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[クリニックインタビュー] 2010/09/10[金]

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大学病院が医療の最先端とは限りません。患者のこと、地域のことを第一に考えながら、独自の工夫で医療の最前線に取り組んでいる開業医もたくさんいます。そんなお医者さん達の、診療現場、開業秘話、人生観、休日の過ごし方、夢などを、教えてもらいました。

第83回
ちかしげクリニック
近重民雄先生

『ブラックジャック』に近づきたくて

 医師を志したのは、子どもの頃に読んだ手塚治虫さんの漫画『ブラックジャック』がきっかけでしょうか。なんていうと、ちょっと軽すぎるかもしれませんが、私の抱く医師像に『ブラックジャック』の影響がまったくないと言えば、それは嘘になるような気がします。
 残念なから、実際に医師となった私と、ブラックジャック先生とでは、重なる部分があまり見当たらないのですが、素晴らしい医師としての技量、そしてどんな困難を前にしても患者さんを救おうとする意志、医師として備えなければならない物心両面の心得を、私は手塚治虫さんの漫画から学ばせてもらったような気がします。
 そのせいなのでしょうか、とても人見知りなのに、人と接する臨床医になりたいと思ってしまったんです。長年の病院勤務医のあと、町のお医者さんになりたいと思いました。
 そして、今、皆さんの街で“町のお医者さん”をさせてもらっているわけなんです。

限られた時間内で、出来るだけ多くの会話を

 ですから、当クリニックでは、何より患者さんとの会話を大切にしたいと思っています。出来るだけ患者さんのお話を聞かせていただき、私どもの方からも患者さんが納得できる説明を、十分な時間をかけて行うようにしています。とはいっても、他の患者さんを待たせ過ぎるわけにはいきませんから、無制限にお話ししていられないこともありますが、可能な限り対話の時間をとらせていただくよう努力しています。
 それから、当クリニックが専門科目として掲げている肛門外科、消化器内科、内科以外の症状に関しても、私が出来ることであれば何でもさせていただいていますが、医師の目から見て、専門医による治療が必要である場合は、患者さんの希望を伺いながら、積極的に専門医院をご紹介しています。それは、入院が必要な場合でも同様です。
 その為に必要な、地域の専門医院や総合病院との連携システムの構築にも努めています。迅速に適切に、皆さんが必要な治療を受けられるようにすることが、“町のお医者さん”としての私の務めだと思っています。

最新の医療機器は患者さんの負担軽減のため


経鼻内視鏡、動脈硬化検査機器、超音波骨評価装置、ヘルストロンなどを導入

 それと同時に、当クリニックでは最新の医療機器を導入して、少しでも患者さんの負担を少なくした治療を心がけています。今ではどこでも行うようになった経鼻内視鏡ですが、神戸では多分、当クリニックがかなり早い時期に導入したのではないかと思います。
 他にも、経鼻内視鏡などの電子内視鏡、動脈硬化検査機器、超音波骨評価装置、ヘルストロンなど、患者さんの負担軽減を考えて最新の医療技術を導入しています。
 たとえば、スコープの先端部に超小型テレビカメラを搭載した電子内視鏡は、従来のものより解像度が高いので、より適切な診断を下すことができます。また、検査後すぐに結果を詳しく説明することができますから、不安な気持ちで結果を待つ必要がなく、患者さんのストレスを大きく軽減します。
 動脈硬化検査機器も、両手両足首の4箇所の血圧などを同時に測定するだけの簡単な検査で、痛みはほとんどなく、所要時間も10分程度です。とても気軽に定期検査を受けていただけるので、早期発見に役立ちます。
 超音波骨評価装置は整形外科では当たり前の設備ですが、骨粗しょう症の程度を簡単に調べられるので、女性の患者さんに喜ばれています。測定にかかる時間はたったの2分程度です。
 ヘルストロンは、座っているだけで三万ボルトの電界に全身を包み込まれる装置です。体中の血管に電流が流れることにより血行が良くなるだけでなく、血液を弱アルカリ性に向かわせる働きがあります。この装置は、治療に使っているというよりは、クリニックに訪れた患者さんにリラックスしてもらうために導入しました。肩こりや不眠、便秘の解消にも効果があると好評です。

必要なことは何でも提供する

 固定観念にとらわれず、患者さんに必要なことは何でも提供するというのが、当クリニックのモットーです。たとえば、花粉症の治療などは、本来は科目違いなのですが、当クリニックを頼りにしてくださる患者さんに相談されることが多かったため、今は積極的に治療するようにしています。花粉症は、花粉が飛ぶ二週間以上前から、抗アレルギー点眼薬などを使用する初期療法が効果的ですから、マスクやメガネの指導等も含め、事前の対処を薦めています。
 また、漢方薬等も積極的に使用して、西洋医学と東洋医学の良いところを組み合わせた治療を試みています。実は若い頃には漢方治療に対して懐疑的な気持ちをもっていたのですが、勤務医のときに同僚に薦められて勉強会に行ったのをきっかけに、視野が広まりました。たとえば「むくみ」に対して、西洋医学では利尿剤を使用するのですが、それでは脱水を引き起こすこともあるのです。しかもリバウンドを起こし、かえって悪くなってしまうようなこともなくはありません。しかし、漢方治療では不必要な水分だけを排出できるし、体質改善の可能性も期待できます。となれば、患者さんのために使用を検討する余地は十分にあるということなのです。
 また、機動力も医療にとっては大切な要素と考えています。できるだけ早期に適切な処置を行うことで、病状が軽いうちに治してしまえることも多々あるからです。ですから、当クリニックでは、他の医院が閉まっている日にも診療を受けていただけるよう、日曜診療を始めました。また、本来予約が必要な経鼻内視鏡検査でも、当日に他の患者さんの予約が入っていなければ受けていただくことが可能な体制にしました。

治療に役に立つなら何でも貪欲に取り入れる

 医療技術は日進月歩で進化しています。私たち現場の医師は、その医学の進歩を実際の医療に反映させる義務を負っています。ですから、最新の医療機器等に関しての情報を怠りなく収集し、研修等には積極的に参加し、いつも最先端の技術を実践できるように努力を怠るまいと思っています。
 最近は、時間があればアロマセラピーの資格なども取ってみたいと思っているのです。どんなことでも、患者さんの役に立つ可能性があるものに対しては、貪欲に興味をもっていきたいと、そう思っています。

取材・文/QLife

ちかしげクリニック

医院ホームページ:http://chikashige-clinic.com/

JR鷹取駅から徒歩1分。詳しい道案内は、医院ホームページから。

診療科目

肛門外科、消化器内科、内科

近重民雄(ちかしげ・たみお)院長略歴
近重民雄院長
1978年 神戸大学医学部卒業
1979年 神戸大学医学部附属病院麻酔科
1983年 協立総合病院、野垣肛門科
1984~1985年愛知県がんセンター消化器肛門病外科等で研修
1994年 ちかしげクリニック院長


■所属学会
日本消化器内視鏡学会、日本大腸肛門病学会、日本東洋医学会、日本内科学会



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