会員限定この記事を読むと10pt 進呈!!

新規会員登録(無料) ログイン

[患者さんの相談事例] 2009/11/13[金]

いいね!つぶやく はてなブックマーク

 現代の医療現場では、自分なりの判断や意思決定が求められます。患者側にだって、治療パートナー(医療者)と上手に対話して、疑問解消・意思伝達できるコミュニケーションスキルがあった方が良いですね。
 ここで紹介する「相談事例」は、患者側視点に基づくもので、実際にはもっと他の背景があったかもしれませんが、「私ならどうするか」を考えてみませんか?

患者さんから実際にあった電話相談

どうしても怖くてクリニックに足が向かないのです。いったい、どうすればいいのでしょうか?(48歳・女性より)

 私は更年期障害がひどく、婦人科にかかっています。パニック障害とうつ病を抱えていて、メンタルケアも受けているので、その点をわかったうえで診てくれる婦人科医を求めて病院やクリニックを転々としました。ようやく半年前にいいドクターと巡りあえ、そのドクターが勤務するクリニックに通うようになりました。
 そのクリニックは、院長は男性なのですが、ほかに4人の女性ドクターが勤務しています。私がかかっている女性ドクターは週2回の外来を担当していて、漢方薬にも理解があります。私は2週間ごとに通院し、ホルモン剤と漢方薬の処方を受け、症状もとても安定してきました。
 そのクリニックは予約の必要がなく、平日は19時30分まで診療をおこなっています。私はいつも18時までに行っていたのですが、3日前は用事があって、クリニックに着いたのは18時40分でした。いつもクリニックの待合室で待っているとき、受付の事務員が電話対応で「診察は19時30分までですが、受付は19時までにお越しください」と言っているのを何度も耳にしていたので、急いで19時までにと間に合わせたのです。
 ところが、受付に診察券を出すと、事務員が「今日は締め切りました」と言うのです。私が「受付は19時までではないのですか?」と驚いて聞くと、「18時30分です」と言います。「そんなことは今日初めて聞きました。いつも電話で19時までにとおっしゃっているじゃないですか」と言うと、「いいえ、18時30分と案内しています」と言い張ります。「案内って、どこにしてあるのですか?」と食い下がると、「私たちは先生のご指示でやっているんです!! 文句があるなら、先生に言ってください!!」と食ってかかるように言われ、横から別の事務員に「結局、今日の診察は受けるんですか!? どうするんですか!?」と怒鳴られてしまいました。私は怒りでからだが震え出し、パニックになると判断したので、何も言わずにクリニックから出てきました。
 ホルモン剤があと3日分しか残っていないのですが、どうしても怖くてクリニックに足が向かないのです。以前から、私が受診する時間帯は同じ事務員が2人対応していて、まだ20歳代半ばぐらいなのに、上から目線で感じが悪いと思っていました。電話をかけるとしても、その事務員が最初に出るかと思うとかけられません。いったい、どうすればいいのでしょうか。

より良いコミュニケーションを目指そう!患者さんこうしてみては・・・?
 何とか間に合うように急いでクリニックに向かったのに、理不尽な対応をされ、さぞかし嫌な思いをされたことと思います。メンタル面でのご病気もお持ちなので、単に腹立たしいでは片づけられず、おつらいことでしょう。
 せっかく納得のいくドクターとの出会いがあっただけに、その関係は大切にしたいものです。電話だと事務員を通さないといけないということなら、担当医に手紙を書いてみてはいかがでしょう? 内容も単なる苦情ではなく、「事務員の対応でメンタル面での症状が出てクリニックに出向けない状態になっている。先生にはかかり続けたいので、どうすればいいでしょう」という“相談”の形式のほうが、ドクターも院長と相談するなど、事務員の対応改善へとつながる可能性があるのではないでしょうか。
解決!医療機関さんこうしてみては・・・?
 医療機関の雰囲気は、そこで働く一人ひとりのスタッフが醸し出しているものです。トップがどれだけ患者対応について高い見識を持ち、スタッフ間に浸透させているかで、大きく変わってきます。とくにクリニックのような小さな組織ほど、トップの見識はスタッフに伝わりやすく、問題があれば軌道修正しやすいと思います。それだけに、投書箱のような患者の声に常に耳を傾ける工夫が必要だと思います。
 また、一般社会では非常識とされることが医療現場でまかり通っている一つに、スタッフの言葉遣いがあります。相談者が問題としているクリニックの事務員も「先生のご指示で」と発言しています。組織内の人間に対して敬語を用いて外部の人に話すのは、一般社会ではナンセンスです。そのような言葉遣いについても、組織全体で見直す必要があるのではないでしょうか。
※写真はイメージです

この実例紹介とアドバイスのご提供は・・・


NPO法人
ささえあい医療人権センターCOML

理事長 山口育子

記事を読んでポイント獲得!

10pt 進呈!!

この記事を読んで
簡単なアンケートに回答すると、
"Amazonギフト券に交換できる"
QLifeポイントを獲得できます!

この記事を読んだ人は他にこんな記事も読んでいます。
記事の見出し、記事内容、およびリンク先の記事内容は株式会社QLifeの法人としての意見・見解を示すものではありません。
掲載されている記事や写真などの無断転載を禁じます。