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[医療人] 2016/11/04[金]

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患者のこと、地域のことを第一に考えながら、独自の工夫で医療の最前線に取り組んでいる開業医のお医者さん。そんなお医者さん達の、診療現場、開業秘話、人生観、休日の過ごし方、夢などを、教えてもらいました。

おなかクリニック 村井隆三院長

患者さんの人生を最後まで見守るのが医師の仕事

 大学病院に勤務していたころは、消化器外科の専門医として、自分の手で患者さんの病気を治すことにやりがいを感じていました。現在の大学病院は専門領域ごとに分化され、外科医が関わるのは患者さんの治療のごく一部でしかなくなりましたが、当時はまだ、一人の患者さんを最初から最後まで診るのが外科医の仕事という時代でした。

 私はずっと、患者さんの治療をひとつの「物語」だと思ってきました。初診でお会いしたときから始まり、患者さんがどういう状態なのか検査をし、診断した上で治療方針をたて、手術をする。多くの患者さんは元気に回復して退院していきますが、なかにはがんなどの病気が再発して戻って来られる方もおり、最後は看取りをする。患者さん一人ひとりに、病気になってからの物語があり、医師はそれに寄り添っていく存在だと思っています。私の出身大学である慈恵会医科大学には、「病気を診ずして病人を診よ」という有名な言葉があります。その言葉通り、患者さんの人生を最後まで見守り、治療を担っていくことに生きがいを感じています。

 クリニックを開業してからは、主に物語の最初と最後の部分を担っています。来院された方の話を聞き、検査をして診断します。専門的な治療が必要な際は、手術や薬物治療を受けていただくために病院を紹介します。治療を終え、戻ってきた後は経過観察を続け、そのまま健康で過ごすためのお手伝いをしたり、再発して残念ながら有効な治療法がない場合には、緩和ケアや在宅医療などで最期まで見守っています。

がんは早期発見・早期治療が何より重要

 クリニックでは、一般的な内科、外科の診療や在宅医療のほか、「おなか」と「おしり」の専門クリニックとして、鼠径ヘルニアや痔の日帰り手術、胃がんや大腸がんの内視鏡検査などを積極的におこなっています。

 世の中の多くの人は、内視鏡検査を「苦しいもの」「つらいもの」と思っていますよね。そして、内視鏡検査で一度つらい思いをすると、「もう受けたくない」と思い、次に具合が悪くなっても検査を受けなくなってしまう。それは患者さんにとって大きなマイナスとなる可能性があります。最初の検査のときは、良性の病気だったかもしれないけれど、次は悪性の病気かもしれない。おかしいなと思ったときに検査すれば、早期に病気が見つかり治ったはずの病気が、検査を先延ばしにすることで、病気が見つかったときにはかなり進行してしまっていることも、現実には多くあります。

 とくに近年増加し続けているがんは、早期に発見できるかどうかで治療も予後も大きく変わります。がんは、早期発見・早期治療が何より重要なのです。

 内視鏡検査は、適切な薬剤使用と技術により、苦痛なく受けていただけます。当クリニックのモットーは「苦痛の少ない内視鏡検査」です。内視鏡検査への抵抗をなくし、不調を感じたときにためらうことなく検査を受けてもらえるようになることが、クリニックを開業した大きな目的のひとつです。

病気を知ってもらうための取り組みも

 病気は、早期発見と早期治療が重要ですが、「予防」することもまた大切です。肝臓がんや胃がんなどは、肝炎ウイルスやピロリ菌など病気の原因を早期に発見し、適切な治療をすることで予防できる時代になりつつあります。しかし、まだそのことを知らない方も多いのが現状です。

 そこでクリニックでは、まずは病気のこと、予防・早期発見の大切さを多くの方々に知ってもらうために、市民公開講座などを積極的に開催しています。「おなか健康シリーズ」と称し、年に3~4回、近隣のホールを借りておこない、毎回100名以上の方々に参加していただいています。

 また、「ハタチのピロリ菌チェック」という取り組みもしています。20歳になったら体内にピロリ菌がいるかどうかをチェックしてもらい、必要な人には除菌などの治療をして将来の胃がん予防につなげることが目的です。近隣の大学の学園祭などで検査キットを無料配布しています。ただ、若い人はまだまだ病気への危機意識が低く、1,000個配布して、実際に受診してくれるのは50~60人といったところでしょうか。でも、手にしてもらい、病気を知ってもらうことで、将来、何かの機会に思い出し、検査を受けてもらうきっかけになるかもしれない。そう考えれば決して無駄ではないと思いますし、これからも積極的に啓発活動をしていきたいと考えています。

クリニックのバンド「おなかスウイングス」も活動中


(クリニック提供写真)

 病気の啓発活動とは異なりますが、クリニックでは、「おなかスウイングス」というジャズのビッグバンドを結成しています。医師とスタッフ、総勢15名のバンドで、私はずっとギターを担当していましたが、今年の夏に大きな編成替えがあり、バリトンサックスを受け持つようになりました。

 楽器を演奏することも好きですが、ビッグバンドは全体で音をバーンと出した時の迫力と感動が大きくて、とても楽しいです。ふだんは、毎朝の自主練が中心ですが、月に数回パート練習や全体練習をし、地域のお祭りで演奏したり、ほかの医療系のバンドと合同で近隣のホールを借り、一般の方々を招いて演奏会をしたりしています。演奏する曲はジャズを中心に、「ひょっこりひょうたん島」や「ルパン三世のテーマ」など多くの人が知っている曲をビッグバンド用にアレンジして演奏します。スタッフや家族のほか、地域の方々にも多く見ていただいているので、クリニックの医師やスタッフに親近感を持っていただける良い機会だと思っています。

 これからも、地域の内視鏡センターとして、病気の予防、そして早期発見・治療に貢献していきたい。そして、患者さんの人生に、ずっと寄り添っていけるクリニックであり続けたいと考えています。

取材・文/出村真理子(Demura Mariko)
フリーライター。主に医療・健康、妊娠・出産、育児・教育関連の雑誌、書籍、ウェブサイト等において取材、記事作成をおこなっている。ほかに、住宅・リフォーム、ビジネス関連の取材・執筆も。

おなかクリニック

医院ホームページ:http://www.m-onaka.com/

※左側と右側の写真はクリニックより提供

JR中央線「八王子」駅から徒歩1分、京王線「京王八王子」駅から徒歩4分。クリニックの入り口を入るとすぐ、明るい笑顔のスタッフが案内してくれます。待合室には「おなか」や「おしり」に関する本が並び、待ち時間に読めるほか貸出しもしています。詳しい道案内は医院ホームページから。

診療科目

内科、外科、肛門外科、胃内視鏡内科、大腸内視鏡外科

村井隆三(むらい・りゅうぞう)院長略歴
1982年 東京慈恵会医科大学卒業
2005年 村井おなかクリニック開設
2011年 おなかクリニック開設


■所属・資格他
日本外科学会専門医・指導医、日本消化器外科学会専門医・指導医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医、日本医師会認定産業医


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