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[患者さんの相談事例] 2016/12/22[木]

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 現代の医療現場では、自分なりの判断や意思決定が求められます。患者側にだって、治療パートナー(医療者)と上手に対話して、疑問解消・意思伝達できるコミュニケーションスキルがあった方が良いですね。
 ここで紹介する「相談事例」は、患者側視点に基づくもので 、実際にはもっと実際にはもっと他の背景があったかもしれませんが、「私ならどうするか」を考えてみませんか?

患者さんから実際にあった電話相談

4人部屋なのに、なんで差額ベッド料は発生するの?
(59歳・男性)

 1か月ほど前、86歳の父親が腰の痛みで立てなくなり、タクシーで病院に連れて行きました。レントゲン写真を撮ったところ、「骨折はしていませんから、帰宅して安静にしてください」と言われ、帰宅しました。

 ところが翌日、痛みはさらにひどくなったため、別の病院を受診したところ、すぐにMRI検査となりました。その結果、「骨は折れていませんが、神経が圧迫されているのでひどい痛みが出ているのだと思います。まずは入院して、痛みを軽減する治療をしましょう」と言われました。ところが、その病院では個室しか空きベッドがなく、1日5万円もするというのです。とても支払えないと申し出ると、「では、別の病院を紹介しましょう」と言われました。そこで、「じつは、昨日別の病院を受診していまして…」と事情を話したところ、その病院を紹介してくださることになりました。

 そのまま最初にかかった病院に向かったのですが、入院手続きの際、「差額ベッド料のかからない大部屋は空いていないので、1日13,000円の2人部屋になります」と言われました。「できれば費用負担のない病室にしていただきたいので、差額ベッド料がかからない大部屋が空き次第うつらせてください」とお願いして入院しました。
 ところが、3日目の朝、転室したものの、4人部屋なのに1日8,000円かかると言われました。4人部屋に特別料金が必要な価値があるとは思えないのですが…。

より良いコミュニケーションを目指そう!患者さんこうしてみては・・・?
 差額ベッド料の設定された病室は「特別療養環境室」と呼ばれますから、設備や環境がほかの病室より整っていて、多くの場合が個室だと思いがちです。しかし、国の定めとしては、一般病院は差額ベッド料を設定していい病室は全病床の5割まで、個室から4人部屋となっています。そのため、4人部屋でも差額ベッド料が発生する場合があるのです。
 「空きベッドがない」という理由で差額ベッド料の必要な病室に入院した場合は、同意書にサインして提出すれば契約したことになり、差額ベッド料は請求されます。それだけに、病室の管理をしている病棟看護師長と事前にしっかり相談、交渉することが大切です。
より良いコミュニケーションを目指そう!医療機関さんこうしてみては・・・?
 差額ベッド料は1日の単価が高いだけに、患者側にとって経済的な負担が重くなりがちです。もちろん医療機関が独自に金額設定でき、ルールに則っていれば請求可能なわけですが、患者側の希望にも耳を傾け、支払いに苦慮する患者には可能な範囲での配慮が必要だと思います。
※写真はイメージです

この実例紹介とアドバイスのご提供は・・・


認定NPO法人
ささえあい医療人権センターCOML

理事長 山口育子

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