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[クリニックインタビュー] 2010/10/15[金]

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大学病院が医療の最先端とは限りません。患者のこと、地域のことを第一に考えながら、独自の工夫で医療の最前線に取り組んでいる開業医もたくさんいます。そんなお医者さん達の、診療現場、開業秘話、人生観、休日の過ごし方、夢などを、教えてもらいました。

第89回
医療法人好誠会西野クリニック
西野好則院長

幼少期から夢は『医者になること』

 小さな頃から医者になるのが夢でした。幼稚園の頃の『お医者さんになりたい』と将来の夢を書いたものが今でも残っています。幼少期、体が弱かったため入退院を繰り返していました。そのために病院がとても身近な存在でしたし、出会った先生も良い方ばかりだったので、自然と医者になりたいという気持ちになったように思います。生まれてから、医師以外の職業に就くこと考えたことは一度もありません。
 私はとにかく患者さんの診察をすることが好き。こんなにも毎日たくさんの方にお会いしてお話ができる仕事は、そんなに多くはないんじゃないでしょうか。その上、病気を治療して「ありがとう」と感謝の言葉をいただける、とても幸せな仕事だと感じています。
 子どもの頃、たくさんのいとこたちに囲まれて育ったせいか、人と話をしたり触れ合ったりすることが楽しいんです。そのお陰でしょうか、患者さんからも「話しやすい先生でよかった」といわれ、悩んでいたことも相談していただけます。
 私の診察の基本となっているのは、研修医時代に私が師事した、現在岐阜赤十字病院で副院長兼泌尿器科部長をされている藤広茂先生の教えです。藤広先生は、「仮に上司が“問題ない”と診断していたとしても、患者さんの症状をよくみて自分自身で診察して判断しなくてはいけない」とよくおっしゃっていました。
 これは、人を疑えという意味ではなく、そうした姿勢で診察ができないと、臨床能力がつかない上に、患者さんの声が聞けない医者になってしまうから。
 そして、臨床と研究で長く勤務していた岐阜大学医学部付属病院で直接の上司だった高橋義人先生(現、岐阜県総合医療センター泌尿器科部長)が常々おっしゃっていた「患者をみるために医師になったのだから、全うしなさい」という教えも、現在の私に大きく影響しています。
 こうして考えると、私は本当に周囲の人に恵まれているんだと感じます。

目指したのはディズニーランド

 当院を開院する時に目指したのは、『ディズニーランド』や『リッツカールトンホテル』。病院なのに、意外だと思われるかもしれません。例えば、ディズニーランドならば、長い待ち時間があっても、来場者はそれ自体も楽しいと感じ、また来たいと感じていますよね。リピートしたいと思う理由が、そこにあるのです。当院が真似したいと思っているのは、そんな満足感を得られるサービスやホスピタリティなのです。
 気持ちよく通っていただける病院にすることで、患者さんが病院に対して抱いているマイナスイメージを払拭し、患者さんが通いやすいと感じていただけるようになれば良いと思っています。
 体の調子が悪いと感じていても、病院に行くことに二の足を踏んでしまう、相談したいことがあっても相談しづらい、ということからなかなか治療できず、症状が進んでしまう懸念もあります。
 通院しやすい、相談しやすい環境の病院であることは、病気を早期発見・早期治療することにつながると考えています。そのために、スタッフの対応の徹底や院内の清掃には気を配っています。清掃については、定期的にクリーニング業者を入れていますが、特にトイレをキレイに保つことには注意を払っています。泌尿器科ということもありますし、やはり、トイレがキレイだと気持ちいいですからね。

スタッフは当院の最大の自慢

 当院のスタッフは看護師も受付も業務的なスキルはもちろん、対人スキルが高いことが必須となっており、ホスピタリティを意識して患者さんに対応をしてもらっています。例えば、診察を受け付けた際には、「今、つらいですか?」と一声かけてもらうようにしています。患者さんがつらいようならば、看護師がロビーまで様子を確認しに行き、状況に応じて対応をするのです。
 患者さんが湿疹の痒みを訴えている際でも、そのまま順番を待てる場合、簡単な応急処置が必要な場合、緊急を要する場合など様々あります。患者さんの様子、状態をきちんと把握して、臨機応変に対応することを、当院のスタッフには徹底しています。
 こうした体制は一朝一夕にはできません。最初の採用面接時に、当院の方針をしっかり伝えたうえで、何か気付いたことがあったときには、都度スタッフに助言や指導を繰り返し行っています。スタッフたちは私の意図を汲み、先に述べた受付の対応などのように、きちんと対応してくれています。受付も極めて医療知識や社会知識が豊富で、看護師も医師なみの知識に精通していて、本当に患者さんの気持ちのわかる人ばかりです。このスタッフたちは、当院の最大の自慢です。

総合病院と連携で最適な医療を

 当院では機材なども整え、泌尿器に関わる症状をなるべく多く診られるようにしていますが、大きな手術や入院が必要となる場合、総合病院にかかっていただく必要があります。ただしその場合でも当院は、総合病院との連携が取れていますので、患者さんに安心して治療に専念していただくことができます。
 私は岐阜大学医学部付属病院、岐阜市民病院、岐阜赤十字病院などの勤務医を長くしてきましたので、それぞれの総合病院の先生とも懇意にしており、患者さんの申し送りなどが非常にスムーズにできています。
 また、木曜日の午後は休診ですが、私自身は岐阜県内はもとより、愛知県や静岡県、滋賀県などまで足を運び、泌尿器手術を行っています。設備の事情から当院では対応できない症例にも直接に関わることで、私自身も継続的に手術の技術を維持させ、伸ばすことができます。
 私が専門としている手術は、女性の尿失禁手術と膀胱脱などの性器脱手術で、岐阜県で初めて専門医として開始しました。
 女性の尿失禁や膀胱脱は、患者さん自身が一人で悩んで長く生活してしまい、非常にQOL(生活の質)を落とす疾患です。初めて尿失禁の最新手術を開始した時は、予約が1年待ちという事態になり、とても反響が大きかったのを記憶しています。これらの手術は数多く行っており、実績も上がって多くの患者さんに満足していただいています。

最高性能の機材を揃えた自由診療

 泌尿器科というと女性には敷居が高いようですが、当院では女性の患者さんが多く、全体の7割を占めます。勤務医時代からの患者さんが多いこともありますが、病院の雰囲気を明るく清潔にしているためではないでしょうか。
 もう一つ、女性が来院しやすい理由は、レーザー脱毛やレーザーによる美白治療、肌のアンチエージング、シミとりなどの自由診療を行っていることかもしれません。
 当院はあくまで保険診療が中心ですが、患者さんの要望があってこうした自由診療も半年前に始めました。レーザー治療器は米国製キャンデラ社の『GentleLASE』や『GentleYAG』など最高性能のものを取り揃えており、処置の内容に合わせて最適のものを利用できます。また、自由診療で来られた方にも気持ちよく受診していただけるように、待合室を通常診療とは別に増設しました。そちらの待合室には洗面台も用意して、メークした状態で来院し、処置後ゆっくりメークアップできるような環境にしました。
 保険診療で通っていた患者さんが、元々興味があったからと、シミとりなどを受けるケースがあります。また逆に、自由診療を受けたことをきっかけに、これまで病院に行けなかった体の悩みを保険診療で治療されることもあります。これらのことから保険診療、自由診療ともに、患者さんにとって高かった敷居を低くすることができているのではないかと思います。
 病院は必ずしも、つらいから来るというところではないと思っています。病院を訪れた方が、病院を出る時は、「あぁ、来てよかったな」と思える、そんな空間作りを目指したいと思っています。

取材・文/悠木まこと
岐阜県在住フリーランスライター。2008年独立。Web記事を中心に、インタビューライティングを数多く手がけている。

医療法人好誠会西野クリニック

医院ホームページ:http://www.nishino-cl.com/e/index.htm

詳しい道案内は、医院ホームページから。

診療科目

美容皮膚科(医療脱毛、アンチエイジングレーザー治療、にきび治療)、泌尿器科、女性泌尿器科(頻尿・尿失禁)、小児泌尿器科(夜尿症・先天性疾患)、皮膚科、ED(男性更年期)

西野好則(にしの・よしのり)院長略歴
西野好則院長
1990年 高知医科大学医学部卒業
1995年 岐阜大学医学部付属病院医員
1995年 岐阜大学医学部助手(排尿障害専門外来を開設)
2000年 岐阜大学医学部講師
2002年 東海中央病院泌尿器科部長
2003年 岐阜市民病院泌尿器科副部長
2005年 医療法人好誠会西野クリニック開院 理事長就任


■認定・専門医
岐阜大学医学部非常勤講師、医学博士、日本泌尿器科学会 専門医、日本泌尿器科学会 指導医

■所属学会
日本泌尿器科学会、日本排尿機能学会、日本夜尿症学会、日本女性骨盤底医学会、日本老年泌尿器科学会、日本Endourology&ESWL学会、International Continence Society(国際禁制学会)



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