[インフルエンザ調査] 2009/10/09[金]

いいね!つぶやく はてなブックマーク

Influ_catch5.jpg 最終回となる今回は、政府の出した「流行シナリオ」が示すピークが近付く中、QLife会員周辺の感染状況、処方についての体験やワクチンに関する質問など、新型インフルエンザ対策の現状とこれからを推し量る内容とした。

25%以上が周囲に感染者と回答

 何らかのかたちで流行を感じている層は7割弱にも及ぶが、その中で注目すべきなのは「自分が感染した」「周りで感染者が出た」の回答。合わせると実に27%が、身近に感染者が出ている(あるいは自身が罹患した)というのである。厚生労働省の「流行シナリオ」では、発症率は全国民の20%と予測していた。サンプル数が少ないので確定的なことは言えないが、この調査時(10月第1週)がピーク前とされていることを考えれば、「流行シナリオ」よりもさらに感染拡大する恐れが高まっている‥とは言えそうである。

Q1:厚労省が流行のピークを予想した10月に突入しました。皆さんの周りでのインフルエンザ流行を実感する点はどんな所?

5th_q1.jpg

処方はタミフルがメイン、漢方薬も

 前問で、自分または周りが感染したと答えた層に対する追加質問。大体がタミフルとなっていて、7割を越えている。ただし注意したいのは、これは供給量の問題であり、タミフルがリレンザより効果があるというわけではまったくない。特にタミフルは1歳未満と10歳代の投与が原則中止されていることから、現場レベルで柔軟に対応している様子がうかがえる。
 また、ごく少数ながら漢方薬の「麻黄湯」が処方されている例がある。こちらについては、4月に日本感染症学会でタミフルと同程度の症状軽減効果があったとする発表が行われ、話題になった。もっとも麻黄湯の効能には「インフルエンザの初期症状に効果あり」と医師向けの漢方ガイドブックにも記されており、インフルエンザで処方しても、ちゃんと保険適応も認められている。いわば改めて見直された形だ。タミフル、リレンザの耐性や副作用問題が懸念される中、第三の選択肢として今後注目したい。

Q2:Q1で「周りで感染者が出た」「自分が感染した」と回答した人にお聞きします。どんな種類のお薬が処方されましたか?

5th_q3.jpg

予防接種の費用にははっきりと「No」

 第3回調査同様、はっきりした意思がみられる結果となった。「高い」と考える層が7割を越え、今回決まった接種費用をかなりの負担と感じていることがうかがえる。確かに、家族単位で考えると実際は何倍もの出費になってしまう。そのため、コメントには「高いのを理由に接種しない人が出るのではないか」「とてもではないが家族全員分は出せないので補助してほしい」という切実な声が上がっている。また、「国民の生命に直接かかわることで費用を徴収するのは反対」と真っ向から厳しい意見を述べる回答者も多くいた。政府や自治体に、費用補助の施策が強く求められていると言える結果となった。

Q3:新型インフルエンザの予防接種費用が2回で6150円と決まりました。この価格をどう思いますか?

5th_q3.jpg

外国産ワクチンへの不安強い。輸入は先進国のエゴ、との視点も

◆Q4:今回初めて外国産のワクチンが輸入されます。こうした政府の方針、品質等、接種順位等、ワクチンに対するご意見をどうぞ

 最終回の最後の設問ということで、自由にコメントを求めた。政府がワクチンを追加で輸入することについては「やむを得ない」という意見が多数を占めた。だがこの意見は、ほとんどが「輸入ワクチンの副作用が心配だ」という心配とセットになっている。費用に関する懸念のほか、この副作用に対する心配も、実際の接種に多大に影響を及ぼしそうである。「治験をしっかりやり、情報を公開すること」「海外の副作用情報も公開を」と、副作用に関する情報を求め、自分の判断で接種を決めたいと考える意見もあった。
 また印象に残った意見として「途上国のワクチン不足が懸念される中、自国で足りないからといって輸入するのは先進国のエゴに近い」「買えない国のことを考えると後ろめたい」という、かなり広い視点からの指摘が複数あった。国内産ワクチンでまかなえなかったことに対する遠回しの批判ともとれるが、一般の方々の驚くほどの冷静さ、意識の高さを象徴するものだといえる。ワクチンで予防を考えるより、自分の体力や免疫力を高めた方がいいのでは?という意見もあり、ワクチンや治療薬に頼るだけではなく、自身で納得できる予防策を講じたいと考える層が多いことが、前回までの調査から引き続き推察される。

 全5回にわたった「新型インフルエンザに緊急調査」。さまざまな視点からアンケートを実施したが、読者の皆様に有意義な発見があれば幸いである。政府の「流行シナリオ」に従うとすれば、あと数週間で流行のピークが訪れる。新型、季節性問わず、インフルエンザへの対応は同じ「手洗い」、「うがい」を励行しやマスクや加湿、人込みは避けるなど基本的な対策の他に、この特集を参考にしていただきたいと思う。

インフルエンザ特集サイトへはこちら

おすすめの記事

インフルエンザに関する
この記事を読んだ人は
他にこんな記事も読んでいます。
記事の見出し、記事内容、およびリンク先の記事内容は株式会社QLifeの法人としての意見・見解を示すものではありません。
掲載されている記事や写真などの無断転載を禁じます。