[実践!病院でのコミュニケーションテクニック&秘訣] 2017/02/03[金]

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 現代の医療現場では、自分なりの判断や意思決定が求められます。患者側にだって、治療パートナー(医療者)と上手に対話して、疑問解消・意思伝達できるコミュニケーションスキルがあった方が良いですね。
 ここで紹介する「相談事例」は、患者側視点に基づくもので 、実際にはもっと実際にはもっと他の背景があったかもしれませんが、「私ならどうするか」を考えてみませんか?

患者さんから実際にあった電話相談

入院中の母の嚥下機能を回復させたく、転院を希望したのですが担当医が承知してくれません。(72歳・女性)

 99歳の母は、以前から心臓ペースメーカーを入れていますが、比較的元気に生活していました。約1か月前、具合が悪くなったので、かかりつけ医に往診に来てもらったところ、肺炎を起こしている可能性があるということで、救急車を呼んで病院に搬送され入院となりました。病院では誤嚥性肺炎と診断され、絶飲食となり、中心静脈栄養の点滴で高カロリー輸液を入れています。

 その病院には言語聴覚士がいないため、嚥下状態について調べたり訓練したりする専門家がいません。そこで、「言語聴覚士のいる病院に転院して、元のように口から食事ができるようにしたい」と申し出ました。すると、ドクターは機嫌が悪くなり、「転退院の判断は私がします。必要なら転院の手続きをしますが、いまはその必要性を感じていません。私に任せていればいいんです」と高圧的な態度で言われました。そして、何度断っても胃ろうを勧めてくるのです。私が「母は食べることが好きで、これまで何でも食べていました。何とか再び食事がとれるようにしたいのです」と言っても、「なぜそう頑なにこだわるのですか」と理解してくれません。私だけでなく、家族全員「もう99歳になっているのだから、最後まで好きなものを食べさせたい」と希望しています。

 その後、何度も言語聴覚士のいる病院に転院して、嚥下能力をみてもらいたいと希望しているのですが、その話をするとドクターは怒り出すので困っています。地域医療連携室の医療ソーシャルワーカーに相談しようと思ったのですが、とても若い方で、ドクターに怒鳴られているのを目撃してから躊躇しています。とてもドクターに転院の働きかけをする力量はないだろうと思うからです。せっかく99歳まで生きた母だからこそ、最後まで尊厳を守らせてあげたいと思うのですが、どうすればいいのでしょうか。

より良いコミュニケーションを目指そう!患者さんこうしてみては・・・?
 ご家族として、最後まで口から食事をとってお母さんの尊厳を保ちたいと願われることは、もっともだと思います。ただ、そのようなご家族の考えや想いをドクターが十分に理解していない可能性も考えられます。
 お母さんご本人が現在どのような意思表示をされているのか、あるいは今は意思表示が難しい状態であれば、かつて意思表示をされていたのかがはっきりしていれば、それをドクターに伝えることも一案です。
 そのドクターの病院での立場や経験年数などはわかりませんが、スタッフを怒鳴りつけたりする態度から考えると、他のスタッフに相談しても難しいかもしれません。そこで、その病院を紹介したかかりつけ医に今の状況を説明して、仲介の労をとってもらうのも一つの方法ではないでしょうか。
より良いコミュニケーションを目指そう!医療機関さんこうしてみては・・・?
 ドクターにも方針や考えはあることはわかりますが、なぜ転院を認めようとしないのかの説明は最低限必要だと思います。また、家族の強い願いについては、それなりの理由があることがほとんどなので、まずはそこに耳を傾けて一緒に考えるという姿勢が必要ではないでしょうか。
※写真はイメージです

この実例紹介とアドバイスのご提供は・・・


認定NPO法人
ささえあい医療人権センターCOML

理事長 山口育子

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