自治医科大学附属さいたま医療センター

専門医より推薦を受けた診療科目・診療領域

自治医科大学附属さいたま医療センターは、複数の有名専門医(※)の間で「自分や家族がかかりたい」と推薦されています。
このページでは、専門医より推薦を受けた分野(科目、領域)の特色や症例数、所属している医師について取材・調査回答書より記載しています。 ※推薦、選定して頂いた有名専門医の一覧表

消化器科

分野

消化器・一般内科

特色

首都圏の一角をなすさいたま市の基幹病院の一つとして、消化管、肝臓、胆道および膵臓疾患をはじめとした消化器疾患全般にわたる診断・治療を、消化器科専属の医師と総合診療科の医師が協力して行っている。良質かつ効率的な医療の実践による地域への貢献を目的として病診連携を模索する一方で、地域の医療従事者および患者・住民の消化器疾患に対する認識を深める啓蒙活動の一環として、他の医療機関と連携しつつ、研究会・市民教育講演会などを開催している。また、全国規模の治験にも参加し、医療の向上に努めている。日本消化器病学会・日本肝臓学会・日本消化器内視鏡学会の指導施設である。

症例数

消化器内科としての日常検査として、1年あたり、上部消化管内視鏡検査5,000件、下部内視鏡検査3,300件、腹部超音波検査6,000件、内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)400件、超音波内視鏡検査(EUS)400件、ダブルバルーン小腸内視鏡60件、カプセル内視鏡45件を行っている。病床数は45床

上部消化管疾患=早期の食道癌・胃癌の診断に努め、超音波内視鏡による癌の深達度診断を併用している。また、内視鏡的治療として、上部消化管出血に対する止血術200件、食道・胃腫瘍に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)180件、食道・胃静脈瘤破裂に対する静脈瘤結紮術(EVL)および硬化療法(EIS)70件、食道ステント留置術10件などを行い、好成績を得ている。消化管粘膜下腫瘍に対して確定診断目的に超音波内視鏡下穿刺生検(EUS-FNA)も積極的に行っている

小腸疾患=原因不明の消化管出血や小腸腫瘍精査のためカプセル内視鏡やダブルバルーン内視鏡検査を施行し、必要に応じて拡張術やポリペクトミー、止血術などを内視鏡下に行っている

下部消化管疾患=大腸ファイバースコープを用いた診断に加えて、治療としての内視鏡的結腸ポリープ粘膜切除術・粘膜下層剥離術を行っている(600件)。また、潰瘍性大腸炎・クローン病などの炎症性腸疾患に対しては、白血球除去療法・抗サイトカイン療法を含めた保存的療法を行い、適応例には外科的治療も行っている

肝疾患=慢性肝炎に対しては、抗ウイルス療法を中心とした治療を行っている。C型慢性肝炎に対しては、インターフェロン・リバビリン併用療法などの抗ウイルス療法を積極的に施行し、肝硬変への進展阻止に努めている。また、B型慢性肝炎に対しては、エンテカビル・ラミブジン・アデフォビルの内服を含めた抗ウイルス療法や、進行を抑制するための肝庇護療法を行っている。さらに、自己免疫性肝炎・原発性胆汁性肝硬変の早期発見・早期治療にも取り組んでいる。肝硬変に対しては、血中ALT値の正常化による線維化の進行の抑制および腹水・脳症などの合併症に対する治療を行っている。肝細胞癌については、ハイリスクグループに対する定期的な腹部超音波検査・ヘリカルCT・MRIおよび腫瘍マーカーなどの検索により早期発見に努め、血管造影、超音波下経皮的腫瘍生検などにより確定診断を行っている。適応例には外科的手術を、内科的には経皮的ラジオ波焼灼療法(RFA)、経皮的エタノール注入療法(PEIT)、肝動脈塞栓術(TAEあるいはTACE)を主体とした集学的治療を外科・放射線科と連携して行い、好成績を得ている。いずれの適応にもならない進行肝癌に対しては、動注リザーバーによる抗癌剤の注入も行っている

胆道・膵疾患=膵胆道腫瘍、閉塞性黄疸に対して、MRCP・FDG-PET・超音波内視鏡・ERCP・EUS-FNA を含めた種々の画像診断による鑑別を行い、減黄適応例に対して経皮経胆道ドレナージ術あるいは内視鏡的胆道ドレナージ術を行っている。総胆管結石に対しては、内視鏡的十二指腸乳頭切開術・砕石術を試行している。砕石困難例には体外衝撃波(ESWL)を併用している。悪性腫瘍に対しては、外科的手術のほか、化学療法や胆道ステント留置術(55件)なども駆使して、集学的治療を行っている。十二指腸乳頭部腫瘍については適応例に対して手術より低侵襲な内視鏡的乳頭切除術(papillectomy)を行っている。急性膵炎や慢性膵炎の診療も積極的に行っており、膵管非癒合例に対する副乳頭切開術、感染性仮性膵嚢胞に対する超音波内視鏡下ドレナージも施行している。特に、胆道ジスキネジー・乳頭機能不全症の診断と治療には力を入れており、胆道シンチグラフィー、乳頭括約筋圧測定などを行い、確定診断例には乳頭括約筋切開術を施行している。

医療設備

超音波、CT、MRI、FDG-PET、各種電子内視鏡、超音波内視鏡、ラジオ波焼灼装置、血管造影、体外衝撃波、シンチグラフィーなど。
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 埼玉県」(ライフ企画 2012年11月)

呼吸器科

分野

呼吸器内科

特色

当センターは、さいたま市人口120万人の中心部にある基幹病院であり、周産期医療センターを含む608床の病院で、自治医科大学の附属病院である。センターは、1日約1,400人の外来患者数、平均在院日数約11日の高度急性期病院である。初期研修医は毎年約3倍の応募があり、28人(うち自治医大卒業生2人を含む)を採用している。また、12年度DPC病院II群での機能評価係数IIが全国で7番目、埼玉県で1番に位置する病院である。

症例数

癌患者さんもセンター全体として約2,500人受診しており、特に心疾患、腎疾患等合併症のある患者さらに骨髄移植を積極的に行っている

★呼吸器科は、年間延べ約6,500人の外来患者数、入院患者数は延べ約350人であり、当センターだけで収容できない患者については、さいたま市内の関連病院であるさいたま市民医療センター、社会保険大宮総合病院、博仁会共済病院、東大宮総合病院、さいたま記念病院などと連携を持ち、毎週火曜日に関連病院との病々連携、さらに呼吸器外科、放射線科、病理科、薬剤部と合同カンファレンスを行っている

★当科の入院患者の主な疾患は、肺癌が約2/3で、肺炎、間質性肺炎、胸膜中皮腫、COPD(慢性閉塞性肺疾患)などである。気管支鏡検査は、年間約350人であり、主な疾患として、肺癌(疑い)が約半数で、その他、抗酸菌感染症、特発性間質性肺炎、サルコイドーシス、血痰精査などである。肺機能検査は年間約4,000例で、喘息検査も70~80人行っている。非小細胞肺癌IV期の1年生存率は約60%であり、IIIBの5年生存率は約20%、小細胞肺癌進展型の2年生存率は約35%である。肺癌の治療は、分子標的薬を含む標準的な治療から、NEJ(北東日本肺癌グループ)に参加して、新規肺癌化学治療の治験に積極的に参加している。

医療設備

64列CT 4台、IVR用16列CT、MRI(3テスラ1台、1.5テスラ1台)、PET-CT、核医学検査、気管支鏡検査(超音波内視鏡、気管支ステント含む)、呼気一酸化窒素測定器、精密肺機能検査、アストグラフ、モノグラフ、放射線治療、気管支動脈塞栓術、上大静脈ステント留置術など。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 埼玉県」(ライフ企画 2012年11月)

呼吸器外科

分野

呼吸器外科

特色

肺癌、転移性肺腫瘍、縦隔腫瘍、自然気胸などを中心に治療を行っている。手術治療のみならず、術前・術後の化学療法や放射線療法を含めた集学的治療も目指している。地域の診療所、病院との連携を大切にし、術後の外来通院・定期検査を行い、再発に対する治療にも力を入れるようにしている。当センターの特徴として本院(栃木県)との共同診療体制を行いながら、宇都宮線沿線を中心とした地域の呼吸器外科診療を積極的に行っている。病棟は一般・消化器外科と一緒であり、他の専門外科医と協力しながら診療している。

症例数

09~11年の平均年間手術数は280例で、内訳は原発性肺癌120例、転移性肺腫瘍20例、縦隔腫瘍30例、気胸30例であった

★原発性肺癌に対する治療法は、進行肺症例でなければ、胸腔鏡を用いた内視鏡手術を選択している(約80例)。原発性肺癌630手術例の5年生存率は、IA期88%、IB期71%、II期55%、IIIA期48%、IIIB期39%であった

★胸腔鏡手術は、自然気胸のほとんどに、また転移性腫瘍や肺・胸壁の良性腫瘍、良性の縦隔腫瘍を対象に積極的に取り入れ、術後疼痛の軽減や入院期間の短縮を可能にしている。自然気胸116例の再発例は4例(3.4%)であった

★転移性肺腫瘍手術例の半数は大腸癌からの転移であり、多くの症例では内視鏡手術を選択している。大腸癌肺転移に対する手術87例の5年生存率は38%であった

★重症筋無力症に対する拡大胸腺摘出術は、神経内科との連携のもとに行い、03年までに36症例あり、寛解と改善を合わせた術後有効率は78%であった。

医療設備

CT、PET、MRI、DSA、胸腔鏡、気管支鏡、リニアックなど。
  • セカンドオピニオン受入 △
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 ○

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 埼玉県」(ライフ企画 2012年11月)

循環器科

分野

循環器科

特色

89年の開設以来、さいたま市周辺の地域において循環器急性期医療を中心に取り組んできた。埼玉県は人口当たりの医師数が少ないこともあり、急性心筋梗塞をはじめとする救急疾患が多く、24時間体制で診療にあたっている。また当センターは心臓血管外科のアクティビティーも非常に高く、合同のカンファレンスを毎週開催するなどして外科との連携を密にし、常に患者にとって最善の治療が選択できるよう心がけている。広い範囲の循環器疾患に対応しており、虚血性心疾患のみならず、心不全、不整脈、大動脈解離、肺血栓塞栓症、肺高血圧症、循環器疾患を合併する睡眠時無呼吸などの症例も集まっている。当センターでは患者QOL(生活の質)向上のため通院型心臓リハビリテーションを積極的に行っている点も特徴の一つである。

症例数

★CCUは09年ICUより分離独立し8床として運用されている。年間入院患者数は1,400人程度で、虚血性心疾患、心不全、不整脈が主な疾患であるが、大動脈解離が多施設に比べ多い。症例数は開設以来、順調に増加し最近では心臓カテーテル1,500~1,600件、PCI(経皮的冠動脈インターベンション)500~600件で推移している。PCI初期成功率は11年で99.1%と高い成功率を維持している

★また、他の教育機関の循環器科に比べて急性心筋梗塞症例が多いのが特徴で、最近では年間約200例の入院があり、院内死亡率も心原性ショックなどを合併する重症例が多い中、5%以下と良好な成績である。冠動脈疾患のみならず不整脈治療にも力を入れており、ペースメーカー植え込み件数のみならず、ICD(植え込み型除細動器)およびCRT(心臓再同期療法)のいわゆるデバイス件数も年々増加し、11年度実績では68例であった。通院型心臓リハビリテーションについては年間延べ約500件である。さらに最近、循環器疾患に高率に合併しその悪化要因ともなる睡眠呼吸障害の診療も開始し睡眠ポリグラフ検査、CPAP導入件数も増えつつある

★外来診療については、当センターは原則として紹介制度をとっており紹介率は80%である。循環器としては月~金の毎日2人の新患担当医師を配置している。再来外来は予約制で待ち時間の短縮に努めている。安定状態にある患者は病診連携により積極的に地域の実地医家に逆紹介しお願いしている。07年からは心筋梗塞など一部の疾患について連携パスも導入した。

医療設備

心血管造影装置は2台稼働し、緊急カテーテルにも対応できるようになっている。その他、320列MDCT、MRI、核医学検査装置など高度の診療に必要な機器がそろっている。不整脈のカテーテルアブレーションに必要はCARTOシステムも配備されている。また外来監視型心臓リハビリテーション設備も充実している。
  • セカンドオピニオン受入 ×
  • 初診予約 ×
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 埼玉県」(ライフ企画 2012年11月)

心臓血管外科

分野

心臓血管外科

特色

当科の埼玉県下における成人の心臓血管外科手術症例は最多であり、主に人口120万のさいたま市を中心に周辺200万余りの人口をカバーするために、循環器内科、麻酔科、救急部、集中治療部とともに日夜、年中無休、24時間体制で診療にあたっている。県外からの紹介患者も多い

★成人の心臓血管外科治療全般に対応し、特に緊急手術はいつでも受け入れる方針とし、年々、手術件数は増加傾向である。冠動脈バイパス術は、その症例のほとんどが人工心肺を使用しないオフポンプ手術を行っている。弁膜症手術は年々増加し、最も多い手術疾患であり、特に最近は患者のライフスタイルに合わせて生体弁の使用が増加している。狭小大動脈弁に対する大動脈弁置換術、僧房弁逆流に対する僧房弁形成術が多い

★以前より大動脈疾患の症例が多いことが特色であるが、近年では特にステントグラフト挿入術の件数が増加し緊急症例を含め、多種多様な大動脈疾患に対応している。緊急症例では、県外からのヘリコプター搬送症例が増加している

★末梢血管外科では、重症下肢虚血に対する膝下の動脈へのバイパス手術件数が急速に増加している。植え込み型補助人工心臓の実施施設に認定され、今後は心臓移植待機中の補助人工心臓装着患者の外来通院管理が可能となる。専属のICUチームがSemi-Closed ICUを組織し、心臓血管外科術後のICU患者を診療している。

症例数

11年の診療実績を示す。総手術件数は848件、うち、心臓・胸部大血管手術は475例であった

★虚血性心疾患に対する手術は158例で、単独の冠動脈バイパス手術85例、冠動脈バイパス術との複合手術66例、その他7例で、単独冠動脈バイパス術は減少傾向であるが、複合手術が増加し、患者の平均年齢も年々高齢化し、重症例が増加している。単独冠動脈バイパス85例のうち、緊急手術は13例(15%)、人工心肺を使用しないオフポンプ手術は84例(99%)で、この中で死亡症例はなかった(0%)

★弁膜症手術件数は複合手術を含めて213例で年々増加傾向にあり、他疾患と同様に高齢化、重症化、複雑化している。僧房弁逆流に対しては、弁形成術を基本とし、症例の68%に行った。患者のライフスタイルに合わせて近年は生体弁の使用が増加している。また、心房細動の症例には積極的にメイズ手術を行っている。弁膜症手術の死亡症例は2例(1%)であった

★胸部大動脈疾患に対する直達手術は118例で、待機手術61例、緊急手術57例と半数近くが緊急手術であり、うち48例が急性大動脈解離、9例が胸部大動脈瘤破裂であった。症例の増加に伴い、ヘリコプター搬送症例など、より遠方からの搬送症例が増加し、同時に術前の状態が極めて悪い症例が増加しているのも特徴である。待機手術の死亡率は3.3%(2/61)で、緊急症例の死亡率は10%(6/57)であった。ステントグラフト治療は20例で死亡症例は1例(5%)であった

★経皮的心肺補助装置の装着は25例で、救命率52%。補助人工心臓装着は1例あったが、以前から装着し心臓移植を待機していた患者1例が、心臓移植病院へ転院し移植を受け無事退院した。すでに植え込み型補助人工心臓の施設認定を取得し、導入予定

★腹部大動脈瘤に対する人工血管置換術は100例で、うち待機手術85例、破裂に対する緊急手術15例で、待機手術での死亡症例はなかった(0%)が、緊急手術症例では3例(20%)失った。一方、腹部大動脈瘤に対するステントグラフト治療は40例で、死亡症例はなかった

★末梢動脈疾患に対する外科手術は51件で、合併症や死亡症例はなく、成績は良好であった。最近は重症下肢虚血に対する膝下への血行再建術が増加している。

医療設備

病院全体で608床、そのうち救急病棟はICU 10床、CCU 6床、心臓血管外科病棟42床、循環器科病棟58床、心血管造影検査室3室、中央手術室15室、CT 4台(うち一台は320列MDCT)、MRI 2台(1台は3T)、4D心臓超音波装置2台。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ×
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 埼玉県」(ライフ企画 2012年11月)

腎臓科

分野

腎臓内科

特色

さいたま医療センターは総合医療を目指す医療機関で、腎臓科も総合医学第一講座に所属し、総合医療としての腎臓病学を目指している

★地域医療にも力を注ぎ、周辺の医療機関と緊密な連携を取りながら、その中心的役割を果たしている。また、日本腎臓学会が行っているCKD(慢性腎臓病)に関するキャンペーンに参加し、県民講座、市民講座、医師会講演会などを行い、腎臓病学の重要性と医療連携の重要性を地域に広めている

★診療では、血尿・蛋白尿を主症状とするIgA腎症などの糸球体腎炎、浮腫・蛋白尿を主症状とするネフローゼ症候群、糖尿病性腎症、その他の腎障害などすべての腎臓病を対象に診療を行っている。さらに、腎機能障害が進行した慢性腎不全保存期の治療にも力を入れており、栄養士、透析看護師との連携を取りながら、少しでも透析導入までの時間を延長できるように食事療法、生活指導、集学的治療を行い、成果をあげている

★また、透析に導入となった場合にも血液透析、腹膜透析を施行し、腎移植は自治医大附属病院の移植外科と連携を取っている。維持透析のあらゆる合併症に対応すべく、院内のあらゆる診療科とも連携をとって総合的医療を目指している。

症例数

外来患者数は月間700人、病床は腎臓科としては10床であるが、他科入院患者の腎臓病はすべて管理している。腎生検は年間90~110例、透析導入患者は年間100~110人、腹膜透析は年間2人程度(外来通院腹膜透析患者は12人)

★IgA腎症は、近年、早期発見して扁桃腺摘出、ステロイドパルス療法、その後1年間のステロイド治療で完全寛解に至る例も多数現れている。当院でも扁桃腺摘出+ステロイドパルス療法を積極的に行い、治療患者数は100例を超え、70%の完全寛解率である。腎生検入院は5日間、扁桃腺摘出の入院は9日間で、ステロイドパルス療法は外来にて行っている

★糖尿病性腎症は、当院糖尿病専門医と協診して治療にあたっているが、外来受診ごとに腎機能の推移を図で説明し、24時間蓄尿による客観的な食事内容の把握、外来診療後ただちに栄養指導を行うことにより治療効果をあげている。また、病態の理解を深めるために、透析室看護師による個別「腎不全教室」も治療効果を高めている。大量の蛋白尿があり、全身浮腫がひどく、腎機能も急激に悪化していた症例が、蛋白尿が減少し腎機能が安定した症例も多数いる

★膠原病に伴う腎障害は、膠原病専門医と協力して治療を行っている

★慢性腎不全患者は、保存期治療を中心に腎機能悪化抑制につながるあらゆる治療選択を行い、栄養士、透析看護師との連携により成果をあげている。透析導入は年間100例を超えるが当院の特徴は、透析導入を外来で行うシステムを取り入れていることである。内シャントも心臓血管外科に依頼して外来で行い、導入も外来で行うようにしている。急激な増悪や高齢などの理由で入院して透析導入になるのは、年間10例程度である。透析導入後1~3カ月間は当院にて透析導入時教育を行い、その後自宅近くの透析施設に紹介して転院してもらっている。長期維持透析患者の管理は行っていない

★血漿交換や各種吸着療法は、近年多彩な疾患で保険適用となっている。治療手技としては、単純血漿交換療法、二重膜濾過法、血漿吸着療法、顆粒球除去療法、LDL吸着療法などがあり、すべての治療を行っている。ギラン・バレー症候群などの神経疾患、血小板減少性紫斑病などの血液疾患、SLEなどの膠原病疾患、潰瘍性大腸炎などの消化器疾患に対する顆粒球除去療法、敗血症性ショックに対するエンドトキシン吸着療法、巣状糸球体硬化症・閉塞性動脈硬化症に対するLDL吸着などを、年間300~350件行っている。さらに当センターでは血液科が白血病などの血液疾患に対して積極的に骨髄移植治療を行っているが、そのサポートとして末梢幹細胞の採取は透析室にて行っている。年間約50件の採取が行われている。さらに、重症患者の治療に関わっているICU、CCUにおける急性腎不全への対応として、持続血液浄化療法も年間500~600件行っている。

医療設備

血液透析20床。ICU、CCUに移動式血液浄化装置4台。医療設備はセンターとして、ICU/CCU、救急部、血管撮影室、CT、MRI、PET-CT、リニアック。
  • セカンドオピニオン受入 ×
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 埼玉県」(ライフ企画 2012年11月)

泌尿器科

分野

泌尿器科

特色

当センターは循環器病センターとしての特徴を有していることから循環器疾患を合併した症例が多く受診する。当科においても心臓病や脳血管障害を合併した泌尿器疾患症例の割合が高い、このため注意深い診療や手術を心掛けている。また、膀胱癌などでやむなく膀胱全摘除術し尿路変更を強いられる症例については自排尿式の尿路変更術(回腸新膀胱)を含め症例のQOL(生活の質)に合わせた術式を行うように努めている。さらに、少数例であるが腎細胞癌において下大静脈腫瘍血栓を伴う進行性腎細胞癌に対しては心臓血管外科や消化器外科など他科との連携を図り安全な手術を施行している。

症例数

10年の手術件数は前立腺生検を含めて約450件であり、入院手術症例のほとんどは尿路性器悪性腫瘍の症例である

★主な手術内容は腎癌根治術24例、腎尿管腫瘍切除術12例、膀胱全摘除術(尿路変更術を含む)7例、前立腺全摘除術18例、内視鏡的手術約100例、体外衝撃波砕石術60例などである。入院症例はおよそ600例で、手術以外の症例では化学療法症例が多く前立腺癌38例、膀胱癌24例、精巣癌17例、腎細胞癌16例、腎盂尿管癌4例などである

★当センターにおける前立腺癌の治療成績(5年生存率)はstageA、B、C、Dそれぞれ94、93、92、66%である。また、限局性前立腺癌の各治療法別での治療成績は、根治術・放射線療法・内分泌療法はそれぞれ98・93・92%であり、差がないためQOLを重視した治療を行っている

★膀胱癌では、表在性腫瘍は術後、膀胱内注入療法を行い、再発予防に努めている。また、浸潤性膀胱癌では症例を評価したうえで動注化学療法を行い膀胱温存を図っている

★腎癌については、手術不能進行癌や有転移症例では分子標的薬を用いて病勢の進行の抑制を図っている。

医療設備

MRI、ヘリカルCT、ESWL、カラードプラ超音波装置、電子スコープ内視鏡、尿流動態検査装置、PET-CT、リニアック。
  • セカンドオピニオン受入 △
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 埼玉県」(ライフ企画 2012年11月)

産婦人科

分野

産婦人科

特色

当科は99年より診療を開始した。当初より婦人科疾患に対する診療を中心として業務を行っており、周辺地域からの紹介により多数の婦人科悪性腫瘍疾患に対する診療を行っているのみならず、腹腔鏡下手術の適応となる婦人科良性疾患に対しても相当数の診療を行っている

★婦人科診療開始の後、地域からの要望もあり08年より産科診療を開始し、10年からのNICU・GCU・新生児室の開設に伴い、周辺地区の周産期医療の中心施設の役割も担いつつ業務を遂行している。基本的には婦人科産科診療共に周辺地域の基幹病院としての役割を担う必要性から、他医療施設からの紹介患者さんのみを診療対象としている。そのため当科への受診に際しては患者さんに関する紹介状が必要である

★当センターは専門医研修認定施設であり、常勤医の6人は日本産科婦人科学会の専門医である。その他、日本臨床腫瘍学会、日本臨床細胞学会の認定施設でもある

★また、日本婦人科腫瘍学会専門医、日本臨床細胞学会細胞診専門医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医、日本がん治療認定医機構認定医、日本超音波医学会認定超音波専門医、日本超音波医学会認定超音波指導医、臨床遺伝専門医、周産期(母体・胎児)専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医が在籍しており、婦人科産科領域での専門医療ならびに研修の提供を行っている。

症例数

★悪性腫瘍に対しては、手術、化学療法、放射線療法の併用による集学的治療を行っている。化学療法は患者さんの生活の質(QOL)向上を考慮し、外来または短期入院で行っている。進行癌症例に対しては、積極的な拡大根治手術を行う一方、初期癌や妊孕性温存希望の患者様には可能な限り縮小手術を行っている。内視鏡下手術の積極的な導入を図り、子宮内膜症や良性卵巣腫瘍のほとんどを内視鏡下に治療している。悪性腫瘍に対する新しい化学療法の臨床試験を推進している

★婦人科総手術件数は約450件であり、このうち約100件超が悪性疾患に対する手術である。腹腔鏡下手術も約180件に達している。産科分娩数は440件でハイリスク分娩の増加に伴い、130例以上が帝王切開分娩である。

医療設備

MRI、CT、リニアック、その他先端医療に必要な医療機器。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ×
  • 主治医指名 ×
  • 執刀医指名 ×

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 埼玉県」(ライフ企画 2012年11月)

小児科

分野

小児医療

特色

地域周産期センターを併設し、出生直後から思春期までの小児の幅広い病気に対応している

★さいたま市小児2次救急輪番制に参加し、地域の小児救急医療に貢献している。大学附属病院として設備や機器の充実を図る一方、地域医療の担い手として地域医療機関との連絡を密にし、プライマリケアから高度医療まで幅広く提供している

★病棟は小児病棟と新生児集中治療病棟(NICU)を有している。毎日、朝夕にドクターカンファレンスを実施し、すべての医師がすべての入院患者を把握し、科学的かつ論理的な診療を行うようにしている

★医師・看護師ミーティングも毎日行われ、入院患者の細かな変化も見逃さないよう連絡を密にしている。小児病棟にはプレイルームや学習室があり、外のベランダには散歩道が作られている。病棟には保育士が常在し、入院中の保育を行っている。また、ひな祭り、子どもの日、七夕、クリスマスなどの行事を行い、入院中の生活に少しでも楽しみが加わるように配慮している。

症例数

地域周産期センターのNICUには年間200人以上の新生児が入院している。そのうち、1/4は人工呼吸器管理が必要な児である。小児科全体の入院数は年間1,000人を超えている。外来は原則紹介制であるが、年間6,000人弱の患者数である

循環器=先天性心疾患や不整脈、起立性調節障害、川崎病などの診断・内科的治療を行っている。川崎病の治療では最大の治療効果と最小の副作用を目指して、重症度に応じた層別化治療を行い、好成績をあげている

神経=てんかん、脳炎・脳症や発達障害などの診断・治療を行っている

新生児=NICUから退院後も、発育・発達の評価を行っている

アレルギー=気管支喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーなどの重症児の治療を行っている。食物アレルギー負荷試験も実施している

内分泌その他=低身長、肥満、甲状腺疾患などの内分泌疾患の診断・治療を行っている。また、夜尿症、チック、不登校などの対応も行っている

予防接種=心疾患、けいれん、アレルギーなどの基礎疾患を有しているために通常よりリスクが高くなる児の予防接種を積極的に行っている

救急=月曜日と水曜日にさいたま市の小児2次救急輪番病院として、救急搬送患者や1次救急医療機関からの紹介患者を受け入れている。また、専門外来に定期的に通院している児の中で救急受診が必要な患者に対しては救急受診券を渡し、救急対応している。

医療設備

CT、MRI、SPECT、USなど多くの先進設備が整っている。NICUには高頻度振動換気法(HFO)が行える人工呼吸器、小児病棟には非侵襲的な体外式人工呼吸器など、特殊な人工呼吸器も備えている。超音波診断装置は小児科独自で6台有しており、被曝がなくベッドサイドで繰り返し行える超音波検査の有用性を日常診療に積極的に用いている。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ×
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 埼玉県」(ライフ企画 2012年11月)

眼科

分野

眼科

特色

★網膜硝子体疾患では、増殖糖尿病網膜症や裂孔原性網膜剥離、増殖硝子体網膜症、黄斑裂孔、黄斑前膜、網膜静脈閉塞症後症硝子体出血、眼内炎などの難治性の網膜硝子体疾患の手術治療を専門としている。基礎的な研究も臨床に直接つながる糖尿病網膜症動物モデル、糖尿病網膜症に対する薬物治療、硝子体の形態変化、網膜微小循環などをテーマとしている。このなかでも世界初の増殖糖尿病網膜症動物モデルのSDTラットの開発と急性心筋梗塞のカテーテル治療後に発症するPercutaneous coronary intervention関連網膜症の研究は当施設オリジナルの研究である。一方、月1回は手塚非常勤講師を迎えて網膜変性疾患のERG専門外来診療を行い、遺伝疾患に対する細かなカウンセリングにも配慮している

★前眼部疾患では、角膜ヘルペスを中心とした眼感染症疾患の治療、重症涙液分泌減少症に対する自己血清点眼治療や涙点プラグ治療などを行っている

★自治医大の特徴である地域医療の観点から埼玉県内での病診連携に力を注いでいおり、術後退院された患者さんのケアに必要な診療情報の交換には積極的に取り組んでいる。また当センターは総合医療も大きな柱であり、開設時より1患者1カルテ制が導入され、他科受診の所見、治療内容を容易に把握することができる。加えて他診療科との連携が円滑に行われていることから、眼科領域に限った診療だけではなく全身的な疾患とのかかわり合いにも重点をおき、重症循環器疾患や内分泌疾患を合併している症例、血液透析症例の手術も積極的に引き受けている。

症例数

外来診療は3~4診で月曜日から金曜日の毎日行われ、10年の年間外来患者数は新患1,580人、再来23,226人、計24,806人、1日平均102人であった。レーザー手術、外眼部手術は外来手術(月40件程度)として行われている。入院しての中央手術部での10年の年間手術件数は854件でその内訳は白内障手術552件、硝子体手術243件、網膜剥離手術(強膜内陥術)18件、緑内障手術12件、斜視手術2件、外眼部手術27件であった

★白内障手術では、ほぼ全例に視力の改善を認めている。当センターの特色として糖尿病に罹患している患者さんが多く、そのため進行した白内障や、ぶどう膜炎、緑内障を合併している難治症例が多い。安全確実な手術を第一に考えて、手術方法は小切開超音波乳化吸引術を基本とし、入院日数も重症度や透析症例のスケジュールに合わせて3日、5日、7日のバリエーションを持っている

★硝子体手術では、97%に解剖学的復位を得ている。特に増殖糖尿病網膜症に対する硝子体手術においては、当科が独自に開発したTotal en bloc 法(増殖膜を一隗にしてすべて除去する手術手技)を用いており、難治症例が多く集まる本センターではあるが、良好な手術成績となっている

★網膜剥離手術では、99%に網膜復位を得ている。網膜剥離手術は強膜内陥術を基本としているが多発裂孔、後極部裂孔や硝子体出血を合併している症例など、硝子体手術がより適切な場合は上記の硝子体手術で対応している

★加齢黄斑変性症手術では、PDT(光線力学療法)および抗VEGF 抗体硝子体内注射治療を行っている

★緑内障手術は、現在最も手術効果が安定しているマイトマイシンを併用した濾過手術を基本とし、良好な眼圧コントロールを得ている

★翼状片手術には、遊離弁移植術など、再発の少ない手術法を選択している

★鼻涙管閉塞症に対しては、耳鼻咽喉科と協力して顔面にまったく創部を作らない内視鏡的涙嚢鼻腔吻合術を行っている。

医療設備

レフラクトメーター、ケラトメーター、角膜形状解析装置、レーザーフレアセルメーター、角膜内皮解析装置、超音波画像診断装置(Aモード、Bモード)、カラー眼底カメラ、蛍光眼底カメラ、スリットランプカメラ、ERG、VEP、静的視野計、動的視野計、OCT、マルチカラーレーザー、ヤグレーザー、白内障・硝子体手術装置。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ×
  • 主治医指名 ×
  • 執刀医指名 ×

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 埼玉県」(ライフ企画 2012年11月)

耳鼻咽喉科

分野

耳鼻咽喉科・頭頸部外科

特色

耳鼻咽喉科領域全般にわたって、患者のニーズに可能な限りお答えできるように外来治療、手術を行っている。入院治療に関してはその領域の専門医を中心としたチーム医療であたり、入院期間も最小限で患者の負担にならないように配慮している。

症例数

11年度の新患総数は、2,144例で、そのうち紹介患者数が73.6%を占める。手術症例数は669例である。その内訳は、慢性中耳炎・真珠腫性中耳炎などに対する鼓室形成術236例、内視鏡下副鼻腔手術75例、口蓋扁桃摘出術44例、耳下腺腫瘍摘出術29例などである。中耳手術は安全で確実、かつ聴力改善をモットーに手術を行い、患者に満足していただける結果を得ている。鼓室形成術の手術件数は全国7位を誇る。また、好酸球性中耳炎などの難治な中耳炎の治療にも良好な成績をあげている。鼻副鼻腔疾患、中耳疾患、唾液腺腫瘍の手術治療、また涙道・鼻涙管閉塞に対する鼻内視鏡下手術も数多く行い良好な治療成績となっている。

医療設備

標準純音オージオメータ、ABR、重心動揺計、味覚検査装置、硬性気管支鏡・食道鏡、超音波診断装置、MRI、喉頭ストロボスコープ、補聴器適合検査装置、鼻内内視鏡手術セット、赤外線眼振検査装置、終夜睡眠ポリグラフィー、聴性定常反応検査装置、鼻腔通気度計、顔面神経電気診断装置、人工内耳マッピング装置、嗅覚検査装置、ファイバースコープ、CT、耳音響放射検査装置、耳管機能検査装置、電子カルテ。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 ○

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 埼玉県」(ライフ企画 2012年11月)

皮膚科

分野

皮膚科

特色

当センターは全人的包括医療を志向する総合医の育成を目的の一つとしており、皮膚科も総合診療科の一部門として01年に新設された。皮膚だけを診るのではなく、患者の全体像をみることを心掛けている。センター全体として科同士の連携が密であり、境界領域疾患に関しては診断、治療方針について複数科が議論を交えることも多い。

症例数

外来は紹介患者さんが中心で、11年の1日平均外来患者数は101人である

★疾患構成は、成人型アトピー性皮膚炎や乾癬などの炎症性疾患をはじめ、膠原病、自己免疫性水疱症、皮膚腫瘍など多彩である。センター各科からの紹介患者も多いことから糖尿病や血液疾患、腎不全などの内臓疾患に随伴する皮膚病変をもつ患者が目立つ

★診断に苦慮する患者や治療に難渋する患者に対しては皮膚生検をはじめ各種検査を積極的に行っている。入院患者は、悪性腫瘍、良性腫瘍、薬疹、感染症の他アトピー性皮膚炎、皮膚潰瘍、水疱症などである

★手術に関しては、非常勤の形成外科医による診察・手術を行い、一層の充実を図っている。11年の入院手術件数は100件超であった。初診時は紹介状が必須

医療設備=ナローバンドUVBを照射できる全身型紫外線照射装置を外来に設置し、乾癬やアトピー性皮膚炎、痒疹、尋常性白斑、皮膚悪性リンパ腫に対し良好な治療成績をあげている。重症乾癬に対しては生物学的製剤の投与を行っている。シミ、アザに対するレーザー設備はない。
  • セカンドオピニオン受入 ×
  • 初診予約 ×
  • 主治医指名 ×
  • 執刀医指名 ×

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 埼玉県」(ライフ企画 2012年11月)

内分泌代謝科

分野

糖尿病内分泌内科

特色

糖尿病、高脂血症、下垂体・副腎疾患、甲状腺疾患を含む内分泌・代謝疾患全般につき診療・研究に多くの実績を持つ専門医を揃え、診療にあたっている。当センターは日本糖尿病学会、日本内分泌学会および日本肥満学会認定の教育施設である

★当センターの診療は総合体制をとっており、内科診療部に属する11診療科はもとより外科系診療科を含め、必要に応じて随時に相互に診療協力が得られ、包括的に診療できることを特色としている

★さらに、診療録(カルテ)は各受診者1人につき全科を通じて1つにし、検査内容、処方内容、診療記録はすべてコンピューター管理されており、それぞれの担当医は患者さんの診療内容について、他の診療科におけるものであっても容易に情報を得ることができるようになっている

★糖尿病や高脂血症は虚血性心疾患、眼科疾患、腎障害を合併することが多く、これらの専門診療科との密接な連携が必要であり、入院患者はもとより、外来においてもこの総合診療体制は大きな威力を発揮している。

症例数

当科担当医の外来に定期的に通院中の患者さんは約2,500人であるが、約70%以上が糖尿病および肥満で、10~20%が高脂血症で、10~20%が内分泌疾患である

糖尿病=大多数が2型糖尿病であるが、1型糖尿病も100人近く通院している。インスリン導入を含めて原則的に外来診療を基本にしている。しかし、1型糖尿病の治療開始時や2型でも重症例は入院治療も積極的に行っている。また、糖尿病の教育入院制度も完備し、1回4人を2週間のコースで指導している。教育入院は好評につき、常時予約が一杯で、入院待ちの状態が続いている。前述したように他科との緊密な連携のもとに、定期的な眼科的検査はもとより、腎臓科、神経内科、循環器科との協診により、合併症の早期発見に努めている。重症合併症を持つ患者さんの治療も、これら診療科との連携により十二分に対応できる体制をとっている。糖尿病教室も当科の医師のみならず、眼科、腎臓科、循環器科の医師や看護師、管理栄養士、臨床検査技師、理学療法士も参加し、合併症の予防や治療についても十分に配慮した内容の教育が行われている。栄養指導は、糖尿病教室による講習のほか、3人の管理栄養士により個別指導を常時行っている。このように当センターは、糖尿病の初期教育から重症合併症併発例に至るまで、全面的に対応できる診療体制を整えているが、疾患の性格上、生活と密着した地元医師会員との病診連携が重要と考え、円滑な連携診療体制の構築にも努力している。医師会員との勉強会、症例検討会を頻繁に行うほか、インターネットによる情報交換も積極的に行っている。大学病院という性質上、センター内には糖尿病患者会は設けていないが、さいたま糖尿病協会の企画には積極的に参加し、地域の患者会との緊密な関係を維持している

高脂血症=高脂血症は理論的根拠に基づく運動・食事療法と薬物療法を実践しているだけでなく、この疾患の結果として起こる動脈硬化についても、放射線および超音波の優れた画像診断技術を有する放射線専門医と、循環器専門医の支援を得て最先端の診療を提供している

内分泌疾患=間脳下垂体、甲状腺、副甲状腺、副腎疾患など幅広い内分泌疾患の診療を行っている。とくに周辺医療機関からの診断依頼の症例が多く、適切な診断後病診連携を活用して逆紹介の下、経過観察をお願いしている。下垂体疾患では、先端巨大症、クッシング病、プロラクチノーマ、下垂体機能低下症、中枢性尿崩症などを、甲状腺疾患ではバセドウ病、慢性甲状腺炎、甲状腺機能低下症、腺腫様甲状腺腫、亜急性甲状腺炎、甲状腺腫瘍が多くみられる。副腎疾患では原発性アルドステロン症、クッシング症候群、褐色細胞腫など、副甲状腺疾患では副甲状腺機能亢進症、副甲状腺機能低下症、悪性腫瘍による高Ca血症などである。機能性腫瘍の手術適応例は院内外の外科、脳神経外科と連携して手術治療を行う体制を整えている。

医療設備

大学病院として高度医療に対応できる医療機器を完備している。MRI、マルチスライスCT、血管カテーテル検査室、DXA(X線骨量測定装置)、シンチグラフィー、超音波検査、心肺機能測定装置、トレッドミル、リハビリテーション室など。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ×
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 埼玉県」(ライフ企画 2012年11月)

血液科

分野

血液内科

特色

難治性疾患を中心として、血液疾患とHIV感染症診療の埼玉県の拠点病院として貢献している。診療の中心は、造血器腫瘍に対する化学療法や、再生不良性貧血などの免疫異常に伴う造血障害に対する免疫抑制療法などの一般的な治療であり、患者数は増加の一途をたどっている。造血幹細胞移植診療については、毎年約50人の患者さんに造血幹細胞移植(約8割が同種造血幹細胞移植)を行っており、国内トップクラスの移植数と移植成績を収めている。自治医科大学附属さいたま医療センター内の病床数が限られているため、さいたま市民医療センターなどの周辺施設との連携によって幅広い疾患の診療を可能にしている。単に生存期間を延長することだけを目的とするのではなく、治療中のリハビリテーションや移植後の不妊対策など、患者さんの生活の質(Quality of life)を重視した診療を行っている。

症例数

★10年の年間入院患者数は、急性骨髄性・リンパ性白血病あわせて130人、骨髄異形成症候群10人、リンパ腫117人、成人T細胞性白血病/リンパ腫14人、多発性骨髄腫14人、再性不良性貧血6人など。外来化学療法患者数は483人、放射線療法患者数は41人。造血幹細胞移植は49件(自家末梢血幹細胞移植8件、血縁末梢血幹細胞移植12件、非血縁骨髄移植25件、非血縁臍帯血移植4件)

★07年~10年に行われた同種造血幹細胞移植の成績は、非血縁者間移植やHLA不適合移植などの困難な移植が多数含まれているにも関わらず、寛解期移植での移植関連死亡率は4.4%のみであり、国内外の他の施設の治療成績(10~20%)と比較しても極めて安全な移植診療を提供できている。

医療設備

無菌室は個室が4部屋と4人部屋(準無菌室)が4部屋の合計20床、その他の一般病床をあわせて25~30床。
  • セカンドオピニオン受入 △
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 ×
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 埼玉県」(ライフ企画 2012年11月)

アレルギー・リウマチ科

分野

リウマチ・膠原病内科

特色

★膠原病・リウマチ性疾患全体をカバーする。外来は関節リウマチが多く、紹介患者の半数近くが早期症例である。乾癬性関節炎、脊椎関節炎、リウマチ性多発筋痛症など関節リウマチ類縁疾患も多い。様々な膠原病の患者さんが受診するが、膠原病で内臓病変を伴う場合は入院精査・治療が基本である。当院は総合診療に力を入れており、また各科の連絡が緊密であり、その点が全身性疾患である膠原病の診療には大きなメリットとなる

★また当院は日本リウマチ学会教育施設であり、当科のスタッフ(非常勤含む)には日本リウマチ学会指導医が4人、日本リウマチ学会専門医5人(重複あり)が揃う。寺井教授は痛風診療も専門(日本痛風核酸代謝学会理事)で、AAアミロイドーシスや家族性地中海熱などの難病も診療する

★黒岩准教授は日本腎臓学会指導医、日本透析学会指導医でもあり、ループス腎炎、血管炎も得意である。矢部助教は整形外科学会専門医の資格を有し、内科出身リウマチ医の弱点を補う。当院の治療方針は概ね各疾患の治療ガイドラインに準じ、そこに高度先進医療を取り入れたものである。

症例数

年間の新規患者数は500~600人、年間外来患者数は8,000人前後である。当院は急性期病院で地域の中核病院という位置づけであるため、安定した患者さんはかかりつけ医にお願いするのが基本方針である。従来、リウマチ膠原病領域では疾患の寛解は困難であったが、近年のリウマチ治療の大進歩により、関節リウマチの患者さんの多くが寛解に導入されるようになった。地域の医療機関と病診連携することで、安定した患者さんはかかりつけ医にふだんの診療をお願いできるようになっている。

医療設備

さいたま県央地域の中核病院であり、必要とされる設備は充実している。
  • セカンドオピニオン受入 △
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 埼玉県」(ライフ企画 2012年11月)

脳神経外科

分野

脳神経外科

特色

脳神経外科領域の全般に対し高度な医療を行っている。当科は脳腫瘍や脳虚血疾患、脊髄・脊椎疾患などの予定手術を行う疾患に対してだけでなく、くも膜下出血や頭部外傷、頭蓋内出血に対して緊急手術がいつでもできるような診療体制を取っている。

症例数

★手術数は予定、緊急を含めて202例(11年)である。治療を行うにあたっては、患者さんの年齢、全身状態、QOL(生活の質)を十分に考慮して個々の症例にあった治療を選択して、手術や薬物による治療を行っている。特に脳腫瘍の治療では手術を行う場合、その腫瘍の部位、患者さんの年齢、全身状態、麻酔上のリスクなどを十分に検討して手術、術後管理、化学療法、放射線療法を行っている。頭蓋底腫瘍に対しては、下位脳神経モニターなどの術中神経生理学モニターを駆使し、必要に応じて内視鏡を併用して行っている。手術が困難な部位の頭蓋底腫瘍や転移性腫瘍などに対しては、関連施設のガンマナイフセンターで定位放射線療法を行っている

★脳血管障害では、くも膜下出血に対しては急性期クリッピング術を行い、脳血管攣縮に対する予防治療を徹底的に行っており、良好な結果を得ている

★内頚動脈閉塞や狭窄などの脳虚血症例に対しては、積極的に脳血管バイパス術や頚動脈内膜剥離術を行っている。また未破裂脳動脈瘤については動脈瘤の形状、大きさ、部位、患者さんの年齢を考慮して、患者さんと十分に相談しながら最良の治療法を選択している。基本的にはクリッピングを行っているが、血管内治療が適していると判断した場合は血管内治療部(難波准教授)に紹介している

★脊髄・脊椎疾患では、脊髄腫瘍や血管奇形だけでなく、変形性脊椎症に対しても最新のhybrid cageを用いた顕微鏡手術を積極的に行い、良好な成績を得ている

★顔面けいれん、三叉神経痛などに対しては、神経生理モニターを用いて脳神経を保護しながら、顕微鏡だけでなく必要に応じて内視鏡を併用した手術を行っている

★脳ドックにも力を入れており、脳動脈瘤や虚血性脳血管障害、認知症などの早期発見を目的に、頭部MRI、頭部MRA、頚部MRA、頚部エコー、頸椎X線写真、高次脳機能検査、骨密度、心電図、血液検査などを行って専門医の診察と説明を行っている。

医療設備

MRI3台(3テスラ1台、1.5テスラ2台)、CT5台(ヘリカル4台、その他1台)、血管造影装置3台、ガンマカメラ1台、PET‐CT1台、手術用顕微鏡4台、超音波メス2台、脳外科用内視鏡、ニューロナビゲーター。
  • セカンドオピニオン受入 △
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 埼玉県」(ライフ企画 2012年11月)

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