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[クリニックインタビュー] 2016/04/01[金]

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患者のこと、地域のことを第一に考えながら、独自の工夫で医療の最前線に取り組んでいる開業医のお医者さん。そんなお医者さん達の、診療現場、開業秘話、人生観、休日の過ごし方、夢などを、教えてもらいました。

山田皮フ科クリニック 山田晴義院長

患者さんの全身をみられる「皮膚科」の医師に

 子どものころから理数系の勉強が好きで、夢は「物理の博士になること」。また、通っていた慶應義塾普通部は、その当時、畑や田んぼばかりで、遊びながら自然の生き物に触れる機会が多くありました。そのせいか、私は生き物が好きで、人間も好き。高校生のころ、「理数系が好き」「生き物・人が好き」という理由から、人と接する仕事で、なおかつ人の役に立ち社会に貢献できる仕事を‥・と考え、進路を医学部に決めました。
 医学部では外科系と内科系に分かれますが、「即断即決」という外科の雰囲気は自分には向いていないと感じ、内科系を選ぶことに。そのまま素直に内科医になるのもよかったのですが、大学病院の内科は、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科というように、器官ごとに細かく分かれています。その「人の一部分だけを診る」というやり方よりは、人の全部を診ることができ、じっくり患者さんと向き合い、考えて診断・治療ができる皮膚科を専門にしました。

乳幼児のアトピー性皮膚炎からご高齢者の乾燥性湿疹まで

 子育て世代の多い土地柄か、患者さんで最も多いのはお子さんです。他にも、学生さんからご高齢の方まで、皮膚科なので幅広い年齢層の患者さんが来院されます。診察する疾患も、アトピー性皮膚炎やとびひ、水イボなどから、ニキビ、しみ、ヘルペス、円系脱毛症、床擦れ、乾燥性湿疹、じんましん、皮膚がんまで、さまざまです。
 皮膚科の治療では、何より迅速に、的確に診断することが大切。症状を目で見て、手で触れて診断しますが、ほとんどは第一印象で、瞬間的に判断します。これは皮膚科医としての勉強と経験によるものだと思っています。
 それと同時に、私は「患者さんがいちばん訴えたいことは何か」「どういう人か」もなるべく見るようにしています。考え方や表現の仕方、ものの受け取り方、性格などは人によってそれぞれ。ですから、最初に診察室に入ってきたときの様子を観察し、つらい皮膚症状の改善だけでなく、不安や心配も解消し、安心してお帰りいただけるよう心がけています。
 最近は、誰もがインターネットなどで多くの情報に触れることができるので、病気について勉強されている方が多いと感じます。例えば、アトピー性皮膚炎の治療で使われるステロイド剤は、以前は「とても怖い薬だから使いたくない」という人が多かったのですが、最近は「使うべき時には使ったほうがいい」「指示を守って正しく使えば心配ない」と理解している方が多く、「ステロイドはイヤです」という患者さんが以前より減っていると感じます。一方で、情報の氾濫によって、何が正しいのか迷っていたり、間違った情報を正しいと思い込んでいることも。そういう場合は専門医として正しい治療を知っていただくよう心がけています。

漢方薬をプラスすることでよくなることも

 当院では、漢方薬を取りいれた治療もおこなっています。女性は、ホルモンバランスの変化により、生理前になるとニキビができたり、悪化したりすることがあります。一般的なニキビの治療では、抗生物質の飲み薬と塗り薬が処方されますが、当帰芍薬散や桂枝茯苓丸などの漢方薬で血行をよくし、ホルモンバランスを整えることでニキビが改善することがあります。熱や炎症をしずめる働きをもつ清上防風湯は、男性のニキビ治療にも有効と考えられます。
 漢方薬は、身体の不調を整え、体質改善をはかることで、症状を改善する薬です。そのため、漢方薬を用いた治療をすることで、ニキビだけでなく、生理痛や生理不順、冷えや肩こりなど、皮膚の病気とは別のつらい症状がよくなったという人も多くみられます。
 また、アトピー性皮膚炎でも、黄耆建中湯や補中益気湯とステロイド剤を併用することで症状が改善することもあります。ほかにも、肌のくすみや円形脱毛症、多汗症の治療に漢方薬を使うこともあります。もちろん漢方薬も薬ですので、副作用には注意が必要ですが、きちんと症状や効き具合、副作用などをチェックしつつ使えば、皮膚科の治療にも有効と考えています。

「体を動かすこと」の大切さを実感

 もともと当院では私一人で診療をおこなっていましたが、5年前にがんを患い、しばらく休養しました。今は、協力してくれる先生と2人体制で診療しています。学生時代はずっとテニスをしていて、よく体を動かしていたので体力には自信があったのですが、医師になってからは診察と勉強に追われ、ほとんど運動をしていませんでした。やっぱり、人間は頭だけでなく体も動かさなければバランスがよくないのでしょう。だから病気になってしまったのかもしれません。
 そのため今は「週に2日は体を動かす」と決め、水中ウォーキングや、速歩とゆっくり歩くことを3分間ずつ5セット繰り返す「インターバル速歩」などをしています。運動すると気分もスッキリするし、体調もいい。運動の「やりだめ」はできないので、コンスタントに続けていきたいと思います。
 趣味は将棋で、小学生のころから好きです。でも、将棋をすると熱中しすぎて運動も勉強もする時間がなくなってしまうので、しばらく封印していました。今は週に1回、日曜日の午前中にNHKでやっている「将棋講座」を見るのを楽しみにしています。
 健康でいるために、運動も趣味の将棋も楽しみながら、これからも皮膚科と漢方の勉強を続け、地域医療に貢献していければと考えています。

取材・文/出村真理子(Demura Mariko)
フリーライター。主に医療・健康、妊娠・出産、育児・教育関連の雑誌、書籍、ウェブサイト等において取材、記事作成をおこなっている。ほかに、住宅・リフォーム、ビジネス関連の取材・執筆も。

山田皮フ科クリニック

医院ホームページ:http://www.y-hifuka.com/

JR横浜線「八王子みなみ野」駅から徒歩5分。耳鼻科や歯科、整形外科、眼科などのクリニックが入る「みなみ野クリニックセンター」の中にあります。
詳しい道案内は医院ホームページから。

診療科目

皮膚科

山田晴義(やまだ・はるよし)院長略歴
1985年 慶應義塾大学医学部卒業
1993年 国家公務員等共済組合連合会立川病院
1995年 読売新聞社・読売診療所皮膚科科長
1997年 墨田区錦糸に山田皮膚科クリニック開設
2002年 中国政府公認国際中医師(漢方医)試験でA級ライセンス取得
2003年 八王子市に山田皮フ科クリニック開設(移転)


■所属・資格他
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医


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