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[患者さんの相談事例] 2016/11/22[火]

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 現代の医療現場では、自分なりの判断や意思決定が求められます。患者側にだって、治療パートナー(医療者)と上手に対話して、疑問解消・意思伝達できるコミュニケーションスキルがあった方が良いですね。
 ここで紹介する「相談事例」は、患者側視点に基づくもので 、実際にはもっと実際にはもっと他の背景があったかもしれませんが、「私ならどうするか」を考えてみませんか?

患者さんから実際にあった電話相談

救急で運ばれたあと、意識が戻ると全裸で多くの医師やスタッフに囲まれていました。ショックです。(52歳・女性)

 私は、子どものころから気管支喘息を患っていて、半年前にも大発作が起きて大学病院の救命救急センターに運ばれました。自宅で発作が起きて家族が救急車を呼んだのですが、救急車が到着したときには意識がなかったようです。しかし、病院に到着した10分後ぐらいに意識が回復したとあとから聞かされました。

 意識が回復した瞬間は自分がどこにいるのかわからなかったのですが、病院だと気づき、周りを見ると大勢の若い白衣を着た人たちに囲まれていたのです。さらに、私は全裸にされていて、タオルも何もかけてもらっていない姿であることがわかり、悲鳴をあげそうになりました。あとから確認したところ、周りを取り囲んでいたのは、研修医が4名、実習生が4名だということがわかりました。そこに治療をしているドクターやナースもいるので、総勢10名以上に見られていたことになります。そのときは苦しかったので、何かかけてほしいとか、恥ずかしいと言う元気もありませんでした。

 でも、そのときの屈辱的な思いがどうしても拭えませんでした。救命救急センターだから、瀕死の状態で運ばれてくる人が多いはずなので、そのような状態での治療になるのだろうと何度も自分に言い聞かせようとしました。しかし、どうしても納得できず、退院後にいろいろと調べてみたところ、ほかの病院ではもう少し患者への配慮がなされていることがわかりました。

 そこで、勇気を出して病院に嫌な思いをしたことを伝え、改善してほしいと申し入れをしました。すると、数日後に連絡があって、「今後はパーティションで目隠しをするなど、できる限りのことは改善するつもりです」と言われました。しかし「つもり」に留まり、誰の判断で、いつまでに実現するのか、具体的なことが何もわからないのです。そこまで求めることはできないのでしょうか。

より良いコミュニケーションを目指そう!患者さんこうしてみては・・・?
 意識が戻ったら全裸でベッドに寝かされ、更にその周りを大勢の学生やスタッフに囲まれていたとなると、恥かしさや怒り、ショックなど、さまざまな気持ちが一度に生じたことと思います。退院後に改善を求めて行かれたのも、勇気が必要なことだったでしょう。
 更に病院に具体的な要望をするとすれば、例えば「今後再び救命救急センターに運ばれることもないとは限らないので、今回のことがトラウマにならないように、具体的な改善内容と期限を教えてほしい」と冷静に病院に伝えてはどうでしょうか。
より良いコミュニケーションを目指そう!医療機関さんこうしてみては・・・?
 意識を失っていれば全身の状態を確認する必要もあるでしょうし、治療上の必要性もあるのかもしれません。しかし、全裸のままにする必要がなくなった時点で、人目につかないような配慮はあって然るべきかと思いました。ましてや患者さんが意識を戻した状態に気づけば、急いで配慮ある対応をしてほしいものだと思います。
 研修医や学生の見学については、それも大切で必要な勉強ではあります。しかし“見世物”のように感じてしまう患者にとっては苦痛を伴うことも多いです。やはり意思疎通ができる患者であれば、研修医や実習生であることを伝え、了解を得ることも配慮の一つではないかと思います。
※写真はイメージです

この実例紹介とアドバイスのご提供は・・・


認定NPO法人
ささえあい医療人権センターCOML

理事長 山口育子

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