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[クリニックインタビュー] 2016/09/09[金]

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患者のこと、地域のことを第一に考えながら、独自の工夫で医療の最前線に取り組んでいる開業医のお医者さん。そんなお医者さん達の、診療現場、開業秘話、人生観、休日の過ごし方、夢などを、教えてもらいました。

植松耳鼻咽喉科医院 岩崎紀子院長

父の医院を守り、患者さんとの絆を繋ぎたい

 「植松耳鼻咽喉科医院」はもともと父が運営していた医院です。父の影響もあって石川県の金沢医科大学に進学し、耳鼻咽喉科医となりました。しかし、私自身は石川県に残って大学病院での勤務を続けていました。大学病院では国内では先駆的だった「女性外来」に関わったり、外来医長をお任せいただいたりとさまざまな経験をさせていただき、実りの大きい勤務でした。

 金沢医科大学の耳鼻咽喉科学教室は、国内における鼻副鼻腔内視鏡手術のパイオニア・山下公一先生が開設したとあって、内視鏡分野にも力を入れています。そこで学んだ知識と技術は、父の時代から「植松耳鼻咽喉科医院」に持ち帰り、大学病院勤務のかたわら、月に数回ではありましたが内視鏡検査や手術を中心に手伝いに来ていました。

 その後、父が亡くなり、医院の先行きを考えなくてはならないことに。当時私は、石川県で精神科医の夫と息子と3人で暮らしていたため正直悩みました。しかし、父が大切にしてきたこの医院を守り続けなくてはと、医院の継承を決意しました。現在も夫は石川県、私と中学一年の息子は神奈川県と遠距離家族の生活を続けています。

 当院は、父の代からこの地域で続けてきましたので、数世代にわたり通い続けていただいている患者さんも多数いらっしゃいます。そうした方々との絆をつなぐことができているのは、本当に幸せなことだと感じます。

耳鼻咽喉科診療の「きちんと見る」を支える内視鏡

 診療上、私のこだわりとしてあげられるものに、内視鏡機器があります。今でこそ内視鏡を備えた耳鼻咽喉科医院は増えてきましたが、当院では、私が医院を継ぐ前から採用していましたから、当時としては先進的でした。現在使用している内視鏡は10年ほど前の医院継承時に新規に導入したものです。

 私の場合、診療で頻繁にこの内視鏡を使います。他科でもそうかもしれませんが、耳鼻咽喉科の診療において、直接見られない患部の状態を正確に把握することはとても重要です。また、患部の状態を患者さんご自身にも分かるかたちでお伝えすることも欠かせません。大型モニターを備えていますので、患者さんや親御さんと一緒に、耳、鼻、喉の奥の状態を目視しながら確認することができ、口頭で説明が難しい状態も、一目でご理解いただくことができています。

 来院される患者さんやご家族はとかく不安なものです。医師の処置がどのようなものか分からない状態では、どんなに正しい処置でも不安を拭えないのではと思います。そうした意味で、内視鏡は患者さんの安心と満足に繋がっていると思うのです。

 子どもの喉に魚の骨が刺さって慌てて連れてこられるお母さんなど、親子で画面を食い入るように見つめていらっしゃることも。息子を持つ同じ母親として、お母さんの不安な気持ちは痛いほど分かりますから、「あった」「とれた!」などと心から喜んでいる様子は、とてもうれしく思いますね。

「まるで幼稚園!?」子どもも集まる賑やかな医院

 当院は耳鼻咽喉科なのですが、耳、鼻、喉に限らず幅広い症状の患者さんがいらっしゃいます。お子さんが多いのも特徴で、「まるで幼稚園!?」というほどに院内が賑やかな日もあります。休日などはご家族4人、5人と揃って来院されるケースも。風邪の時、小児科ではなく当院に来たがるというお子さんの話や、お子さんが体調を崩した時に「ここに来ればなんとかしてもらえると思った」などのお母さんの話を伺うと、信頼いただけているのだなと感激します。

 当院はホームページを持っていないのですが、webサイトなどで紹介いただいているためか、遠方からの患者さんも多くいらっしゃいます。近くの方も遠くの方も、わざわざ当院を選んで来てくださる患者さんですから、とにかく丁寧にお話を伺うことを心がけています。時には病気を離れて話が脱線することもあり、一人ひとりの診療時間は長くなることもあります。とはいえ、患者さんのバックグラウンドを知ることは、的確な治療のためにも欠かせないことです。ただ、あまりに長くお待たせしてしまうのは心苦しいので、相談が長くなりそうな患者さんには、事前にその日の最後の時間に来ていただくようお願いするなど、できる限り待ち時間を短縮できるよう工夫しています。

取材・文/岡田幸子(Sachiko Okada)
フリーエディター・フリーライター。女性誌編集部より独立後、医療、健康、美容から生活、教育に至るまで、おもに女性に関わる幅広い分野の情報を取り扱う。

植松耳鼻咽喉科医院

横浜市旭区上白根1丁目、相鉄線「鶴ヶ峰」駅から歩いて25分ほど。「西ひかりが丘行き(旭11) 」バス「谷戸入口」停留所下車。先代から地域に愛され続けてきたクリニック。1941年より先代院長の娘である岩崎紀子院長が医院を継承。
詳しい道案内は医院ホームページから。

診療科目

耳鼻咽喉科

岩崎紀子(いわさき・のりこ)院長略歴
1993年  金沢医科大学卒業。同大学病院入局。耳鼻咽喉科助手、外来医長を歴任
2004年  植松耳鼻咽喉科医院院長
2009年  金沢医科大学耳鼻咽喉科非常勤講師


■所属・資格他
日本耳鼻咽喉科学会、金沢医科大学耳鼻咽喉科非常勤講師、咳嗽診断基準検討委員、咽頭アレルギー診断基準評議員 等


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