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[医療人] 2016/07/22[金]

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患者のこと、地域のことを第一に考えながら、独自の工夫で医療の最前線に取り組んでいる開業医のお医者さん。そんなお医者さん達の、診療現場、開業秘話、人生観、休日の過ごし方、夢などを、教えてもらいました。

米の山病院 福田知顕副院長

「人の役に立つ実感」を求め

 私はもともと文系で、本ばかり読んでいるような学生でした。でも、二浪して成績が上がったのを機に、医師でもある父が医師になるよう説得工作を繰り広げたのです(笑)。滑り止めに早稲田大学法学部を受験し合格したものの、迷ったあげく、国立の受験は佐賀医大(現佐賀大学医学部)に切り替えました。自分の中に、「仕事の中で直接人の役に立っている実感が得られる職業のほうが自分には向いているかもしれない、そのほうが喜びを得やすいのではないか」といった考えがあったように思います。

 ですから、最初から強い志を持って医師になりたいと思っていたわけではなく、父も開業医ではないので仕事の内容について熟知していたわけでもありませんでした。

辛い時期を乗り越え、漢方の道へ進む

 生きることはもともと辛いことだと思います。医師として、人の役に立ち喜んでもらえる、生きることがより良い方向に向くための手助けができるのであれば…そういった思いで、内科医として重症の患者さんをたくさん診ていた頃は、頑張っていたかなと思います。

 その後、呼吸器科を専攻し、患者さんに人生をより良く生きていただくとはどういうことか、いろいろと悩みながら診療に当たっていました。特に、延命治療に関しては、「これが自分だったら…」と思うことも、せざるを得ない場合がありました。そんなわけで、やりがいもあったのですが辛いときもありました。

 漢方診療に関心が向いたのはその頃です。もともと父が漢方好きで、神経内科が専門だったのですが、聞くところによると原因がわかっても治療ができない病気もあり、そうしたことから漢方へ傾倒していったそうです。ですから、私が高校くらいまで病気になると飲まされていたのはほとんど漢方薬で、家にはたくさん漢方の本が置いてありました。

 また、妻に「あなたは漢方に向いているんじゃない?」と言われたこともありました。呼吸器科での診療にかなり疲れていたので、妻なりに心配してくれたのだと思います。私としても「それはいいかも」と思いました。そこで、大学時代の同級生が医局長をしていた北里大学東洋医学総合研究所で学ぶことにしました。

ともに歩むガイドであること。それが理想の漢方医


福田先生の脈診風景(米の山病院提供写真)

 私が漢方診療を始めてよく感じるのは、漢方医は漢方薬で患者さんを治すのではなく、患者さんが着実に歩んで行けるよう漢方薬を通じて患者さんとつながり、症状が良くなる方向を模索しながら一緒に歩んでいく。そのガイドを務めているようなイメージです。

 漢方薬には確かに効果がありますが、その発現の仕方は、多数の生薬と複雑な人体の組み合わせにより、とても多面的です。ですから、私は「治してあげている」という感じを持つことがあまりありません。先輩を見ても、患者さんと並んで歩ける漢方医であればあるほど、治療も優れていると思います。叱咤激励し合いながら患者さんと治療の旅路を歩む。その絆となるのが漢方薬だと考えています。

死ぬまで診療を続けていきたい

 診療は死ぬまで続けていくかと思います。もちろん患者さんに迷惑をかけない範囲ですが、お役に立てる限りは続けていきたいです。

 また、医師以外で私のやりたいことが2つはあるので、将来的にはそちらにも少し時間を増やせたらいいなと思っています。その1つは音楽です。私はサックスを吹くのでもっとサックスがうまくなりたいと思っています。始めて30年経ちますが、もっと上手になるよう死ぬまで続けたいです。ときどき院内でコンサートもしているんですよ。当院が新しく完成したときのコンサートでは、地域の方が120人くらいいらしたのですが、こういった形で地域の方々とつながれるのはうれしいですよね。

 もう1つは、ものを作るのが好きなので、木工がしたいです。いろんなことをやっていると脳も活性化して感覚が研ぎ澄まされるので、診療面でもプラスになると思います。

取材・文/後藤 玲(Rei Goto)
医療系を中心にWEB、紙媒体で執筆。健康、料理、お菓子作りなど生活全般における執筆も得意とする。病院取材の他、一般企業への取材活動も行っている。

米の山病院

医院ホームページ:http://www.kome-net.or.jp/

西鉄天神大牟田線「新栄町」駅よりバスで約10分。2016年3月に移転・オープンしたばかりの新病院は待合室や通路が広々とした造りになっていて、来院した方を優しく迎えてくれます。
詳しい道案内は医院ホームページから。

診療科目

内科、神経内科、漢方内科、外科、整形外科、アレルギー科、小児科、皮膚科、泌尿器科、眼科、リハビリテーション科、放射線科、呼吸器内科、消化器内科、肝臓内科、胃腸内科、循環器内科、麻酔科、歯科、小児歯科、歯科口腔、糖尿病内科、消化器外科、腎臓内科・透析、救急科、病理診断科、臨床検査科、総合診療科

福田知顕(ふくだ・ともあき)副院長略歴
1965年 福岡県大牟田市生まれ。
1992年 佐賀医科大学(現 佐賀大学医学部)卒業
1992年 米の山病院 内科研修医
1997年 長崎大学熱帯医学研究所 宿主病態解析部門 臨床医学分野(熱研内科)
1998年 米の山病院 呼吸器科
2008年 北里大学東洋医学総合研究所 特別研修医
2011年 米の山病院 漢方内科 科長
2016年 米の山病院 副院長


■所属・資格他
日本東洋医学会(漢方専門医、代議員、福岡県部会副会長)、和漢医薬学会、日本内科学会(総合内科専門医)、日本プライマリ・ケア連合学会(プライマリ・ケア認定医)、日本感染症学会


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