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[クリニックインタビュー] 2010/11/05[金]

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大学病院が医療の最先端とは限りません。患者のこと、地域のことを第一に考えながら、独自の工夫で医療の最前線に取り組んでいる開業医もたくさんいます。そんなお医者さん達の、診療現場、開業秘話、人生観、休日の過ごし方、夢などを、教えてもらいました。

第92回
えんどう眼科
遠藤哲治院長

「医師になる」という意識は幼少期から

 私は父が歯科医だったので、子どものころから医療の現場は身近だったもので、「将来は医師になるのかな」という意識はずっとありました。ですから、「医師になっていなかったら」という選択肢は自分にはなかったように思うのですが、それでも子どものころは、パイロットになりたい、という男の子っぽい夢もあったりして、小学校の卒業文集には「宇宙飛行士になりたい」と書いたこともありましたね(笑)。
 実際に進路を決めるころになって、医師は医師でも歯科だけでなく、もう少し選択の幅を広げて考えたいと思い、医学部に入りました。入学した当時は、本などに影響されて外科に憧れたこともあったのですが、外科や内科がチーム医療なのに対して、眼科は検査から診断、治療まで、ある程度ひとりでオールマイティにこなすというところに魅力を感じて、眼科を選択しました。
 医師になってから影響を受けた医師としては、開業前、総合病院に勤務していたときに手ほどきを受けた先生でしょうか。一緒に働いたのは2年ぐらいでしたが、とにかく手術の技術がすばらしい先生でした。速さだけでなく、とっさの判断の的確さや手技の正確さなど、教わったことは今でも患者さんの治療をするときに活用させていただいています。
 眼科医になったときに、いずれは開業することになるだろうという漠然としたイメージは持っていたのですが、こちらで開業することを決めた理由は2つありました。ひとつは、以前勤めていた病院で診ていた患者さんを継続的に見ていきたいと思ったこと。もうひとつは、さまざまな科の医院が1カ所に集まる医療モールの、何かあれば他科の先生に患者さんを診ていただいたり、困ったときには相談したりできるという点に魅力を感じたことでしょうか。

新しい技術を取り入れる姿勢を忘れない

 開業して3年目になりますが、毎日患者さんと向き合うなかで心がけていることは、とにかく「患者さんにわかりやすい説明をする」ということですね。そして、「来てよかった、また何かあったら来よう」と思ってもらえるような、地域の方々にとっての「頼れるお医者さん」でいたいと思っています。
 また、当院は小さなクリニックではありますが、設備や技術を充実させ、診断から手術まで、一通りの治療はすべて当院で行える病院にするということも、掲げている目標のひとつです。開業すると、どうしても経営面にばかり目が行きがちで、新しいものを取り入れるよりは今の状態を守ろうと保守的になってしまうと聞くのですが、経営面も考えつつ、プラスαとして「つねに新しいものを取り入れる」という姿勢も必要かな、と考えています。設備においても、知識や技術においても。
 そのためには勉強も必要なので、今でも年に2回ほどは定期的に学会などにも出席して、新しい知識や情報を入手し、つねに先を見据えることを意識しています。
 当院にいらっしゃる患者さんは、ご高齢の方やお子さんが多く、疾患としては白内障や緑内障、季節的なものでは花粉症などのアレルギー疾患、お子さんの学校健診後の視力診断や矯正などが多いですね。そんな中でやりがいを感じるのは、やはり治療の成果があらわれて、患者さんに喜んでいただけたとき。
 白内障の患者さんから、手術後に「よく見えるようになった。先生、こんなお顔してたんですね」とか、「自分にこんなシワがあったなんて。でも見えるようになって嬉しいです」なんて言ってもらえると、この仕事をしていてよかったと思います。人間が生活するとき、「約8割は視覚から情報を得ている」といわれるほど、「見える」ということは重要な機能なので、やはりそれを与えられること、患者さんの実際の生活が変わったということを実感できることが、いちばんの喜びですね。

「待ち時間の短縮」が今後の課題

 日々のリフレッシュ法として、以前はスポーツジムやプールなどに行って体を動かすことをしていたのですが、今はなかなか行けないので、もっぱら帰宅後に子どもと遊ぶことですね。娘がふたりいて、女の子なので、大きくなったら遊んでくれなくなるのでしょうけど(笑)、今のところは私が帰るのを楽しみに待っていてくれるので、帰宅後や休日は、娘たちと一緒に子どものように遊ぶのが、いちばんのストレス解消になっています。
 趣味は旅行なのですが、こちらも今は、夏休みと年末年始ぐらいしか休みも取れないので、そういう休暇を利用して、子どもの喜ぶところに出かけるぐらいになっています。休みを長く取ると、やはりその前後はどうしても患者さんがたくさんいらっしゃって混雑することになるので、あまり長く取り過ぎないようにしています。
 多くの患者さんにいらしていただくことは本当にありがたいことなのですが、当院は予約制にはしていないので、混雑するとどうしても患者さん1人1人の待ち時間が長くなってしまいます。以前、統計を取ったことがあるのですが、受付からお帰りになるまでの時間をリサーチしたら、最長で2時間ぐらいということもあったのです。雑誌などで「待ち時間の許容限度は1時間ぐらい」と読んだこともあり、なんとかして待ち時間を短縮することが今後の課題だと考えています。将来的には、できればもう1人ぐらいドクターを増やして、2人体制で診察にあたることができれば、今よりは待ち時間が短くてすむ環境を整えられるんじゃないかと考えています。
 今後の課題としては、待ち時間の問題クリアと、引き続き、新しい技術の導入という2本立てで臨み、これからも地域の「かかりつけ医」を目指していきたいと考えています。

取材・文/出村真理子(Demura Mariko)
フリーライター。主に医療・健康、妊娠・出産、育児・教育関連の雑誌、書籍、ウェブサイト等において取材、記事作成をおこなっている。ほかに、住宅・リフォーム、ビジネス関連の取材・執筆も。

えんどう眼科

医院ホームページ:http://www.endo-ganka.com/

埼玉高速鉄道「川口元郷」駅より徒歩3分、シティデュオタワー2F医療モール内。
詳しい道案内は、医院ホームページから。

診療科目

眼科

遠藤哲治(えんどう・てつはる)院長略歴
遠藤哲治院長
1994年 日本医科大学卒業後、同大学眼科学教室入局
1997年 北村山公立病院眼科医長
1999年 国家公務員共済組合連合会稲田登戸病院眼科部長
2003年 医療法人埼友会眼科
2007年 えんどう眼科開設
2009年 医療法人社団来聖会えんどう眼科理事長就任


■資格・所属学会他
日本眼科学会認定眼科専門医、視覚障害者福祉法指定医


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