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[クリニックインタビュー] 2015/07/10[金]

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患者のこと、地域のことを第一に考えながら、独自の工夫で医療の最前線に取り組んでいる開業医のお医者さん。そんなお医者さん達の、診療現場、開業秘話、人生観、休日の過ごし方、夢などを、教えてもらいました。

森内科 森敏純院長

救急部での研鑽の日々を経て、開業医としての使命に向かう

 父が開業医だったので、子どもの頃から医療は身近な存在でした。最初から医師を目指していたわけではありませんし、父からも医師を薦められたことはありません。ただ、もともと数学が得意だったので理系の道に自然と進み、そこで色々と考えた結果、医学部に進学しました。始めは外科に興味がありましたが、いずれは父のクリニックを継ごうと思っていたので、開業医だと扱うことが多くなるだろう、心臓疾患や生活習慣病の専門科である循環器内科へ進むことにしました。
 卒業後は、大阪医大付属病院の第一内科で研修医として勤務しました。そこで幅広い経験をさせていただいた後、救命救急センターに勤務。外来とまったく違い、常に重症患者が飛び込んでくる状況で、土日も関係なく病院へ行き、月のほとんどは救急の呼び出しに待機するオンコールという日々でした。そのおかげでさまざまな研鑽を積むことができました。やりがいのある充実した毎日を過ごしていましたが、父が病気で倒れたことをきっかけにクリニックを継ぐことになり、救急センターを離れる決意をしました。実は、開業医となった今でも、心筋梗塞などの救急患者が来る時のために、夜間オンコールは続けています。救命救急の仕事はブランクがあると、いざという時、瞬間的に動けなくなってしまうからです。開業医であっても、いざという時、医師としていつでも対応できるように体を慣らしておくことが、医師の使命だと考えています。

「変わらないこと」は治療の結果が出ている一番いい状態

 父の医院を継いだばかりの頃は、開業医と勤務医の違いに戸惑いました。開業医の仕事は、正確な治療や診察はもちろん、患者さんとの信頼関係を築くことも重要だと気づきました。内科の患者さんのほとんどが生活習慣病で、さらに自覚症状がない人も少なくありません。症状はなくとも、命に関わる大きな病気にならないよう、先を見据えた治療や検査をしていかなければなりません。でも患者さんの中には、「悪いところや変わったところが何もないのに、なぜ通院しなければならないのか」と、疑問を抱く人もいます。
 「変わったところがない」ことは、実は治療の結果が出ている一番いい状態なのですが、それを患者さんに理解してもらうことは難しく、今でも苦労することがあります。そのためにも一人ひとりの患者さんと向き合い、信頼関係を築き、患者さんに納得してもらった上で治療を受けていただく必要があります。検査をしたり薬の処方を変えたりする時も、患者さん自身が納得していなければ、多少時間はかかっても回り道をすることもあります。治療法の意味をわからないまま強制してしまっては、その後の治療継続が難しくなってしまうこともあるからです。簡単なことではありませんし、患者さんに納得してもらうことは時間と労力を必要としますが、これが内科医としての醍醐味でもあると思っています。

私の考える「いい医師」とは

 患者さんにとっての「いい医師」とは、「親しみやすい」「しゃべりやすい」「融通が利く」など、人柄の評価が高い医師であることが多いと思います。もちろんそれも大切な要素ですが、私は「医学的にいい医師」であることを目指しています。つまり知識や経験を活かして、患者さんのことを考えた治療をする医師ということです。でも、その判断基準で「いい医師」を探すのは簡単ではありません。私も、自分の専門外の医師の腕を見極めるのは難しいからです。患者さん自身が「いい医師」を見つけるためには、まずは多少なりとも自分の病気について勉強して、病気を正しく知る必要があるのではないかと思います。患者さん自身が知識を身につけると、今の自分の状態や、なぜこの治療が必要なのかなどの理解も深まると思うので、医師も患者さんとディスカッションができるようになります。そのような関係になれたら、治療もスムーズに行え、私にとっても患者さんにとってもメリットにもなるのではないでしょうか。
 私は、これからも循環器内科のスペシャリストとして、地域の人たちに信頼される医師であり続けたいと思っています。多くの患者さんと出会い、医療を身近なものと捉えてもらうことができたら、きっと患者さんが「いい医者」に出会う可能性が高くなる世の中になると信じています。

取材・文/佐藤 裕子(Yuko Sato)
フリーライター。大手企業で、旅行・スクール関連の原稿作成に携わり、その後経験を活かしフリーに。独立後はWEBサイトを中心に、医療、旅行、求人などの取材、執筆を行っているほか、着物着付師、手作りアクセサリーのデザイナーとしても活動する、2児の子を持つママライター。

森内科

医院ホームページ:http://www.morinaika.com/

阪急高槻市駅より徒歩約25分、城南中学校の裏門の向かい側。JR高槻駅もしくは阪急高槻市駅より、枚方市駅北口行きの京阪バスで、春日町のバス停から徒歩5分。
詳しい道案内は医院ホームページから。

診療科目

内科、循環器科

森敏純(もり・としずみ)院長略歴
1999年 日本大学医学部卒業、大阪医大付属病院にて研修医
2001年 大阪府三島救命救急センター
2003年 大阪医大付属病院循環器内科
2004年 枚方市民病院循環器内科
2007年 大阪府三島救命救急センター医長
2012年 4月同センター嘱託医長、5月森内科院長


■所属・資格他
総合内科専門医、日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本救急医学会専門医、日本心臓病学会所属、日本プライマリ・ケア連合学会所属


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