「ズキズキ」と「ビリビリ」は違う? 痛みの種類を知ろう!

[タイプ別痛みの治療] 2014年8月18日 [月]

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(この画像はイメージです)

 痛みには種類があることをご存じでしょうか?種類が違えば、当然、治療法やお薬も異なります。そこで痛みの種類の違いについて、そして病院を受診する際に気を付けるべきことについて、東京大学医学部附属病院 麻酔科痛みセンター 緩和ケア診療部部長の住谷昌彦先生に伺いました。
 「痛みには大きく分けて、侵害受容性疼痛神経障害性疼痛があります。その他にはがん性疼痛や心因性疼痛などがありますが、ここでは最初の2つを説明します。侵害受容性疼痛は、体の一部が炎症を起こして発生する痛みでヒリヒリ、ズギズキといった表現だと分かりやすいと思います。腰痛やリウマチなどがこれにあたります一方、神経障害性疼痛は神経が障害されたことによって起こる痛みでビリビリ、ジンジンといった表現を使う患者さんも多いです。こちらは座骨神経痛や帯状疱疹の痛みなどが挙げられます」(住谷先生)

痛みをそのままにしておくと、よりひどい痛みになる場合も

 痛みを我慢したり放置したりしていると、より痛みがひどくなったり、慢性化してしまう場合があります。これは「痛みの悪循環」ともいわれています。
 「痛みの原因となる炎症などが起こると、その刺激が感覚神経を通じて脳に伝わるとともに、運動神経や交感神経も刺激し、筋肉や血管を収縮させます。そうすると、血の巡りが悪くなり、酸素不足などを引き起こして、新たな痛みを起こす物質が発生するのです。我慢していれば大丈夫、と思わずに、痛くなったら早めに病院を受診しましょう」(住谷先生)

しっかりと「痛みの状態」を医師に伝えましょう

 侵害受容性疼痛や神経障害性疼痛など、痛みに種類があるように、それに対応するお薬も異なります。病院・クリニックを受診する際に医師に伝えるべきポイントを伺いました。
 「痛みは主観的な症状なので、怪我などと違い、外見からはなかなか判断が難しいものです。(1)どこが (2)いつから (3)どんなパターンで (4)以前と比べて (5)何がきっかけで 痛いのかに加えて、(6)より痛みが強くなるシーンを伝えてもらえると診断の大きな参考になります。また、現在、他の病気で薬を飲んでいるか、なども治療において重要な情報になりますので、お薬手帳を持っていくことも重要です」(住谷先生)

住谷 昌彦

東京大学医学部附属病院 麻酔科痛みセンター 緩和ケア診療部部長

2000年3月 筑波大学医学専門学群卒業
2000年4月 大阪大学医学部附属病院麻酔科研修医
2001年6月 国立大阪病院(現:大阪医療センター)麻酔科研修医
2002年6月 国立療養所刀根山病院麻酔科
2003年4月 大阪大学大学院医学系研究科生体統御医学麻酔集中治療 医学講座・大学院入学
2006年9月 大阪大学医学部附属病院疼痛医療センター(兼任)
2007年3月 大阪大学大学院修了(医学博士取得)
2007年4月 大阪大学大学院医学系研究科生体統御医学麻酔集中治療 医学講座・医員
2008年4月 東京大学医学部附属病院麻酔科痛みセンター・助教
2010年4月 大阪大学大学院医学系研究科生体統御医学(麻酔科)講 座・招聘教員(兼任)

(提供:ファイザー株式会社)

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