[実践!病院でのコミュニケーションテクニック&秘訣] 2017/07/14[金]

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 現代の医療現場では、自分なりの判断や意思決定が求められます。患者側にだって、治療パートナー(医療者)と上手に対話して、疑問解消・意思伝達できるコミュニケーションスキルがあった方が良いですね。
 ここで紹介する「相談事例」は、患者側視点に基づくもので 、実際にはもっと実際にはもっと他の背景があったかもしれませんが、「私ならどうするか」を考えてみませんか?

患者さんから実際にあった電話相談

紹介状なしで大学病院に。特別料金まで払ったのに軽い症状だからとまともに診て貰えませんでした。(82歳・男性)

 私は、13年前から爪水虫に悩まされています。これまで数軒の皮膚科を受診して治療を受けてきましたが、何をしても治りません。内服薬を飲んだこともありましたが効果はなく、仕方なく塗り薬による治療を続けてきました。いつになってもよくならないので、やはりこれは大きな病院で診てもらったほうがいいのではないかと考え、大学病院の皮膚科を受診することにしました。

 初診受付で手続きした際、紹介状を持っているかと聞かれたので、「持っていません」と言うと、「紹介状がない場合は、特別料金として10,800円必要ですが、よろしいですか?」と言われました。ずいぶん高い特別料金だと思いましたが、やはり大学病院で質の高い医療を受けようと思えばそれぐらい請求されるのもやむを得ないのかと思い、了承しました。

 ところが診察室に呼ばれ、私が受診した理由を伝えると、医師は「爪水虫のような軽い症状は、当院のような大学病院では対象にしていません。近くの皮膚科クリニックなどで診てもらってください」と言って、爪水虫の状態をチラッと診ただけで、処置や投薬もなく終わってしまいました。

 いったん会計は済ませたものの、領収書を見ていたら徐々に腹が立ってきて、初診受付に行き「診察拒否されたのだから、10,800円は返金してほしい」と求めたのですが、応じてくれず、途中で口論になってしまいました。最終的には諦めて帰ってきましたが、納得できません。

より良いコミュニケーションを目指そう!患者さんこうしてみては・・・?
 大学病院に行けば高度な医療をおこなっているので、もしかしたら13年治らなかった症状も何とかしてくれるんじゃないかと期待されたのだと思います。そして、そのためだったら10,800円も支払おうと思われたのでしょう。それだけにご納得いかないお気持ちは理解できます。
 ただ最近は、“医療機能の分化”といって、医療機関が役割分担し、患者さんの病状によって選ぶという時代になってきました。そのなかで、大学病院は高度・先進的な医療の提供と、研究や教育機関の役割を担っているだけに、そこでの治療を必要とする人が紹介されて受診することが推奨されています。そのため、紹介状を持参せず初診でかかると特別料金が請求されるのです。この特別料金は200床以上の病院に紹介状を持たずに初めてかかった場合に請求され、病院が独自に料金を決めていいことになっています。そして、2016年4月からは大学病院などの特定機能病院と500床以上の地域医療支援病院の指定を受けている病院では、特別料金の最低額を5,000円とすることが厚生労働省で定められました。このような特別料金を設定することで、患者さんが紹介状を持参するように促しているのです。
 具体的な処置や投薬はおこなわれなかったということですが、診察室で問診がおこなわれたということは診療を受けたことになります。結果としてご納得いかなかったわけですが、請求自体は妥当性があると判断されるのです。
より良いコミュニケーションを目指そう!医療機関さんこうしてみては・・・?
 たしかに、爪水虫は大学病院で対応する病気ではないこともわかりますが、ドクターの対応としてもう少し患者さんの気持ちに配慮していれば患者さんの受け止め方も違ったのでしょう。同じことを伝えるにしても、言い方次第でずいぶん心証は異なってくるものだと思います。
※写真はイメージです

この実例紹介とアドバイスのご提供は・・・


認定NPO法人
ささえあい医療人権センターCOML

理事長 山口育子

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