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[医療人] 2011/12/02[金]

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大学病院が医療の最先端とは限りません。患者のこと、地域のことを第一に考えながら、独自の工夫で医療の最前線に取り組んでいる開業医もたくさんいます。そんなお医者さん達の、診療現場、開業秘話、人生観、休日の過ごし方、夢などを、教えてもらいました。

第127回
ストレスケア義村クリニック
義村勝院長

精神科以外の道は考えていなかった

 私は出身が鹿児島県の徳之島で、母は島外の出身だったこともあり、小さい頃から、母と話す言葉と、島の友達と話す言葉の2つの言葉を、状況に応じて使い分けていました。それが心に興味を持つきっかけとなり、中学や高校の時には、精神分析などの分野にも興味が広がりました。その後、熊本大学医学部に進学。もし医学部に進まなかったとしたら、心理学が勉強できる大学に行っていたと思います。
 入学してからも、精神科ひとすじ。それ以外の診療科に進むつもりは全くありませんでした。医学部では、大半が入学後にどの診療科を専門にするかを決めるのですが、その意味では私は変わっていたのかも知れません(笑)。実は勉強も、興味のない分野はあまりしなかったように覚えています。ですが、卒業して精神科医になってからは、ものすごく勉強をしましたね。

リワークで患者さんの社会復帰を目指す


デイケアやリワークのために新設された多目的ルームのほか、受付など、院内は落ち着いた雰囲気で統一されている

 福岡大学附属病院勤務、佐賀県の医療法人進藤病院院長を経て、2000年5月に、福岡市中央区に当院を開業しました。そして2011年2月に、新たにデイケアとリワークの部屋を設けるために、同じフロアの別の場所に移転しました。デイケアは高齢者の方が対象というイメージがあるかも知れませんが、歴史は精神科の方が長いのです。様々な方が、生活リズムを作るために、作業やレクレーションをしに、通って来られています。
 また、リワークというのは、うつ病の患者さんが社会復帰できるようにするためのプログラムのことです。現在まで、沢山のうつ病の患者さんを診てきましたが、薬で一時的に良くなったように見えても、その後社会復帰するとまた再発してしまう人が多いのです。それを何とかできないかと思って始めました。具体的には、まず、朝当院に来ることから始まります。生活リズムを作ることをとても大事にしていて、出欠もチェックします。それが出来るようになると、パソコン作業などで仕事の練習を行ったり、レクレーションを行ったりして、1日過ごして帰宅するという内容です。デイケアよりも、仕事に戻るということを重視しており、生活リズムを立て直して頭と体の両方を動かし、心身ともに元気になってもらうためのアプローチです。現在は、このリワークを行っている病院はまだ非常に少なく、全国に100施設もないほどですが、社会からのニーズも高いと考えており、これから当院でも拡大していく予定です。その他にも、カウンセリングや認知行動療法も受けることができるようにしており、様々な面から、患者さんに合った治療法を提供できるようにしていきたいと考えています。

初診はじっくり時間をかけて

 昔は「精神の病は脳の病である」という説と、「性格から由来するものである」という説が対立していましたが、現在は、脳、性格、環境といった3つの要素が複雑にからみあって、病気が発症しているという考えが主流になっています。この3つの比重を的確に判断するのが非常に重要で、例えば、会社で上司との関係がうまくいかずにストレスを抱え込んでしまったとします。しかしながら、その背後に両親との関係性が影響を与えていたと考えられる場合は、お薬を沢山飲み、しばらく休養をしても、復職後に同じことを繰り返してしまう可能性も十分あるというわけです。この場合は、カウンセリングなどで自分の物事の捉え方やフィルターを変えるようなアプローチが有効かも知れません。
 このように、見立てが非常に重要であることから、初診には1時間はかけるようにしています。というより、かかってしまいます。予約制にしているのは、そのためです。患者さんからしっかりと話を聞き、一通りの身体の診察、検査もします。まれに、実は身体の方に問題があったということもありました。その時は、本当に見つかって良かったと思いました。
 また、「手当て」というように、実際に患者さんの身体に手を当てることで、患者さんに安心感を持っていただきたい思いもあります。子供の頃に、お母さんからお腹をさすってもらえたりすると、「大事にされているんだな」と思った記憶ありませんでしたか? 読んで字のごとく、手当ても、大事に考えています。

早期受診をしてほしい

 他の病気も同じですが、心の病気は、症状を出来るだけ早くくい止めるためにぜひ早期の受診をしていただきたいと思います。しかし心療内科や精神科にはなかなか来づらいという方も多くいらっしゃるかも知れません。少しでもそういった思いを少なくできればと思い、ホームページを見やすく、親しみやすく変えたり、クリニック内も明るく、落ち着いた雰囲気に統一したりしています。私自身も、元々診察中に白衣は着ていませんし、この夏は「スーパークールビズ」ということでジャケットも脱いで、半袖のポロシャツなどカジュアルな服装が多かったです(笑)。もし、気になる症状があれば、できるだけ早めに一度受診してみることをおすすめします。

リフレッシュはマウンテンバイク

 休日には、時間ができると趣味のマウンテンバイクで街を走っています。福岡の大濠公園という大きな公園を回ったり、行き帰りの景色を楽しんだり。体を動かすと、気分もとてもさわやかになりますし、足にも筋肉がついて体力がつきます。最近は忙しくて控えていますが、以前はこのクリニックが入っている8階まで、エレベーターを使わずに階段で昇り降りもしていました。ストレスを溜めないように、楽しんで体を動かすことは、とてもおすすめです。
 開業して、今年で11年目になります。フロア内の移転も済んだばかりで、また新たな気持ちで毎日臨床の現場と向き合っていくつもりです。多分、10年先、20年先もずっとやっているでしょう。患者さんと接する現場が、私には向いているみたいです。

取材・文/松田はなこ
市場調査会社、広告代理店勤務後、広告プロダクションにて、コピーライター職を経験。その後福岡でフリーペーパー記事やTwitterのbotのツイートライティング等を行う。

ストレスケア義村クリニック

医院ホームページ:http://www.stresscare-yoshimura.com/

福岡市営地下鉄赤坂駅4番出口真上、西鉄バス赤坂門または大名2丁目バス停からすぐ。
詳しくは、医院ホームページから。

診療科目

精神科、心療内科

義村 勝(よしむら・まさる)院長略歴
1982年 熊本大学医学部卒業、福岡大学医学部精神医学教室入局
1989年 福岡大学大学院社会医学系精神分析学専攻修了 医学博士
1990年 福岡大学医学部精神医学教室助手
1991年 福岡大学医学部精神医学教室医局長、同併任講師
1994年 医療法人進藤病院院長、福岡大学医学部非常勤講師
2000年 ストレスケア義村クリニック開院
2002年 某製薬会社産業医
2004年 第一医療リハビリテーション専門学校非常勤講師
2005年 某公庫EAP(従業員支援プログラム)担当精神科医、福岡デザイン専門学校精神科心療内科担当校医


■医学関係資格
医学博士、精神保健指定医、日本集団精神療法学会認定グループサイコセラピスト、認定スーパーバイザー、認定産業医、認定臨床心理士(2004まで)、日本・欧州共通サイコセラピスト(JCP)、精神科専門医

■所属学会及び研究会
日本精神神経学会、日本集団精神療法学会、日本精神分析学会、日本家族研究・家族療法学会、日本精神神経科診療所協会、日本サイコセラピー学会、日本認知療法学会、うつ病リワーク研究会


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