接触確認アプリCOCOA、接触者通知だけでなく「ストレス軽減」にも?
[感染症] 2021/01/22[金]
- 新型コロナ接触確認アプリのダウンロード数は約2382万件、陽性登録数は8,400件以上
- アプリをダウンロードしている人は、ダウンロードしていない人よりストレス改善の傾向
- アプリは「陽性者が接触した覚えのない接触者」を早く見つけ出す一助に
感染拡大防止のために接触確認アプリは効果的

皆さんは「COCOA」を使っていますか?COCOAとは、もちろん飲み物のココアではなく、新型コロナウイルス接触確認アプリCOCOA(COVID-19 Contact Confirming Application)のことです。
COCOAは2020年6月に厚生労働省からリリースされたスマートフォン用アプリ。近接通信機能(ブルートゥース)を利用して、お互いに分からないようプライバシーを確保して、おおむね1メートル以内に15分以上近接した可能性のあるアプリ利用者同士のデータを記録。陽性者との接触の可能性があると通知される仕組みです。新型コロナウイルス感染症流行の拡大防止のための手段の1つとして、接触確認アプリが効果的であるとされています。
2021年1月18日現在、このアプリのダウンロード数は約2382万件、陽性登録数は8,400件以上となっています。2020年12月25日までの陽性登録件数は5,297件でしたが、年末年始を経て急増しています。
そのCOCOAについて、ストレス軽減との関連が、東京大学を中心としたグループの研究で明らかになりました。
心理的ストレスの発生率、COCOAダウンロードした人は11.8%、それ以外は21.0%

リリースより
研究グループは、企業従業員の心の健康がどのように変化するかを調べるため、「新型コロナウイルス感染症に関わる全国労働者オンライン調査(E-COCO-J)」を行ってきました。全国の企業の従業員約1,500人を対象に、これまでに3回の調査(初回:2020年3月、第2回:5月、第3回:8月)を実施。今回、COCOAリリース前に実施された第2回調査と、リリース後に実施された第3回調査のデータについて解析を行いました。
その結果、COCOAのダウンロードが労働者の心理的ストレスを軽減する可能性が示されました。具体的には、第2回調査で「心理的ストレスのなかった人」で、第3回調査で「心理的ストレスあり」となった人の割合(発生率)は、COCOAをダウンロードしていた人で11.8%、それ以外の人で21.0%と、大きな差がありました。
今後、労働者以外の一般の人も同様の効果がみられるか確認される予定ですが、COCOAをダウンロードすることで、コロナ禍で増加している心理的ストレスを減らすことができるかもしれないといいます。
多くの人がCOCOAを使えば感染拡大防止に

厚生労働省の資料(接触確認アプリ(COCOA)の活用促進について2020年12月10日)より
陽性者となった場合、保健所が陽性者から行動履歴などを聞き取り、濃厚接触者を特定するなどの対応がとられていますが、イベントや飲み会などに陽性者が参加していた場合、「接触した自覚のない接触者」や、「連絡先を把握できない接触者」がいることも考えられます。そうした場合に、多くの人がCOCOAをダウンロードしていれば、そのような接触者を早く見つけ出し、早期検査につなげることが可能になります。
「COCOAをまだスマートフォンにダウンロードしてない人」は、この記事を読み終わったらすぐに、アプリストアへ。多くの人がCOCOAを活用することで、感染拡大防止につながるはずです。(QLife編集部)
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