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[クリニックインタビュー] 2012/02/10[金]

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大学病院が医療の最先端とは限りません。患者のこと、地域のことを第一に考えながら、独自の工夫で医療の最前線に取り組んでいる開業医もたくさんいます。そんなお医者さん達の、診療現場、開業秘話、人生観、休日の過ごし方、夢などを、教えてもらいました。

第131回
菅原内科医院
菅原寬院長

父の背中を見て、自然と医師の道へ

 父、両親の祖父が医師で、そして私自身ひとりっ子ということもあり、医師の道を目指すようになりました。父は弁護士になれと言っていたのですが、親戚にも医師が多く、小さい頃からその仕事を間近で見ていたので、自然に「将来は医師に」と思っていたような気がします。
 母方の父が、昔この場所で産婦人科を開業していまして、隣で父も内科を開業しました。それから父が50歳の若さで亡くなってしまい、それがきっかけで跡を継ぎ、建物も新しくして今年で13年目になります。祖父と父と隣同士で開業していた頃は、患者さんは、祖父のところで産まれてから、風邪を引いたりすれば父のところへ通院、という流れでサポートは万全でした(笑)。私がここで診療を開始してからも、祖父や父の代からの患者さんがたくさん通院してくれていて、嬉しいですね。

救命救急で、最初の判断の重要性を経験

 福岡の久留米大学病院にて勤務した後、東京の博慈会病院というところに移りました。久留米大学病院ほか複数の大学病院からの精鋭のスタッフがこの博慈会病院へ集まっていて、とても充実した忙しい日々を送ることになったのですが、救急車が1日に何台も来る病院でして、私が担当していたことは、救急車で搬送されてきた患者さんの疾患を判断し、的確な診療科へ送ることでした。急患の方の症状から、ミスなく診断をつけなければならず、そのためにすべての疾患を把握しなければいけなかったのですが、周囲の優秀な先生達に恵まれたこともあり、判断する力は鍛えられました。当たり前ですが、患者さんは病名を持って来てくれる訳ではないですからね(笑)。4年半在籍しましたが、ここでの経験は、本当に現在の診療に大いに活かせています。

開業医に必要なことは何か?をずっと考えていました


柔らかな照明で落ち着いた雰囲気の廊下

 東京にいた頃から、「開業医に必要な検査」の経験値を上げることを常々考えていました。博慈会病院にいた頃、週に1回は都内の大塚にある「がん研究所」という機関に通い、内視鏡検査などをかなりの回数行いました。例えば、血管造影という動脈や静脈の中を可視化する検査手法がありますが、それを極めたとしても、それのみで開業というのは実際のところ難しい。私はゆくゆく開業医になるつもりでしたので、開業医に必要な検査をとことん極めるようにしていました。現在はCT、MRI以外の検査は当院で受けられるようにしています。

病気を最短で治す、そのために

 どこの病院でも同じことだと思いますが、患者さんは病名を伝えに来るのではなく、今起こっている症状を抱えて来院されます。そしてその症状を医師に伝える。そこで医師がどんな判断をするか。ここを見誤ると、患者さんの回復までの時間や、時には人生、QOL(クオリティーオブライフ)さえも変わってしまう可能性があります。私が日々いちばん気を付けていることは、患者さんの症状から疾患を見落とさないことです。例えば、腹痛で来院された方が、よく調べてみると盲腸だった・・・ということも稀にあります。重症な場合は、すぐに近くの総合病院に搬送し、緊急手術に至ったケースもありました。
 疾患を見落とさないために、当院には万端の検査施設も揃えていますし、もし何らかの疾患が発見された場合、治療において最善の方法であると判断すれば、必要に応じて他の病院、または医師を紹介します。医師によっていろいろな考えもあるでしょうが、開業医にできることと、大きな総合病院でできることは違うと思っていますので、患者さんができるだけ最短ルートで治るようにしていきたい。その思いは常に強く持っています。
 この「できるだけ最短で治す」というのが私のポリシーのひとつとも言えるのですが、例えば風邪で来院された患者さんが1回で治らず、2回目に来院されたときは、内心少し悔しくなってしまいます。風邪は1回で治さないと気が済まない!というくらいの意気込みでやっていますので・・・(笑)

レベルの高いホームドクターであり続ける

 街にはいろんな病院、クリニックがあると思います。他の医院についてはよく分からないのが正直なところですが、当院に関しては、自分が良いと思ったもの、新しいものは積極的に取り入れています。
 例えば、新しい薬が販売開始されたとします。開業医であれば、自分の判断ひとつで調剤薬局に仕入れてもらうことができます。ですので、いち早く患者さんに新しい薬をお渡しできるのは、開業医の強みだと実感します。時々、患者さんの症状に合わせて漢方を処方することもあり、いわゆる西洋の薬と両方を検討し、患者さんに合わせて処方しています。あとは電子カルテや検査施設も、できるだけ新しいものを導入しています。カルテもタッチペンを使うと、ずいぶん時間短縮が可能になりました。新しいものが好きなのかも知れませんが、様々な面でレベルを上げていくために、惜しまず挑戦を続けていこうと思います。
 私の専門は消化器ですが、東京時代の経験もあり、様々な疾患に対しての判断経験と最新の検査施設で、患者さんにとっての「ホームドクター」になれればと考えています。ちょっと様子がおかしいなと思ったら、なるべく早く来て欲しいです。万が一、何か疾患が隠れていたら、早期発見で治癒する可能性がかなり上がりますから。

1泊でもカメラを持ってすぐ旅へ

 休みになると、国内・海外問わずよく旅行に出かけています。週末で沖縄や北海道にも出かけたりして、もう弾丸ツアーですが、それでも出かけてしまいます。また、旅行先で写真を撮るのも好きなのですが、あるとき、その撮った写真を患者さんに見せたら反応が今ひとつで、それが悔しくて(笑)。上手くなろうと勉強し、今ではかなり腕が上がりましたよ(笑)。院内の廊下にも飾っています。
 休みだからといって、家に閉じこもっているタイプではないです。週末にしっかり自分の好きな活動をして、月曜から「ヨシ!」と気合いを入れて、全力で1週間過ごす。患者さんを元気にするなら、まず自分も元気でいないと、ですね。

取材・文/松田はなこ
市場調査会社、広告代理店勤務後、広告プロダクションにて、コピーライター職を経験。その後福岡でフリーペーパー記事やTwitterのbotのツイートライティング等を行う。

菅原内科医院

医院詳細ページ:http://www.qlife.jp/hospital_detail_959888_1

診察時間 月・火・木・金 : 9:00~13:00 14:00~18:30/水・土 : 9:00~13:00
休診日 日・祝
TEL 092-541-5494
西鉄天神大牟田線大橋駅より徒歩3分。詳しくは、医院詳細ページから。

診療科目

内科、消化器科、リハビリテーション科

菅原 寬(すがわら・ひろし)院長略歴
1988年 久留米大学医学部卒業、久留米大学病院第2内科教室入局
1990年 博慈会記念病院勤務、公益財団法人がん研究会 がん研究所勤務
1995年 先端癌研究所 マトリックスグループにて肝臓癌研究、久留米大学付属救命救急センター勤務、
国立病院九州医療センター消化器科勤務
1999年 菅原内科医院開業


■医学関係資格
医学博士


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