病であることは言っていませんでした。そのため、マスターからその話を聞いて驚き、「難病だなんて大変だね。ご主人も出張が多そうな仕事だしだいじょうぶ? これまで同様、アルバイトを頼んでいいのかな?」と言われて、何の言葉も返すことができなかったと、かなりのショックを受けています。看護師のこのような行為は問題にならないのでしょうか。

より良いコミュニケーションを目指そう!患者さんこうしてみては・・・?
 もちろん、医療者には守秘義務があります。医師、歯科医師、薬剤師、助産師は守秘義務を守らなければ刑法上の罪に問われます。看護師の場合も、保健師助産師看護師法のなかに守秘義務に関する項目がありますし、この看護師の行為は個人情報保護上も問題です。
 娘さんご自身がどこまで問題にしたいと思っているかの確認が必要ですが、もし何か行動に移すとすれば、まずは病院に事実関係を伝えることかと思います。娘さん自身が「どうしたいか」という想いを重視することが大切なので、そのあたりをよく話し合ってみてはいかがでしょうか。
より良いコミュニケーションを目指そう!医療機関さんこうしてみては・・・?
 職業上知り得た患者の個人情報を他人に洩らすことは言語道断です。そのようなことは医療者として基本の「き」だと思います。
 とくに個人情報保護法が2017年度から改正され、病歴は「要配慮個人情報」と位置づけられて、より厳正な扱いが求められます。医療者には大切な患者の個人情報の扱いについて、改めて見直していただく必要があるのではないかと思います。
※写真はイメージです

この実例紹介とアドバイスのご提供は・・・


認定NPO法人
ささえあい医療人権センターCOML

理事長 山口育子

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