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[クリニックインタビュー] 2009/06/12[金]

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大学病院が医療の最先端とは限りません。患者のこと、地域のことを第一に考えながら、独自の工夫で医療の最前線に取り組んでいる開業医もたくさんいます。そんなお医者さん達の、診療現場、開業秘話、人生観、休日の過ごし方、夢などを、教えてもらいました。

第23回
池袋クリニック
村上雄太院長

「女性のかかりつけ医」であるために

ikebukuro_01.jpg 私は小さい頃から、女性のトータルケアに勤しむ父を見て育ったことと、医学部で生命の誕生や人の死の瞬間に立ち会い、産婦人科医の責任の重さを痛感したことで、この道に進むことを決めました。
 そのため、当院は昭和40年代から父が運営していたクリニックを引き継いでいます。父は”女性のかかりつけ医”を目指し、産婦人科を軸として、皮膚科・内科も標榜していました。
 「産婦人科のエキスパートとしてではなく、女性の悩みに幅広く対応きる開業医でありたい」。そう言っていた父は平成13年に亡くなりましたが、その後は私が遺志を継ぎ、標榜を変えることなく運営しています。毎月の水子供養で訪れる寺院は、父の菩提寺でもあるんです。
 産婦人科というのはどちらかというと、外科系の診療科目。妊婦の服薬相談に対応するなど内科的なことも診る一方で、緊急事態にも処置を施さなくてはなりません。新生児や未熟児だけでなく、母体の安全をも確保するなど、産婦人科医は広い範囲でバランスのとれたドクターであることが求められます。
 そんな科目を担うからには、毎日の診療に加え、予防医学や抗加齢医学なども研究し、低用量ピルの普及にも努めて、広く女性のためのドクターとして活動していきたいと思っています。

水準の低い日本の性教育

 日本では性教育の精度が低く、浸透度も内容の明確さも、先進諸国の中でも最低水準です。とりわけ都心部では、必要な情報が正しく教育されていないことを日々感じます。
 性交渉に起因する子宮頸がんのことや、中絶によるダメージについてなど、どれだけの10代女性が理解しているでしょうか。性交渉での危険回避は男性にコンドームを着けさせておしまい。ほかにも女性が自分の身を守るためにできることはあるのに、この国では若い女性がそれを教わる機会自体がありません。女性の身体が傷つかないようにするには、中学校など早い段階から性の常識をしっかり教育し、正しい情報をより多く伝えることが必要です。
 診療現場では産婦人科医が、ひとりひとりの患者さんに対して、それらの話をしている段階。症状があって来院し、来院した方に情報を伝えている。後手後手です。せめて学校で習っていてくれれば、少なからざる疾患と事故が未然に防げます。啓蒙を医療現場に頼るのではなく、教育現場でもやってほしいと心底思いますね。
 そういうわけで私はすべての患者さんに、生活上の注意や、低用量ピルの多面的な有用性などをこんこんと説くもので、煙たがられることもあるくらい。でも、女性のかかりつけ医としてトータルに生活の質を向上させるうえで、本当に必要なことだけをお伝えしていますから、それをご理解いただければ嬉しいですね。

掲示板の取り組み

ikebukuro_02.jpg 私はネットで相談を受け付ける掲示板を運営しているんですが、それを始めるまでは、初診で見えた方が私の顔を見るなり、「男性の医師はイヤ」「男性で産婦人科医なんていやらしい」と言って、診察を受けずに帰ってしまわれることも結構ありました。やはり統計でも、女性の産婦人科医にかかりたいという方が多いですからね。それでも、掲示板でいろいろなご質問に答えるようになってからは、それらを読んで「信頼できたから来た」と言ってくださる方が増えました。
 なにごとも、やるとなったらとことんやりこむ性分なので、掲示板のお返事も日課として取り組んでいます。すべてのご質問に、1週間以内には必ずお返事するようにしてますね。
 お返事するのはもっぱら夜中。診療の後、ゴルフの練習に行って、それから1時間ずつくらい書くことが多いです。真剣なご相談がほとんどですから、こちらも真剣に書いています。いわゆる”常連さん”と言いますか、ちょくちょく掲示板を覗いてくれる方も多いんですよ。ネットでのこうした活動も、やっぱり必要なのかも知れません。

仕事から離れた趣味をもとう

 女性の健康管理にはすごくうるさいんですが、自分の方はさっぱりです(笑)。夜更かしはするわ、お肉も油ものも大好きでよく食べるわで、理想体重にしたいからあと6~7キロは落としたいんですけど、フィットネスクラブも会費を払っただけで、全然ちゃんと通えてません。
 運動はそんな感じですが、実は私はゴルフが大好きなんですよ。思いのほか凝ってしまっているんです。週末にただ行くだけでは飽き足らず、全国のアマチュア選手権での優勝目指して日々特訓しています。自分でもこんなに凝るとは思ってませんでした(笑)。
 「医者なんだから医業に集中しなよ」と言われることもありますけれども、人間は仕事から離れた趣味をもたないと、それこそ本業もおろそかになりがち。ゴルフでも日々の診療でも目標も掲げて、女性のかかりつけ医としてトータルケアができるよう、今後も池袋でがんばっていきたいですね。

取材・文/戸谷妃湖(とたに ひこ)
広告代理店のコピーライターを経て、現在フリーライターとしてロンドン・北京・東京の三都市を基点に活動。被虐待児童におけるトラウマティック・ストレス学、および漢方による精神疾患アプローチに関する研究をライフワークにしている。

池袋クリニック

医院ホームページ:http://www.e-doctors-net.com/ikebukuro-clinic/
ikebukuro_05.jpg ikebukuro_04.jpg ikebukuro_03.jpg
キレイで入りやすい設計の外観。清潔感のあるラグジュアリーな内装。ゆったり待てるよう、雑誌・TVなども充実。各線「池袋駅」徒歩5分。詳しい道案内は医院ホームページから。

診療科目

産婦人科・婦人科・内科・泌尿器科・皮膚科

村上雄太院長略歴

村上雄太院長

平成 7年3月 東邦大学医学部卒
平成13年4月 池袋クリニック開設


■資格
母体保護法指定医師/日本産婦人科学会認定医師/日本抗加齢医学会専門医/日本臨床栄養協会サプリメントアドバイザー認定医師
■所属学会
日本産婦人科学会/日本抗加齢医学会/日本産婦人科乳癌学会

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