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[患者さんの相談事例] 2016/09/23[金]

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 現代の医療現場では、自分なりの判断や意思決定が求められます。患者側にだって、治療パートナー(医療者)と上手に対話して、疑問解消・意思伝達できるコミュニケーションスキルがあった方が良いですね。
 ここで紹介する「相談事例」は、患者側視点に基づくもので 、実際にはもっと実際にはもっと他の背景があったかもしれませんが、「私ならどうするか」を考えてみませんか?

患者さんから実際にあった電話相談

保険会社に提出した診断書に記載ミス。訂正するための余計な医療費までかかってしまい…。(40歳・女性)

 40歳になるまでにがん保険に入ると保険料が安くなるという生命保険会社のプランがあると知り、40歳の誕生日を迎える前に加入しようと考えました。ただ、私は30歳を過ぎてから子宮筋腫があると指摘されていたので、生命保険会社に電話をかけて、子宮筋腫があっても加入可能かどうか尋ねてみました。すると、医師の診断書が必要だと言われたので、通院している婦人科クリニックのドクターに診断書の作成を依頼しました。

 作成してもらった診断書を生命保険会社に提出したのですが、しばらくして連絡があり、がん保険の加入はできないと言われてしまいました。私が理由を問うと、診断書に子宮筋腫だけではなく、卵巣腫瘍という診断名も書いてあったからだと言われました。

 私は卵巣腫瘍なんて言われた記憶がなかったので、不審に思って別のクリニックを受診してみました。すると「卵巣腫瘍なんて、ありませんよ」と言われたのです。

 そこで、元の婦人科クリニックに行き、診断書に卵巣腫瘍と記載されたことに疑問を持っていると伝えると、ドクターはカルテを確認し、「あれ、途中から卵巣腫瘍があることになっているなぁ。ともかく改めてエコー検査をしてみましょう」と言われ、検査の結果、やはり卵巣腫瘍はないことがわかりました。後から受けた連絡では、カルテの記載自体が一部おかしいと思って調べてみたところ、ほかの患者さんの情報が私のカルテに記載されていることがわかったそうです。

 結果的に間違いが訂正されて、がん保険に加入することができました。しかし、そのときには40歳の誕生日を過ぎてしまっていたので、保険料は高い金額になってしまったのです。更に、確認のために別のクリニックに行ったり、検査を受けたりして、本来なら必要のない医療費も発生しました。「カルテの記載ミスでした」だけでは気持ちが納まらないのですが。

より良いコミュニケーションを目指そう!患者さんこうしてみては・・・?
 確かにドクターがカルテに記録した際の単純ミスだったわけですから、そのことで翻弄され、保険料が高くなったり、余分な医療費がかかったりしたことは納得いかなくて当然だと思います。その辺りをまずは婦人科クリニックのドクターに伝え、誠意を見せてほしいと交渉してみてはいかがでしょうか。莫大な費用請求ができる内容ではないと思いますが、余分にかかった医療費とプラスアルファの費用請求であれば、それほど難しい交渉ではないと思います。ただ、交渉の際は、できるだけ感情的にならず、冷静に話し合うことが大切だと思います。
より良いコミュニケーションを目指そう!医療機関さんこうしてみては・・・?
 カルテは大切な患者の個人情報の記録ですから、誤った記載がないことが基本だと思います。誤りを訂正したことで、患者さんの希望したがん保険に加入できたのは良かったのですが、やはりそれだけに終わらず、なぜそのような誤りが生じてしまったのかをしっかりと調べ、今後同じようなことが起こらないためにどんな対策を講じるのかを患者さんに伝えることが大切だと思います。そして、申し訳ないと考えた結果は、患者側から要求がある前に、その誠意をどのように形に表すのかを伝えることも必要ではないかと思います。
※写真はイメージです

この実例紹介とアドバイスのご提供は・・・


認定NPO法人
ささえあい医療人権センターCOML

理事長 山口育子

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