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[クリニックインタビュー] 2015/11/13[金]

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患者のこと、地域のことを第一に考えながら、独自の工夫で医療の最前線に取り組んでいる開業医のお医者さん。そんなお医者さん達の、診療現場、開業秘話、人生観、休日の過ごし方、夢などを、教えてもらいました。

ごきそレディスクリニック 小川麻子院長

アルバイト先の病院で出会った「当帰芍薬散」

 父と祖父から「医学部しか行かせない」と言われていまして、医師になるのが当たり前という感じでしたが、本当はあまり医師になる気はなかったんです。妹は全然違う方面に進んでいるんですよ。いわゆる長女によくあるやつですね、『アナと雪の女王』のエルサの宿命みたいな。あの映画を観たときは、アナは自由でいいなって思いました(笑)。
 愛知医科大学を卒業後、大学病院の産婦人科教室に研修医として入局して、それからまた大学院に入って卵巣癌の研究をしていた頃のことです。当時アルバイト先の病院では、妊婦さんが来たら当帰芍薬散を処方する、という院内の方針がありました。気になって調べてみると、風邪や、流産、早産の予防も期待できることが分かりました。つまり体を温めることで幅広く対応できるという漢方薬だったんですね。それが本当に納得できる実感があって、すごいと思っていました。
 その後、開業の勉強に行かせてもらった病院の先生に、東京オペグループという集まりを教えてもらい、そこで漢方の話を聞いて、さらに興味を持ちました。そのグループがものすごく勉強するんですよ。いい刺激を受けられるし、勉強会に行くたびに知識を得られるので、できるだけ多く参加しました。実際に開業してから漢方薬を使ってみたら、「これはいい」と思うようになって、積極的に漢方薬を診療に取り入れています。

自分に合う漢方薬は患者さん自身が選んでいる

 漢方薬を処方する時には、まず、漢方薬の「テイスティング」をしてもらいます。患者さんに合いそうなものを本を見せながら説明して、お湯に溶かして飲んでもらうんです。2週間後くらいにまた来てもらって、改善していれば同じものを出しますし、駄目だったら別な漢方薬に変えてみます。
 飲むのを止めるのはいつですかとよく聞かれますが、私は、患者さんが飲んでいて「まずいな、もういらないな」と感じた時と考えています。「味証」というそうです。実際にあった話ですが、漢方薬を処方した患者さんが、症状のある時は「これ甘いですね」と言って持って帰られた。次に見えた時にどうですかと聞くと「まずいから、もう飲んでません」と言う。そこで症状はいつごろ治まりましたか、それまでは甘くなかったですかと聞くと「そうです」と答えます。実は自分に合う漢方薬は、患者さんが自分で決めている、体が教えてくれるんです。漢方にはそんな奥深さがあり、医師としては探究したいところがまだまだあります。

さまざまな経験を診療に活かして

 最近は、積極的にいろいろ遊びに行くようにしています。料理教室に行ったり、小さい頃やっていた日本舞踊を再開したり、ピアノも中断していたのを再開しました。子供と休みが合えば、年に1回は一緒にディズニーに行きたいと思っています。いつか「ひとりディズニー」デビューもしたいですね(笑)。
 とにかく、いろんな経験をすることが仕事につながっています。すると、患者さんと共感する部分も増やせるんです。例えばディズニーランドに行って、面白かったことや説明の仕方を診療に取り入れたり。出かけた時にはなるべく何か1個は拾って来ようと考えているのですが、たくさん拾い過ぎてパンクしてしまうこともあるので、あまり無理せず、自然に楽しみの中で見つけ出せればいいかなと思っています。
 それと、診療では、医院全体で患者さんと共感して、コミュニケーションを取ることを大切にしています。エントレインメントという言葉があります。トレイン(=電車)から来ていて、一緒に同じ電車に乗っているように相手によりそうという考え方です。一緒に良い方向に進んでいけるように、そんな心持ちでこれからも患者さんに向き合っていきたいですね。

取材・文/服田恵美子(Hatta Emiko)
ライター・翻訳・脚本制作・構成作家。ジャンルを問わず紙媒体からWebまで、文字のあるところなら何処へでも、呼ばれて出向いて活動中。兼業ライター時代に培ったリサーチ力とフットワークの軽さを活かして、取材と執筆を行う。

ごきそレディスクリニック

医院ホームページ:http://www.gokiso-lc.com/

名古屋市営地下鉄桜通線:鶴舞線「御器所駅」7番出口すぐ。暖かみのある照明のもと、リラックスできる雰囲気の待合室にはキッズスペースも備えています。クリニックの2軒隣には4台駐車できるスペースがあります。満車の際はクリニックまでお問い合わせ下さい。詳しい道案内は医院ホームページから。

診療科目

産科、婦人科

小川麻子(おがわ・あさこ)院長略歴
1981年 愛知医科大学卒業
愛知医科大学病院に入局後、1989年に医学博士を取得。阪井病院、服部病院を経て、現在、ごきそレディスクリニック院長



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