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[クリニックインタビュー] 2009/05/29[金]

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大学病院が医療の最先端とは限りません。患者のこと、地域のことを第一に考えながら、独自の工夫で医療の最前線に取り組んでいる開業医もたくさんいます。そんなお医者さん達の、診療現場、開業秘話、人生観、休日の過ごし方、夢などを、教えてもらいました。

第21回
あべ整形外科クリニック
阿部康裕院長

淡々と進む整形外科の道

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 私が中学生の頃、母が髄膜炎で亡くなりました。その時、母の担当医から「今の医学で治らない病気というわけじゃなかったのにな」と言われたことで、いろいろ考えるようになりました。はっきり「医者を目指そう」と思い始めたのはもう少し後のことですが、その時点から「社会に貢献したい」という気持ちが湧きはじめたのは確かです。そして、どの職種も社会に資する点では共通していますが、私は医学を通じて貢献したい、と強く思いました。
 医師を目指した段階では、科目を絞り込むところまでは行っていませんでした。医学部の先輩に整形外科を勧められたことと、また、手先が器用でものづくりが好きだったことなどから、整形外科に進むことになりました。循環器内科に進むことも考えてはいましたが、結果的には整形外科にして本当によかったと思っています。
 そして大学卒業後、東京警察病院に入りました。入りたての頃はわからないことだらけでしたが、当時の整形外科部長の加藤文雄先生にご指導を受けることができ、ほんとうに勉強になりました。手術を担当する機会も多かったので、加藤先生に教わったことと、日々の経験の中から自分なりに気づいたことから工夫を凝らすすべを学び、それがいまの治療に生きていますね。
整形外科医は、大変興味深く、いまなお勉強しつづけております。これからもずっと続けていきたいと心から思える仕事です。

すべての患者さんに優しく接したい

 診察でいつも心がけているのは、”一度診せていただいたからには、最後まで責任をもつこと”。また、それを”すべての患者さんに対して同じように行うこと”です。
 病気や症状はひとりひとり違いますから、どういう治療がもっとも適しているのか、かならず個別に考え抜くようにしています。特に理念みたいなものを意識しているわけでもなく、ただ「責任をもって、最適の治療を個別に毎回考える」、それを継続しているだけですね。
 同時に必要なのが、”患者さんに、優しく親切に接すること”。経営理念というか、医院をやっていくうえで最も気を配っているのはそこです。スタッフのみなさんにもそれはお伝えし、実践してもらっています。
 病院にいらっしゃる患者さんは、当然、具合が悪いからいらしているわけです。その”具合悪さ”の要素は、必ずしも肉体の痛みだけとは限りません。病は気から、と言うように、病気は精神面にも影を落とします。反対もまた然りで、精神面での悩みが痛みに転じる場合だってあるんです。
 そういうわけですから、患者さんに優しく親切にするのは当たり前であると同時に、大事なこと。看護師さんなどはそれを習ってきていますので、こちらが言わずとも自覚してやってくれていますが、当院での仕事が初の病院勤務になる事務スタッフさんもおられます。自分が患者さんの立場だったらどう感じるか、どんな気持ちになるか、私自身も気をつけると同時に、スタッフの方にも常に念頭において仕事に取り組んでもらうようにしています。
 結果的に、診ていた患者さんが良くなってくれると、とても嬉しいです。つらそうな患者さんが「痛みが和らいだ」「治った」と言って笑顔を見せてくれた時には、医者としての喜びを特に感じますね。


「これが効く」商法に言いたい

 医療は患者さんの具合を治すことを目的としており、商売で儲けようとすると相反する部分が出てきます。医療は、元が取れなくて当たり前の世界。商業利益の追求を医療においてやってはいけません。
 「関節痛には○○がいいですよ」と、関節痛を治すことではなく、商品を売ることを目的としている商品も巷には多々見受けられます。そういったものが効くか効かないかと言ったら、やはり医療現場で採り入れられていないものは効かないことの方が多いんです。
 自分で試してみるのは構わないと思いますが、患者さんの具合の悪さにつけ込む商売は良くないと私は思います。難しい問題ですが……。

治療に勤しむためにも健康維持を

 これからの目標というのは特に考えていません。日々の治療が精一杯。自分自身が健康に過ごし、毎日の治療を通じて、地域医療に貢献していきたいという思いがすべてです。
 そのための健康維持としては、腹筋を鍛えたり、食べ過ぎないよう気をつけたりしています。忙しいとなかなか運動をする機会も持てませんが、カレンダー通り、日曜にお休みがありますので、なるべく週に一回は体を動かすようにしています。
 私はどうもアウトドア系のことが好きで、大学受験の時も「山に登ったりスキーしたりできそうだから、新潟大にしよう」と思って決めたくらい(笑)。機会がもてたらスキーやスノボ、登山にはちょくちょく行きたいんです。現実的には難しいので、行くといっても最近では日帰りか、せいぜい一泊が限界ですが、山は今でも好きですね。
 これまで好きだったことをこれからも続けるのと同じように、整形外科診療もこれまで同様、自身の健康にも気をつけつつ続けたいと思います。

取材・文/戸谷妃湖(とたに ひこ)
広告代理店のコピーライターを経て、現在フリーライターとしてロンドン・北京・東京の三都市を基点に活動。被虐待児童におけるトラウマティック・ストレス学、および漢方による精神疾患アプローチに関する研究をライフワークにしている。

あべ整形外科クリニック

医院ホームページ:http://www.abeseikei.com/index.html
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待合室は待ち時間も飽きないように、との配慮で読み物を多く掲示。リハビリルームは設備の台数も多く揃え、充実している。
JR・京王井の頭線「吉祥寺駅」 公園口(南口)出て直進し、信号を渡ったところの角のスバルビル2F。
詳しい道案内は医院ホームページから。

診療科目・設備

整形外科・外科・リハビリテーション科・リウマチ科・麻酔科・ペインクリニック(麻酔科・ペインは月曜日のみ)
[頚肩部痛・肩こり・腰痛・膝関節痛・股関節痛・腱鞘炎・外反母趾・巻き爪・脱臼・骨折・骨粗しょう症・リウマチ・おでき ほか]

阿部 康裕院長 略歴

阿部 康裕院長

昭和59年 新潟大学医学部卒業/東京警察病院整形外科入局
平成13年 鶴瀬病院副院長


■所属ほか
日本整形外科学会整形外科専門医、日本整形外科学会スポーツ専門医、日本リハビリテーション学会臨床認定医、日本整形外科学会 認定リウマチ医



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