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[クリニックインタビュー] 2015/07/17[金]

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患者のこと、地域のことを第一に考えながら、独自の工夫で医療の最前線に取り組んでいる開業医のお医者さん。そんなお医者さん達の、診療現場、開業秘話、人生観、休日の過ごし方、夢などを、教えてもらいました。

高島整形外科 高島孝之院長

科学少年が目指した、患者さんにとっての”ドラえもん”

 少年時代は「鉄腕アトム」や「ドラえもん」が好きで、科学技術に興味を持っていました。その頃の日本は高度経済成長期。ラジオやカラーテレビなどが発売され、まるでSFアニメに出てくるような便利な道具にワクワクした思い出があります。私もそんな道具を発明したくて、小学校では科学部に所属し、水素風船を作って飛ばしたり、固形燃料を作ってロケットを飛ばしたり、さまざまな実験をしていました。大学は理系を希望していましたが、家庭の諸事情により医学部へ進学。SFアニメの”ヒーロー”ではなく、医師として患者さんの”ドラえもん”となることを目指すことにしました。
 数ある診療科の中から整形外科を選んだのは、膝や股関節の治療で、当時まだ新しかった人工関節を使っていたことに感銘を受けたからです。まさにSFアニメに出てくる発明品のように画期的で、患者さんの生活もより良くなっていくのを見て、「これだ!」と思いました。その後私は、ドイツに留学。帰国後に神戸大学医学部での勤務を経て、兵庫県立のじぎく療育センターで肢体不自由児の治療に携わることになりました。
 のじぎく療育センターでは、生まれつき障害を持つ子どもたちの手術やリハビリ、義手や義足などの補装具の装着、さらに、それらを使って体育大会や文化祭へ出場したり、また車の運転やワープロ入力などの訓練も行います。日常生活を送るためだけではなく、その子が持っている才能を社会の中で発揮できるようにすることが目的です。そしてその時出会ったのが、「障害スポーツ」でした。リハビリとスポーツが一緒になったらと発想が結びつき、介護・リハビリとの連携を密にした医療を目指し、開業に至りました。

全ての人が健康にスポーツを楽しめるようになることを目指して

JUHAI Fieldには最新の運動器具などが揃い、楽しく体を動かすことができる

 「リハビリ」とは、一般的には日常生活ができるレベルまで戻すという考え方ですが、私はもう少し先を見据えて取り組みたいと考えています。例えば、歩けなくなったお年寄りの方に、椅子に座ったままプレイできる「シューティングサッカー」を提案したり、風船を使ったバレーボールに誘ったりします。今まで経験したことがないスポーツを80歳になって初めて楽しめたととても喜んでもらえる上、体を動かすのが楽しくなったことで運動機能の向上にも繋がっています。また、患者さんの中には、ケガをしたスポーツ選手の方もいらっしゃいます。そういったケースでは治療だけでなく、なぜケガをしてしまったのか、悪い癖があるのではないかなど、体の使い方や効率の良い練習法をアドバイスしています。
 体を元の状態に戻すだけではなく、もっと良い状態にする。今までできなかったことが、できるようになる。それを私は「HABILISハビリス」と呼んでいます。「ハビリス」とは、ホモハビリス(原人)と、リハビリテーションの語源であるハビリテーションから作った造語で、通常のリハビリにとどまらず、スポーツを通して新しい体験をすることで以前よりいい状態にまで持っていくという考え方です。私は、もっとたくさんの人たちがプロのトレーナーからアドバイスを受け、良い体づくりを行えるよう、ハビリスの新しい施設「JUHAI Field(ジュハイフィールド)」を2015年5月15日にオープンしました。この施設を利用した全ての人がハビリスの概念を知り、健康にスポーツを楽しめるようになることを目指しています。

仕事のやりがいは、患者さんの笑顔を見ること

 ケガなどで体の一部が動かなくなると、不安になるのは当然です。特にスポーツ選手は、「以前と同じように動けるのか」「ブランクが空いてしまったら取り戻すのにどれほど時間がかかるのか」など、絶望的な気持ちになることが多いでしょう。私は、そんな患者さん一人ひとりに合わせた診察を心がけています。
 ドラえもんでは、のび太が何かと助けを求めます。もし、そんな風に患者さんが助けを求めて来たならば、私はドラえもんのように、これまで培ってきた医療技術と知識を使い、できるかぎりのことをしたいと思っています。だから、患者さんの楽しそうな笑顔を見たり、「ケガをする前より、スポーツがうまくなった」という言葉を聞いたりすることが一番嬉しいですね。

取材・文/佐藤裕子(Yuko Sato)
フリーライター。大手企業で、旅行・スクール関連の原稿作成に携わり、その後経験を活かしフリーに。独立後はWEBサイトを中心に、医療、旅行、求人などの取材、執筆を行っているほか、着物着付師、手作りアクセサリーのデザイナーとしても活動する、2児の子を持つママライター。

高島整形外科

医院ホームページ:http://www.takasima.jp/

阪急京都線・大阪モノレール南茨木駅より線路沿いに徒歩約4分。駐車場もあり。JUHAI Field(ジュハイフィールド)は医院から徒歩約3分。詳しい道案内は医院ホームページから。

診療科目

整形外科、リウマチ科、リハビリテーション科

高島孝之(たかしま・たかゆき)院長略歴
1985年 神戸大学医学部卒業、同大学整形外科研修医
1988年 ドイツケルン大学解剖学教室助手
1989年 ドイツウルム大学附属リハビリテーション病院整形外科学客員助手
1990年 神戸大学医学部大学院医学研究科卒業、同大学病院医員(整形外科)、整形外科助手(医学部教官)
1991年 兵庫県立のじぎく療育センター整形外科医長 
1995年 高島整形外科院長
1996年 ガンバ大阪チームドクター 兼任


■所属・資格他
日本体育協会スポーツドクター、日本整形外科学会専門医、日本リウマチ学会専門医、日本リハビリテーション学会認定臨床医

■学位及び認定医
医学博士(神戸大学)「慢性関節リウマチの骨粗鬆原因についての仮説」


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