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[クリニックインタビュー] 2015/02/20[金]

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大学病院が医療の最先端とは限りません。患者のこと、地域のことを第一に考えながら、独自の工夫で医療の最前線に取り組んでいる開業医もたくさんいます。そんなお医者さん達の、診療現場、開業秘話、人生観、休日の過ごし方、夢などを、教えてもらいました。

第175回
古原医院
古原雅樹院長

開業医だった父の跡を継いで


写真提供:古原医院

 高校生の頃は物理学が好きで、科学者になりたいと思ったこともありましたが、私は子供の頃から医師になるように育てられたので、医師になるのが当然だと思っていました。
 開業したのは30歳過ぎです。大学を卒業し助手になった頃でしたが、父が「もう引退したい」と言っていたのに対して「せっかく開業しているのにもったいない」と思ったことや、学位論文の作成が終わり研究も一段落した頃だったので、開業するのにはちょうどいい時期だったのです。

“治す”ことが一番の至上命題

 大学にいるときは患者さんを学問的な視点から診ることも必要でしたが、やはり開業したからには患者さんを治すのが基本です。どんなにすばらしく理路整然とその病態を説明できたところで、患者さんが治らないことにはまったく意味をなさないわけです。そこを突き詰めると、その大義のためには西洋も東洋も関係なく、可能性があるすべてのアプローチを採るべきだという考えに自然と辿り着く。それが、当院で漢方薬や鍼を取り入れている理由です。

無駄な薬剤を使わない、短期間で治せる治療を

 私は、難病と言われるものや一般的にはすぐには治癒しないとされているものに、漢方薬を処方することが多いです。西洋薬も使いますが、他のクリニックと比べ、抗生剤の使用量などはすごく少ないと思います。その患者さんにとって無駄だと思うものはあまり使わず、西洋医学と東洋医学の両方のいいところを使って最短の期間で治すというのが、私の目指しているところです。
 風邪でもなかなか治らない人がいますが、開業したての頃は、そういう症例に出会っても西洋医学的診断だけしていたためか、上手くいかなかったことがありました。ところが、漢方ではそういう病態がきちんと説明でき、それに則して治療すればいい方向に向かうことが多い。実際に勉強し始めてやっと漢方のすごさがわかってきたという感じでしょうか。
 また、透析の患者さんはかゆみを訴えることが多いのですが、かゆみについて漢方薬は有効だ、という経験を得ました。他にも、透析の患者さんは骨代謝が悪くなりますので、腰や肩が痛いとかあちらこららに痛みを訴える方が多いのですが、そういった方に対しては鍼治療も行っています。

漢方治療をより深め「名医」と言われれば

 この付近は、有床施設がなく透析の患者さんも外来透析だけだったのですが、もっと自分で患者さんが治るまで診たいという思いがあり、入院施設を造ってここに移ってきました。普通、透析施設はほとんど外来の患者さんは来ませんが、うちは外来が主体だったのでその分忙しい。外来もたくさん患者さんがいらっしゃるので、結構、朝から晩までバタバタとしてますね(苦笑)。
 今後の展望としては、難病でも何でも治せるように努力したいですし、漢方のほうももっと掘り下げていきたいですね。私自身、昔に比べると治せる範囲は広がっているとは思いますが、名医といわれる領域まで、頑張って到達したいなと思っています。

取材・文/後藤 玲(Rei Goto)
医療系を中心にWEB、紙媒体で執筆。健康、料理、お菓子作りなど生活全般における執筆も得意とする。病院取材の他、一般企業への取材活動も行っている。

古原医院

医院ホームページ:http://www.kohara-clinic.com

透析患者さんに限って送迎サービスを行なっている。病院に隣接したコインパーキングも利用可能。
空港や博多駅にも近いので旅行の際にも利用できる。
詳しい道案内は医院ホームページから。

診療科目

内科、循環器科、小児科、アレルギー科

古原雅樹院長略歴
昭和54年 福岡大学医学部卒業
昭和60年 福岡大学大学院卒業、福岡大学第二内科助手
昭和61年 開業


■所属・資格他
認定内科医、漢方専門医
日本内科学会、日本臨床内科学会、日本透析医学会、日本東洋医学会


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