副鼻腔腫瘍
ふくびくうしゅよう
- 耳鼻咽喉科
- 診療に適した科
副鼻腔腫瘍とは?
どんな病気か
腫瘍はいわゆる"できもの"のことですが、良性腫瘍と悪性腫瘍に分けられます。悪性腫瘍は"がん"と同義で、さらに上皮から発生する癌と非上皮から発生する肉腫からなります。副鼻腔に発生する癌の代表は上顎洞の上皮から発生する上顎洞がんで、これについては次項で述べます。
一方、副鼻腔に発生する良性腫瘍は比較的まれで、乳頭腫と骨腫を除くと頻度は高くありません。以下、そのなかでも比較的よくみられる乳頭腫について述べます。
原因は何か
ウイルス、とくにヒトパピローマウイルスとの関連が報告されています。あらゆる年齢で発生しますが、50~60代の男性に多いとされています。
検査と診断
鼻腔に腫瘍があれば、耳鼻咽喉科の診察で直接確認することが可能ですが、慢性副鼻腔炎(蓄膿)に伴うポリープ(鼻茸)と区別することが難しい場合があります。
副鼻腔のX線検査で片方の副鼻腔に影がある場合は、本疾患が疑われます。副鼻腔の代表的な疾患である慢性副鼻腔炎では、ポリープは一般に両側発症するからです。一方、次項で述べる上顎洞がんは片方の副鼻腔に発生するので、乳頭腫との区別が重要になります。
単純X線よりCTやMRI検査のほうがより多くの情報が得られます。鼻腔に進展した乳頭腫では、同部からの生検(組織をとって調べる)で組織診断が可能です。
鼻の乳頭腫は組織学的に3つに分けられますが、このうち内反性乳頭腫にがんの合併が多い(5~20%)といわれています。
治療の方法
乳頭腫と確定診断した症例あるいは疑われる症例では、がんの合併の報告もあり、一般に手術の対象です。手術法には大きく2つの方法があり、ひとつは歯肉を切開する方法で、もうひとつは鼻の穴から内視鏡を用いて行う方法(ESS)です。
現在では後者のほうが主流になりつつありますが、腫瘍の広がりで決定されることになります。良性腫瘍にもかかわらず、時に再発が認められるので、完全切除が望まれます。
病気に気づいたらどうする
前述の症状があれば、耳鼻咽喉科の受診をすすめます。
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