関節リウマチ治療の進歩により患者の生活の質も飛躍的に向上

[ニュース・トピックス] 2014年2月26日 [水]

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関節リウマチはもう不治の病ではない

(この画像はイメージです)

 「関節リウマチ」といえば、全身の関節が激痛に襲われ、骨まで破壊してしまう怖い病気、そして原因不明で一度かかったら進行を止められない“難病”であるというイメージが強いのではないでしょうか。確かに、現代医療をもってしても、未だに関節リウマチの発症原因は完全には解明されていません。しかし近年では、研究が進んだことにより登場した、効果の高い薬剤や、運動療法・認知行動療法の有効活用によって、治療効果は飛躍的に向上してきました。
 また、関節リウマチ治療の進歩に伴い、患者のQOL (quality of life:生活の質)も大幅に改善したといわれており、そのことを裏付けるべく、過去と現在の患者のQOLを比較調査した研究が発表されました。この研究は、オランダのユトレヒト大学のCecile Overman氏が中心となって、1990年~2011年までの約20年の間に、関節リウマチと診断された約1,100人の患者を追跡調査したものです。

治療の進歩に伴い患者のQOLも改善

 研究では、初回診断から3~5年後、関節リウマチに関連する身体・精神障害が発生しているかどうかを観察したほか、疾患の活動性を調査しました。その結果、20年で関節リウマチによる身体障害は著しく減少し、不安や抑うつの発生率も低下したことが判明しました。
 1990年に診断を受けた患者では、4年間の治療後に不安や抑うつを経験する人の比率は約4人に1人(およそ25%)だったのに対し、最近診断を受けた患者では12~14%でした。また、この研究を開始した当時に診断を受けた患者の53%が4年間の治療後も、ある程度の身体障害を抱えていたのに対し、最近の患者では31%にまで減少しました。このことから、20年前の関節リウマチ患者に比べて、現在の患者は明らかにQOLが向上しているといえるでしょう。
 近年の関節リウマチ治療の向上は目覚ましく、今では関節の炎症部分がまだ小さいうちであれば、薬物療法によって寛解(症状が落ち着いた状態)するケースもあるそうです。関節リウマチに悩んでいる多くの人が、病気に縛られない生活を送れる日も、近い将来実現するのかもしれません。(そねゆうこ)

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