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[ヘルスケアニュース] 2022/10/03[月]

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前立腺がんは早期受診が大事

 男性に発症するがんの第1位である前立腺がん1)は、50歳を超えると罹患率が上がります2)。ところが、早期では自覚症状がないことが多く、症状のある場合も「残尿感がある」「尿が出にくい」「夜中に何度もトイレに起きる」「腰が痛い」などで、加齢に伴うものだと見過ごしてしまいがちです。しかも、泌尿器にかかわるデリケートな悩みゆえ周囲に相談しづらく、つらさを我慢してしまう人も少なくありません。


西川きよしさん(ヤンセンファーマ提供)

 しかし、前立腺がんは、早期から適切な治療を受ければ生存率が高くなる3)ため、症状を自覚した人は、すみやかに医師に相談することが重要です。症状を我慢したり受診をためらっている人には、家族をはじめ周囲からの後押しも大切です。

 そこで、『知ろう!学ぼう!医師への相談をおくらせないための心得』と題したトークイベントが2022年9月6日に都内で開催されました。製薬会社のヤンセンファーマ主催の本イベントには、前立腺がん当事者であるタレントの西川きよしさんと妻のヘレンさん、長男の西川忠志さん、そして泌尿器科が専門の野々村祝夫先生(大阪大学)、患者・家族の会の武内務さんが登壇。受診をおくらせないために、家族や本人がどう行動すればよいか「心得」を発表しました。

ヘレンさん発表「家族・周囲の心得 3か条」

 西川きよしさんは「夜中1時間半おきにトイレに行きたくなるのが一番つらかった。でもセンシティブなことだから言いだしづらいし、家内に心配をかけたくなくて、つい“大丈夫や”と言ってしまった」と振り返りました。しかし、日ごろから家族の健康に気を配っていた妻のヘレンさんは、きよしさんの異変に気付き、受診を強く勧めたといいます。

 そんなヘレンさんが考える「医師への相談をおくらせないための家族・周囲の心得 3か条」はこちらです。

①本人にとってベストな伝え方を事前に理解しておくことが大事!
②自分だけでなく他の家族や周囲も巻き込んでチームプレイで後押しする!
③家族からも気になることがあればちゃんと医師に伝えよう!


西川ヘレンさん(ヤンセンファーマ提供)

 ①のベストな伝え方について、ヘレンさんは「病気に関する話は、心配だからこそ険しい顔になってしまうことも。一呼吸おいて、笑顔とやさしい声で話すように心がけている」といいます。また西川家では、お互いが疲れている夜ではなく、たっぷり時間のあるさわやかな朝に話すようにしているそうです。「気分転換しやすい場所や、心地よいロケーションで話すのがおすすめ。LINEやメール、手紙を活用するのもいいと思います」とアドバイスしました。

 ②のチームプレイについては、「毎度同じ人から言われると、聞く方も“またか”とうるさく感じてしまう。子どもや孫を巻き込むのも効果的」といいます。長男の忠志さんも「家族それぞれが自分の得意分野を活かして父とかかわっていた」と西川家流のサポートを振り返りました。また、きよしさんは「一人暮らしの方であれば、介護職や看護職の方からも気を使ってもらえたら」と、さまざまな人からの後押しの重要性を強調しました。

 ③の医師への伝え方については、西川夫妻と野々村先生(大阪大学大学院泌尿器科学教授)双方から「診察室では、言い忘れたり言うのが億劫になったりすることもあるため、医師に伝えたい内容は事前にメモして持っていくことが大事」との声が上がりました。加えて野々村先生は「診察時にそばに家族がいると、本人が気付いていないことや客観的な情報が得られるので医師としても助かる」と、家族を伴っての受診を勧めました。

異変を感じたらすぐに病院へ

 司会者の「中高年男性の中には、家族や周囲の言葉をなかなか素直に受け入れられない人もいるのでは?」との問いかけに、会場では大きく頷く人も見られました。きよしさんも「同世代あるある」と同意したうえで、本人の心得を次のように示しました。

何よりも行動に移すことが大事!
前立腺がんの症状を歳のせいだと見過ごしたり、我慢したりせずに、医師に相談を!

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野々村祝夫先生(ヤンセンファーマ提供)

 患者会の武内さん(NPO法人腺友倶楽部理事長)は「患者会の中には、診断を受けてからも病状を医師に相談しづらく我慢してしまい、治療がおくれてしまう人もいた」と指摘します。これを受けて、野々村先生は「泌尿器科には、症状がだいぶ悪くなってから来る人がたくさんいる。恥ずかしがらずに、尿のトラブルなどがあれば、ぜひ受診してほしい」と呼びかけました。きよしさんも「ちょっとでも異変を感じたら先送りにせず受診する。我慢しないで医師に相談する。後悔しないように、50歳以上の男性はみなさん気を付けてほしい」と重ねて訴えました。

 ヤンセンファーマは、医師への相談を「おくらせない手紙」キャンペーンを始動し、特設サイトでは進行症状チェックリストや西川夫妻のメッセージムービーを公開しています。サイトなどを活用し、みなさんの周囲で不安や悩みを抱えていそうな人がいれば、ためらわず泌尿器科へ足を運ぶよう背中を押すメッセージを送ってほしいと思います。(QLife編集部)

1)国立がん研究センターがん情報サービス:がん罹患数予測(2022年).[https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/short_pred.html](2022年9月21日閲覧)
2)国立がん研究センターがん情報サービス:集計表ダウンロード,罹患,地域がん登録,全国推計値:がん罹患データ(1975年~2015年).
[https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/data/dl/index.html](2022年9月21日閲覧)
3)Etzioni R,et al.:Quantifying the role of PSA screening in the US prostate cancer mortality decline.Cancer Causes Control:19(2):175-181,2008.

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