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[注目疾患!] 2018/09/14[金]

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爪水虫(爪白癬)とは

爪水虫(爪白癬)とは

爪白癬(つめはくせん)は、真菌(カビ)の一種である皮膚糸状菌(白癬菌)が爪のなかに感染して起こる感染症です。白癬とは、いわゆる「水虫」のことで、爪白癬のほかに、足白癬(水虫)、手白癬(手の水虫)、頭部白癬(しらくも)など、病変の部位により分類されます。

  1. 爪水虫の症状
  2. 爪水虫の原因
  3. 爪水虫の感染経路と予防法
  4. 爪水虫の罹患者数・年齢医分布
  5. 爪水虫の診断
  6. 爪水虫の治療
  7. 爪水虫患者の予後

爪水虫(爪白癬)の症状

爪水虫(爪白癬)の症状

爪白癬を発症すると、爪の肥厚、変色、変形が起こります。最も多いのは、爪の先端部が黄色くにごり、爪の下の角質部分が厚くなったりもろくなったりして、爪全体が厚くなる「遠位爪下型」です。爪の先端部が楔状(けつじょう=くさび形)に濁るのもよくみられる病型ですが、これも遠位爪下型に含められます。ほかには、爪の表面が白色になる「表在型」や、まれに爪の付け根がにごる「混濁型」もあります。

爪水虫(爪白癬)の原因

先に述べた通り、爪白癬は皮膚糸状菌が爪の中に感染することで発症します。多くの場合、爪白癬は足や手の白癬に続いて起こり、長期間足白癬に罹っていると、爪白癬を合併するようになります。つまり、白癬を放置することが最も大きな原因といえます。

爪水虫(爪白癬)の感染経路と予防法

爪水虫(爪白癬)の感染経路

温泉や銭湯などの入浴施設、また足白癬の患者さんがいる家の足拭きマットには、ほぼ100%の確率で白癬菌が存在するといわれています。入浴後、このようなマットを利用すると、足に白癬菌が付着します。白癬菌が付着したまま靴下・靴を履き続けると、長時間白癬菌が足に付着して、足白癬になります。こうして足白癬になった人が、足白癬の感染源になり、いたるところに白癬菌をばらまき、感染者の増加につながります。

感染を防ぐためには、足を清潔に保つことが重要です。お風呂では足をていねいに洗う、足が濡れたときにはきれいなタオルでよく拭く、バスマットはしっかり選択するなどの対処法で、感染リスクを最小限に抑えるよう努めましょう。

爪水虫(爪白癬)の予防法

爪水虫(爪白癬)の罹患者数・年齢医分布

日本国内で行われた調査では、10人に1人が爪白癬であるという報告が寄せられており、1000万人以上の爪白癬患者がいると考えられます。性別や年齢別の罹患率は、女性では60歳代、男性では70歳代が年齢別分布のピークです(2011年次皮膚真菌症疫学調査報告より)。また、海外の研究報告では、60歳以上の高齢者の4割がかかっているとのデータもあることから、超高齢社会を迎えた日本においては、他人事とは言い難い疾患です。


Fig 4.Distribution of tinea unguium by age group.(2011年次皮膚真菌症疫学調査報告より引用)

爪水虫(爪白癬)の診断

爪白癬が疑われる場合、白癬菌が寄生していると思われる部分をメスやハサミを用いて切り取り、KOH(苛性カリ)直接鏡検という方法で観察します。この検査で白癬菌が見つかれば白癬と診断されます。KOH直接鏡検は比較的簡単な検査とされていますが、どの部分を採取するのか、白癬菌かどうかを判断する能力が必要であるため、皮膚科専門医で検査を受けるのが望ましいでしょう。他には、真菌培養という方法もあります。

爪水虫(爪白癬)の治療

爪白癬の治療は、大分すると(1)外用薬(2)内服薬(3)外科的治療(幹部を削り取る)の3つがあります。どのような治療法を選択するか、どのように組み合わせて治療を行うのかは、病状や医療機関によって異なります。また、一部のお薬では、副作用として肝機能障害が発生するリスクや、他のお薬との飲み合わせに注意が必要です。主治医とよく相談してから治療を進めましょう。

爪白癬の治療に用いられる処方薬は、主に以下の通りです。(2018年8月現在)

■外用薬(塗り薬)

  • エフィナコナゾール(製品名:クレナフィン爪外用液10%)
  • ルリコナゾール(製品名:ルコナック爪外用液5%)

■内服薬(飲み薬)

  • イトラコナゾール(製品名:イトリゾールカプセル50など)
  • テルビナフィン(製品名:ラミシール錠125mgなど)
  • ホスラブコナゾール(製品名:ネイリンカプセル100㎎)

爪水虫(爪白癬)患者の予後

爪白癬を含め、水虫は命にかかわらない疾患として、侮られがちです。しかし、爪の肥厚や変形が高齢者の起立や歩行障害、転倒事故の原因になるとの研究報告も寄せられています。かゆみや痛みなど自覚症状がでることはあまりない爪白癬ですが、重症化する前に皮膚科専門医に相談しましょう。

(QLife編集部)

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