[実践!病院でのコミュニケーションテクニック&秘訣] 2016/10/21[金]

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 現代の医療現場では、自分なりの判断や意思決定が求められます。患者側にだって、治療パートナー(医療者)と上手に対話して、疑問解消・意思伝達できるコミュニケーションスキルがあった方が良いですね。
 ここで紹介する「相談事例」は、患者側視点に基づくもので 、実際にはもっと実際にはもっと他の背景があったかもしれませんが、「私ならどうするか」を考えてみませんか?

患者さんから実際にあった電話相談

担当医の説明でわからなかったことを医療相談室で聞いたところ、担当医の不興を買ってしまいました。
(38歳・女性)

 約1年前、繰り返す腹痛と貧血の症状に不安になり、近くの内科クリニックを受診しました。そこで詳しく経過を話した結果、腹痛と生理周期が関係していることから婦人科の病気の可能性があるのではないかと言われ、ある病院の婦人科を紹介されました。

 紹介された婦人科で検査を受けた結果、「子宮腺筋症と子宮筋腫、それに子宮内膜症もあるようです。それらが原因で腹痛や貧血が起きています。子宮を摘出する必要があるので、手術を受けてください」と言われました。一度に3つも病名を言われて混乱し、質問の言葉すら浮かばず戸惑いました。子宮筋腫は聞いたことがありますが、子宮腺筋症や子宮内膜症とはいったい子宮の何がどうなっているのか見当もつきませんでした。しかし、手術の予定が入れられ、それからは手術のための検査も続いて、まるでベルトコンベヤーに乗っている状態で入院し、手術を受けました。

 手術は無時終わり、その後の経過も順調で、腹痛や貧血の症状も改善しました。しかし、いったいどんな病気だったのか理解できないままだったので、退院後の外来受診日に担当医に説明を求めたのです。すると、担当医は不機嫌な表情になり、「手術を受けたことに納得していないのですか? あのとき手術をしていなかったら、いまの元気なあなたは存在しないのですよ」と叱るように言われ、手術を受けたことを後悔しているわけではないという言葉すら発することができなくなってしまいました。

 そこで悩んだ挙句、その病院の医療相談室に行って相談しました。話を聞いてくれた医療ソーシャルワーカーが婦人科の部長にかけあってくれて、婦人科部長から病気の説明や手術の必要性などについてとても丁寧な詳しい説明を受けました。その結果、子宮腺筋症や子宮内膜症についても、どのような病気か理解することができ、手術を受けた意味についてもとてもよく理解できて、すっきりしました。

 ところが、つぎの外来受診の日、診察室に呼ばれて入るなり、「私が気に入らないなら、セカンドオピニオンでも何でも受けてもらっていいし、病院をかわっても構わないんですよ」と担当医から言われました。どうやら私が医療相談室に相談して、婦人科部長から説明を受けたことについて快く思っていないようなのです。再び医療相談室に相談したところ、「担当医にそんなふうに言われたんですか。きちんと状況が伝わっていなくて、申し訳ありません」と謝ってくださったのですが、当の担当医に真意が伝わらないと何の解決にもなりません。どうすればいいのでしょうか。

より良いコミュニケーションを目指そう!患者さんこうしてみては・・・?
 不信感ではなく、理解できていないからきちんと知りたいという思いで質問しているのに、誤解して頭ごなしに言われたのでは、返す言葉がなくなってしまいますね。
 医療は専門用語も多く、たとえ説明されたとしても、元々持っている基礎知識が医療者と圧倒的に異なりますので、質問の言葉すら見つからないこともあると思います。ただ、そのときは質問が浮かばなくても、その後に落ち着いてから頭の整理をし、できれば手術を受ける前の段階にわからない点を質問して解消しておくことが大切だと思います。
 今後については、もし医療ソーシャルワーカーの働きかけで担当医の誤解を解くことができればそれに越したことはないと思いますが、担当医のパーソナリティも含めてそれが難しいということであれば、担当医をかえてもらう可能性についても相談されてみてはいかがでしょうか。
より良いコミュニケーションを目指そう!医療機関さんこうしてみては・・・?
 患者が質問した理由について真意を確認しないまま、思い込みで対応すると、このような状況に陥ってしまいがちです。患者の質問や行動の理由について、患者と医療者には思い違いが生じがちです。それだけに、なぜそのような質問になったのか、なぜ患者がそのような行動をしたのか、真意をしっかりと確認することが不可欠だと思います。
 また、医療相談室に相談して、婦人科部長が説明をした経緯についても、担当医が誤解しないように情報の伝達をすることも大切なことではないでしょうか。
※写真はイメージです

この実例紹介とアドバイスのご提供は・・・


認定NPO法人
ささえあい医療人権センターCOML

理事長 山口育子

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