[実践!病院でのコミュニケーションテクニック&秘訣] 2017/06/23[金]

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 現代の医療現場では、自分なりの判断や意思決定が求められます。患者側にだって、治療パートナー(医療者)と上手に対話して、疑問解消・意思伝達できるコミュニケーションスキルがあった方が良いですね。
 ここで紹介する「相談事例」は、患者側視点に基づくもので 、実際にはもっと実際にはもっと他の背景があったかもしれませんが、「私ならどうするか」を考えてみませんか?

患者さんから実際にあった電話相談

鍼灸接骨院で人工関節を入れた膝にお灸を。足がパンパンに腫れてしまいましたが、補償してもらえるのでしょうか。(76歳・女性)

 半年前、肩こりがひどくなり、自宅近くに新しくできた鍼灸整骨院を訪ねました。その鍼灸整骨院の鍼灸師は若いけれど、しっかりした感じの鍼灸師だったので、私は全面的に信頼をして施術を受けることにしました。

 私自身が積極的にお灸や鍼治療を希望したわけではなかったのですが、施術方法についてはお任せしていました。すると、肩こりだけではなく、「腰や膝も不具合が生じていますね」と言われたので、膝は1年前に人工膝関節を入れる手術を受けたことを伝えました。鍼灸師は「やはり膝も悪かったのですね」と言って、腰や足へのお灸と鍼治療が加わりました。

 お灸は最初のころ、台座のうえにもぐさを載せていたのですが、次第に大きな塊のもぐさを直接膝の近くに置くようになりました。とても熱かったのですが、「熱い!」と訴えると治してもらえなくなるのではと思い、必死で我慢していました。すると、次第にお灸をした部分が火傷をしたような状態になり、化膿し始めたのです。しかし、鍼灸師は見て見ぬふりをしているのか、消毒すらしてもらえませんでした。

 同じ部位にお灸をしなくなったので、時間とともに傷は改善したのですが、そのころから足全体がパンパンに腫れ始めました。私は怖くなって、1年前に膝の人工関節を入れる手術を受けた整形外科を受診しました。すると、「手術した部分にお灸なんてしたらダメですよ」と言われてしまったのです。驚いて鍼灸整骨院に行き、整形外科で言われたことを伝えると、鍼灸師はひとこと「存じています」と言って1万円を私に差し出し、「今後は保険会社と話し合ってください」と言われました。そのようなことで責任を持って補償してもらえるのでしょうか。

より良いコミュニケーションを目指そう!患者さんこうしてみては・・・?
 信頼して施術を委ねていただけに、足が腫れた原因がしてはいけないお灸だったとわかるとショックを受けられたことと思います。
 今後については保険会社と話し合うように言われたとのことですが、通常、賠償保険の場合は保険会社が直接患者さんと話し合いをすることはありません。それだけに、もう一度鍼灸師と話し合い、具体的にどのような保険会社で、何をしてもらうことが可能なのか、不明な点を明確にしたほうがいいと思います。
より良いコミュニケーションを目指そう!医療機関さんこうしてみては・・・?
 人工膝関節を入れた部位にお灸をしてはいけないと知っていたのなら、なぜ敢えて施術をしたのでしょうか。また、保険会社というのはどこを指すのかも不明でした。通常、賠償保険なら保険会社が直接、患者さんとやりとりすることはないはずです。もう少し丁寧に患者さんと向き合い、真摯な姿勢で対応することが求められると思います。
※写真はイメージです

この実例紹介とアドバイスのご提供は・・・


認定NPO法人
ささえあい医療人権センターCOML

理事長 山口育子

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