[糖尿病と『うまくつきあう』ということ] 2012/02/13[月]

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 生活習慣病のなかで、潜在、顕在患者合わせて約2,200万人と、もはや“国民病”といっても過言ではない糖尿病。発病のメカニズムや何に気をつけなければならないのか、糖尿病と診断された場合は? など、糖尿病と“うまくつきあう”ための情報や3分で分かる「糖尿病適応タイプチェック」などをご紹介します。「糖尿病を知ること」は「自分の健康を知ること」につながります。この機会に改めて「糖尿病」のこと、学んでみませんか?

約半数が治療を受けていない!? 世界有数の糖尿病大国・日本

 ある調査によると、日本国内において「糖尿病が強く疑われる人」(=顕在層)は890万人、いわゆる「糖尿病予備軍」においては1320万人もいるとされており、約2,200万人が「糖尿病」もしくは「その予備軍」と言うことができます。
 世界に目を向けてみても、別の調査では2011年時点で糖尿病患者は3億6,600万人いると推計されており、日本は世界で6番目に糖尿病患者が多いとされています。
 さらに2030年には5億5,200万人に増加すると予想されており、糖尿病の分野は世界で最も研究の進んでいる病気の1つといっても過言ではありません。
 しかしながら、日本では、糖尿病患者のうち、病院できちんと治療を受けているのは約半数しかいないと言われています。糖尿病は、うまくつきあえば問題なく生活できる病気です。だからこそ、「糖尿病を知る」ことは非常に大事なことといえるでしょう。

そもそも「糖尿病」ってどんな病気?

 食物から分解されたブドウ糖が体内に吸収されにくくなり、血液中に大量のブドウ糖が含まれる“高血糖”の状態が長く続くこと、それが糖尿病です。糖尿病には、遺伝子と環境要因によって発症すると考えられている「1型糖尿病」、遺伝要因のほかに食事や運動などの生活習慣が関係している「2型糖尿病」、妊娠中に発症する「妊娠糖尿病」などさまざまな種類がありますが、日本の糖尿病患者全体の約95%を占めるのが「2型糖尿病」です。
 インフルエンザや胃腸炎などとは異なり、糖尿病それ自体は、「治る」ものではありません。しかし、上手にコントロールすることで健やかな生活を送ることができます。それでは糖尿病の何に気をつけなければならないのでしょうか。それは「合併症」です。

糖尿病の主な種類
1型糖尿病 主に小児~青年期に発症。自己免疫によって、すい臓のβ細胞というインスリンを作る細胞が破壊され、からだの中のインスリンの量が絶対的に足りなくなって起こります。
2型糖尿病 主に中高年に多くみられる。インスリンの出る量が少なくなったり、肝臓や筋肉などの細胞へインスリンが働きにくくなったりして、血液中のブドウ糖がたまりすぎて起こります。
その他の特定の機序、
疾患による糖尿病
遺伝子異常やすい臓や肝臓の病気、感染症、免疫の異常などの他の病気や薬剤や化学物質によっても糖尿病となる場合があります。
妊娠糖尿病 妊娠中に発症あるいは初めて発見された糖尿病。胎児に影響が出ることもあるため、厳重な血糖管理をおこなう必要があります。

合併症は「怖い」、でも合併症は「予防できる」

  糖尿病が引き起こす合併症には、「心筋梗塞」「脳梗塞」「神経障害」「網膜症」「腎症」「歯周病」などさまざまなものがあり、いずれも血糖コントロールがうまくいかない「高血糖」の状態が続くことで引き起こされます。これを違う視点から考えると、「高血糖を防ぐ」こと、すなわち、血糖コントロールがうまくいけば、合併症の発症を抑えることができるのです。血糖のコントロールに必要なのは主に3つ。「薬物療法」「運動療法」そして「食事療法」です。特に後者の2つは、これを見た今すぐから始めることができるうえ、毎日の生活にちょっとプラスの“日々の取り組み”で血糖コントロールに取り組めます。「日々どんな運動をしてきたのか」「日々どんな食事をしてきたのか」など、「自分の生活を知る」ことは「自分の健康を知る」ことにつながります。あまり難しく考えず、まずは「今の自分にできること」から始めてみませんか?

主な糖尿病の合併症
心筋梗塞 心臓の要である冠動脈という血管が高血糖による動脈硬化によって狭くなってしまい、つまってしまう病気。心筋梗塞になると、血流が悪くなると心臓の筋肉が酸素不足になり、胸の痛みや息苦しさに襲われるほか、完全につまってしまうと「心不全」になることも。
脳梗塞 脳梗塞は、動脈硬化で脳の細い血管がつまってしまうことによって起こる「脳血栓症」と、脳以外の血管にできた血栓が血管を通して脳まで流れてきて起こる「脳塞栓症」があり、めまい、言語障害、身体の片方だけがしびれる状態などが引き起こされます。
網膜症 眼球の中にある視神経の膜(網膜)が傷んでしまう病気。高血糖状態が続くと、網膜内の血管壁が次第にもろくなり、視力低下や失明を引き起こすことも。
腎症 血液をろ過し、老廃物を排泄する働きをする腎臓の糸球体という部分の血管障害が原因。腎症を放置すると、最終的には、腎臓の機能が停止する腎不全に陥ります。
神経障害 痛みなどを感じる「知覚神経」、筋肉を動かす「運動神経」、内臓の働きを整えたり体温を調節したりする「自律神経」の働きが低下します。手足のしびれなどの自覚症状があらわれてくるほか、進行すると、温度や痛みを感じにくくなります。
歯周病 高血糖により、ハグキの血管が傷んでしまうことによって進行しやすくなります。糖尿病だと歯周病になりやすく、また、歯周病だと糖尿病を悪化させるという報告もあり、歯周病と糖尿病は、相互に関連し、悪影響を及ぼしあいます。
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