関節リウマチの新しい治療薬開発につながる受容体を発見

[ニュース・トピックス] 2014年11月28日 [金]

facebook
twitter
google
B

発症原因の解明が進んでいない関節リウマチ

(画像はイメージです)

 現在、日本に70~80万人の患者さんがいると推定される関節リウマチ。非常に身近といえる疾患でありながら、発症原因の解明や治療方法の開発は遅れています。
 これまでの研究から、炎症を起こした関節に入り込んでくる「マクロファージ」と呼ばれる免疫細胞が、炎症の悪化や持続に強く関与することが示唆されていました。しかし、それを効率よく抑え、関節の炎症を鎮める方法は現在でも確立されていません。

CRTH2受容体が症状の悪化と関係

 そこで東京大学大学院 農学生命科学研究科の村田幸久准教授と同博士課程大学院生(当時)の壷阪義記さんら研究グループは、関節リウマチのモデルマウスを用いた実験を実施。その結果、プロスタグランジンD2という物質と結合する受容体「CRTH2」が欠損したマウスで、関節へのマクロファージの侵入が増加し、関節リウマチの症状が劇的に悪化することを発見しました。また、CRTH2の刺激がマクロファージの活性を抑え、炎症を抑える作用を持つことを見出したといいます。
 この研究結果は、CRTH2受容体の刺激がマクロファージの活性や侵入を抑えることで、炎症症状が抑制されることが示された初めての報告です。今後は、CRTH2受容体がどのように細胞内へ情報を伝達し、炎症を抑制するのかなどの解明、さらにはCRTH2受容体を標的とした治療の確立が期待たれます。(QLife痛み編集部)

記事の見出し、記事内容、およびリンク先の記事内容は株式会社QLifeの法人としての意見・見解を示すものではありません。
掲載されている記事や写真などの無断転載を禁じます。

「痛み」の注目記事