国立病院機構 大阪医療センター

専門医より推薦を受けた診療科目・診療領域

国立病院機構 大阪医療センターは、複数の有名専門医(※)の間で「自分や家族がかかりたい」と推薦されています。
このページでは、専門医より推薦を受けた分野(科目、領域)の特色や症例数、所属している医師について取材・調査回答書より記載しています。 ※推薦、選定して頂いた有名専門医の一覧表

消化器科

分野

消化器・一般内科

特色

消化管出血などの緊急症例から緩和医療、終末期医療まで幅広く消化器疾患の診療を行っている。慢性ウイルス性肝炎患者は関西でも屈指であり、新薬治験を含めた抗ウイルス治療を中心に診療をしている。肝癌患者も多く、放射線科・外科と連携して合同のカンファレンスを行って治療方針を決定している。消化管、胆膵では内視鏡診断と治療が中心となっており、特殊光観察、拡大観察、超音波内視鏡が診断向上に役立っている。内視鏡の洗浄・消毒は世界標準。通院患者に対する緊急内視鏡はオンコールの体制で24時間対応している。消化管癌、胆膵系癌の化学・放射線療法にも力を注いでいる。進行癌患者に対しては、癌サポートチームの協力を得て、オピオイドを含めた緩和医療を早期から導入している。

症例数

年間外来患者数は約42,000人、入院患者数は約1,300人である。上部消化管内視鏡は年間約4,500件、下部消化管内視鏡は約2,500件で、他に胆膵内視鏡、腹部超音波検査も多数行っている

★上部消化管では、食道静脈瘤の緊急・待機治療、消化性潰瘍などからの出血に対する内視鏡治療の他、早期胃癌の粘膜下層剥離術(ESD)、胃前庭部毛細血管拡張症に対する焼灼治療などを積極的に行っている。胃癌・食道癌に対する化学療法、放射線療法では成果を学会で報告している

★下部消化管では、ポリープ(早期癌を含む)切除は希望により鎮静下で行い、切除後は原則1泊入院をしていただき、後出血の有無を観察している。進行大腸癌の化学療法のレジメンは最新のものを取り入れている。また炎症性腸疾患に対しては白血球除去療法(LCAP)も行っている

★C型性肝炎では、リバビリン併用も含めた新規のインターフェロン治療患者数は多数にのぼる。特にペグインターフェロン・リバビリン併用療法を導入したC型肝炎患者総数は2010年3月の時点で600人を超え、またプロテアーゼ阻害剤などの新薬治験にも参加している。豊富な経験をいかし、投与方法の工夫や副作用対策にたけているとの評価をいただいている。血小板数が少ないケースでは、外科・放射線科と連携し、腹腔鏡下脾摘術や部分脾動脈塞栓術(PSE)を行い、インターフェロン治療を導入している。これらの成績はOsaka Liver Forumや国立病院機構の共同研究成果として発信している

★B型肝炎の診療にはより専門性の高い知識が要求される。当科のB型慢性肝炎に対する核酸アナログやインターフェロン治療の経験数は高く評価されている。特に耐性化して核酸アナログが効かなくなったケースや重症化したケースをまかされることが多い。患者向け勉強会、肝臓病教室も定期的に開催し、充実している。また近年都市部を中心に急増しているB型急性肝炎も紹介が多く、関西屈指の患者数である

★肝癌の治療方針は、外科・放射線科との合同カンファレンスで検討される。ラジオ波焼灼術は年間約100例で、他に手術や肝動脈塞栓術(TACE)が選択されている。最近認可された分子標的薬も積極的に導入している

★慢性肝疾患の合併症では、腹水コントロールや肝性脳症の治療が多い。肝疾患に関して当科はC型およびB型肝炎に対する抗ウイルス療法と肝癌の治療に特化しており、アルコール飲酒に起因する肝疾患は当院以外の専門医療施設で加療いただく方針にしている

★胆・膵疾患では、総胆管結石の治療から癌に対する化学療法までを扱っている。特に最近ではこの分野の抗癌剤が進歩し、化学療法を受ける患者が増加している

肝臓短期入院=C型およびB型肝炎患者は肝癌発生の危険群のため、2泊3日で ① 栄養指導、② 肝臓のダイナミックCT、③ 上部消化管内視鏡を受けてもらう短期入院プログラムを用意している

外来診療=原則的に予約診療。初診の場合は事前にかかりつけ医に予約をとってもらう。その上で、かかりつけ医に紹介状を用意してもらい、受診していただくという手順になる。

医療設備

上部・下部電子内視鏡(NBI、拡大観察)、超音波内視鏡(EUS、IDUS)、アルゴンプラズマ凝固(APC)装置、C-アームX線装置、各種超音波診断装置、ラジオ波治療装置、画像ファイリング転送システムなど。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

外科

分野

消化器・一般外科

特色

先進的治療を推し進めるとともに、標準治療の確立を目指している。JCOG胃癌外科、食道癌、大腸癌、胆道癌、膵癌などのグループメンバーとして、癌治療における臨床課題を解決するための臨床共同研究に積極的に参加している。また、抗癌剤治療における臨床共同研究グループ(OGSG)の中心メンバーであり、集学的治療の確立を目指している。各種癌治療ガイドラインに従って治療選択を行っている。ガイドラインで未解決の問題や臨床研究として行うべき治療はすべて臨床研究として行っている。

症例数

消化器外科手術件数は年間約1,000例

胃癌=内視鏡治療適応の早期胃癌は、消化器科と協力して内視鏡治療を行い、適応拡大の研究に協力している。年間の内視鏡切除症例は約100例である。質の高い手術を心がけ、輸血を行うことはほとんどない。術後管理法や手術術式に関しても、臨床研究を行っている。進行癌に対しては、拡大手術および術前化学療法を施行している。早期癌に対しては機能温存手術や腹腔鏡手術を行っている。JCOG胃癌外科の研究課題に積極的に取り組んでいる。年間手術症例数は約150例、5年生存率は、StageIA:93%、IB:84%、II:70%、IIIA:50%、IIIB:35%、IV:13%である

食道癌=手術時間が短く、出血量の少ない低侵襲な手術法(後縦郭経路高位胸腔内吻合)を開発し、術前術後の適切な栄養管理や摂食指導などの管理システムを確立している。2領域郭清手術を標準として、適応症例に対して3領域郭清術を行っている。標準治療として術前療法を積極的に行っている。年間手術症例数は約30例、5年生存率は、0期70%、I期64%、II期43%、III期20%、IV期7%である

大腸癌=専門医による安全確実な手技を第一とし、手術時間、出血量を抑えた低侵襲開腹手術を開発した。早期経口摂取と術後回復力強化プログラムを実践している。直腸癌に対しては、肛門温存手術を念頭においた術式選択を行っている。進行再発症例に対して積極的に化学療法を行い、日本における大腸癌化学療法のパイオニアとして活動している。また、腹腔鏡手術を積極的に取り入れ、低侵襲開腹手術とともにより優しい治療を心がけている。年間症例数は約200例、5年生存率は、StageI:97.2%、II:95.3%、IIIa:80.3%、IIIb:73.7%である

肛門疾患=専門医による治療を行っている。グレードに応じた痔核治療を行い、痔瘻はタイプに分けて術式を決定し、括約筋温存瘻管くり抜き原発口閉鎖術を基本術式としている。裂肛に対しては保存治療が中心であるが、必要により肛門形成術を行っている。排便障害に対しても専門的対応を行っている

肝胆膵癌=難治癌の代表といえる肝胆膵領域の癌症例に対して、安全で質の高い手術を行うだけでなく、切除不能進行・再発癌に対しても、国立がんセンターを中心とした膵癌、胆道癌に対する放射線化学療法や分子標的治療法の開発組織グループのメンバーとして積極的に臨床試験に取り組み、難治性癌に対する新たな治療戦略の確立を目指している。年間切除手術件数は約120例。5年生存率は、肝細胞癌62%、胆道癌32%、膵臓癌23%である。

医療設備

腹腔鏡システム、マイクロ波、ラジオ波内視鏡、MRI、ヘリカルCT、リニアック、小線源照射装置など。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

腎臓内科

分野

腎臓内科

特色

慢性腎臓病はしばしば進行性で腎機能(腎臓の働き)を損ね、将来腎機能を喪失する可能性があるのみならず、狭心症・心筋梗塞や脳卒中など心・脳血管系の病気を合併しやすい、という健康上の問題点がある。このため慢性腎臓病の診療においては、単に腎機能の温存のみでなく、合併症対策といういわば全身的な管理を行うことが大切である。総合内科腎グループではそういった考えのもとに、①慢性腎臓病をその原因のところで発見し、治療を行って病気の進展を抑えること、②進行性の腎障害に対して、あらゆる手を尽くしてその進行を阻止すること、③慢性腎臓病に合併しやすい病気、特に心・脳血管系合併症を予防、あるいは早期に発見し治療を行うこと、を慢性腎臓病診療の3つの柱にしている。

症例数

慢性腎炎(慢性糸球体腎炎)、ネフローゼ症候群の早期診断として腎生検を年間約40例前後行っている。ステロイドを中心に免疫抑制薬の併用による治療や、特にIgA腎症では、症例によっては扁桃摘出も耳鼻咽喉科の協力の下に行う。保存期慢性腎不全については食事・薬物療法による腎機能の温存を目標に年間約90~100例の入院加療を実施。新規透析導入は年間約50例。CAPDの導入、外来管理も行っている。当院は循環器疾患の基幹病院として心・脳血管障害の診療を担う高度専門病院に位置づけられており、慢性腎臓病の診療においても、もとの腎疾患の治療のみならず、合併症の予防や発見にも循環器科など他科との協力にて十分注意を払うようにしている。透析室は入院のみ扱っており、内科合併症のほか循環器病の検査手術、癌や整形外科疾患・眼科疾患の手術などのための入院透析は年間約100例

月~金の午前午後=腎臓内科専門外来。

医療設備

透析室(血液透析)は8床、他にHF・血漿交換・持続緩徐血液濾過透析装置。ICU/CCU、CT、MRI、血管造影など。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

泌尿器科

分野

泌尿器科

特色

腹腔鏡下手術、ミニマム創手術、内視鏡的結石除去手術、副甲状腺手術に習熟したスタッフが在籍している。「手術はより小さな創で」をモットーにし、また前立腺癌の高線量組織内照射治療においては独自の工夫により、治療中も歩行可能としている。「十分なインフォームド・コンセントを行った上で、EBMに基づいた診療を行うこと」を診療モットーに、癌に対しても可能な限り複数の治療オプションを提示し、最終的な治療選択は患者側に委ねている。

症例数

09年の入院患者総数625人のうち、悪性腫瘍患者が359人(54.4%)を占めている。09年の手術数445例(465件)の主な手術対象は、副腎・後腹膜3例、腎癌21例(部分摘除8例)、腎盂・尿管癌7例、膀胱癌107例(全摘7例)、前立腺癌17例、前立腺組織内照射21例、前立腺肥大症33例(開腹手術1例)、前立腺針生検128例、精巣腫瘍3例。ESWL84回(43例)

★これまでに検討した腎細胞癌、腎盂・尿管癌、膀胱癌、前立腺癌、精巣腫瘍の生存率は以下の通りである

★腎細胞癌:臨床病期別5年、10年、15年疾患特異別生存率は病期I 97.2%、97.2%、85.0%、病期II 91.2%、74.6%、74.6%、病期III 73.6%、46.8%、46.8%であり、病期IVは2年生存率16.2%、5年生存率0%

★腎盂・尿管癌:5年生存率77.1%、10年生存率77.1%

★膀胱癌:5年生存率91.7%、10年生存率87.8%、15年生存率86.1%、20年生存率78.3%

★前立腺癌:臨床病期別5年生存率は病期A97.2%、病期B100%、病期C60%、病期D29.2%

★精巣腫瘍:5年生存率94.4%、そのうちセミノーマ、非セミノーマの5年生存率はそれぞれ100%、87.8%、病期I/II、病期IIIの5年生存率はそれぞれ100%、62.5%

外来診療=月~金。初診受付は午前8時30分~11時30分。初診も紹介医から地域医療連絡室へ電話(06-6946-3516)で時間予約可能。セカンド・オピニオンは地域医療連絡室へ電話で完全予約制。30分まで10,500円、30分超60分まで21,000円(保険対象外、消費税込み)。

医療設備

MRI、CT、RI、体外衝撃波結石破砕装置、KTP/YAGレーザー、リニアック、遠隔操作式放射線照射装置。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

整形外科

分野

整形外科

特色

骨・軟部腫瘍、股・膝関節外科(特に人工関節)、脊椎外科、小児整形外科を柱として、整形外科全般の専門治療を行っている。当科専門領域以外(スポーツ傷害、手の外科、関節リウマチなど)の各種整形外科疾患についても、大阪大学整形外科関連施設ネットワークを活用し、各専門医のいる適切な施設へ効率よく紹介し合うことによりカバーしており、レベルの高い総合的な整形外科専門診療を提供している。

症例数

09年3月末時点の年間整形外科新患者数は2,004人、1日平均整形外科入院患者数は74.8人、年間手術件数は884件であった。当科で施行している主な手術術式は、原発性骨・軟部腫瘍(良性・悪性)や転移性骨腫瘍(癌の骨転移)に対する各種腫瘍手術(特に四肢原発の骨・軟部悪性腫瘍(肉腫)に対する腫瘍用人工関節や罹患部の術中体外放射線照射自家処理骨などを用いた患肢温存再建手術)、変形性股関節症・膝関節症などに対する人工股関節・膝関節置換術およびそのサルベージ手術(再置換術)、各種脊椎疾患に対する脊椎除圧・固定手術、種々の先天性・後天性小児整形外科疾患に対する各種変形矯正手術・脚延長術などである

外来診療=当院地域医療連携室(フリーダイヤル0120-694-635、直通電話06-6946-3516、専用FAX 06-6946-3517)を通して診察予約を行ってもらっている。

医療設備

MRI、CT、各種シンチグラム(骨シンチ、タリウムシンチなど)、超音波診断装置、人工関節置換手術用クリーンルーム、リハビリテーション施設、骨塩定量装置など。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

小児科

分野

小児医療

特色

スタッフは小児医療全般に長年の経験を持つとともに、それぞれの専門領域において豊富な経験と最先端の知識を有する。また、35科を擁する総合病院であり、他科との連携も緊密。日本医療機能評価機構認定病院。

症例数

09年1月から09年12月の退院患者数は小児167人、新生児144人

★小児の主な疾患としては、血液・腫瘍疾患(血友病、白血病、固型腫瘍等)25人、呼吸器疾患(肺炎・気管支炎等)63人、神経疾患(てんかん等)16人、免疫・アレルギー(喘息、膠原病等)23人、消化器(急性胃腸炎等)17人、腎疾患(ネフローゼ症候群等)11人

★新生児の21人は低出生体重児あるいは早期産児

★外来部門では、一般外来の他、神経・発達、アレルギー、発育・消化器、予防接種、1カ月検診(当院出生児のみ対象)、乳幼児検診の6つの専門外来がある

★01年10月から急患の受付を午後8時まで延長している

★日本小児白血病研究会(JACLS)、日本小児白血病リンパ腫研究グループ(JPLSG)参加施設

★95年4月から当院で加療した急性リンパ性白血病(ALL)は34人。全員完全寛解となり、22人が寛解を持続しており、当院にて経過観察中である。現在当院で経過観察中の24人の生存期間は、1~178カ月(中央値118カ月)である。ホームページhttp://www.onh.go.jp

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

眼科

分野

眼科

特色

大阪の中心に位置していることからも、近畿圏における主要な基幹病院として病診連携・病病連携の重要性を認識し、紹介元と緊密に連絡を取るようにしており、特に緑内障・網膜硝子体疾患においては多くの難治性疾患を受け入れ、最終病院として機能している。各医員は白内障以外に各々専門分野を標榜しており、情報収集も怠らず、最新で質の高い医療を提供することを心がけている。また、当科は2010年度より日本眼科学会の定める眼科研修プログラム施行施設(基幹研修施設)として承認されており、厚生労働省の政策医療感覚器ネットワーク機関としても全国の他施設共同研究に参加している。

症例数

09年の1日平均初診患者数8人、再診患者数68人、外来患者総数は76人であった。初診患者の紹介率は78%であった。外来診察は土日祝日を除く平日(週5日)であるが、水曜は予約再診・予約(紹介)初診のみである。手術日は平日の木曜以外の週4日であり(緊急の場合は除く)、09年の総手術件数は2,147件(内訳:入院1,629件、外来518件)であった

白内障=白内障手術件数は最も多く、09年の白内障手術件数は1,326件。医員全員が超音波小切開無縫合手術に熟練している。ぶどう膜炎などの併発症を有する症例も多いが、術中術後合併症は最小限である。術後管理に重きをおくため日帰り手術は行っておらず、入院には片眼6日間、両眼8~10日間の通常入院のほか、退院後すぐに外来診察が必要となるが1泊2日入院も選択可能である。白内障手術の待ち期間は平均1カ月程度

緑内障=原発開放隅角緑内障では、薬物療法が第一選択であるが、薬物療法に反応しない場合には外科的治療(線維柱帯切除術が主流であるが、発達緑内障やステロイド緑内障には線維柱帯切開術を選択、09年の緑内障手術件数135件)を行っている。また、難治な血管新生緑内障に対しても積極的に線維柱帯切除術を行っている。隅角検査のみならず超音波生体顕微鏡や生体計測を行うことで、閉塞隅角緑内障の診断・治療を厳密に行っている

網膜硝子体手術=増殖糖尿病網膜症、増殖硝子体網膜症、網膜剥離、黄斑部手術などを中心に積極的に行っている。09年には319件の硝子体手術と41件の網膜復位術が行われ、網膜剥離症例では症例に応じて初診当日入院・当日手術も行っている。硝子体手術は従来の20ゲージシステムから23ゲージ無縫合システムへと大きく移行しており、大部分の症例で低侵襲硝子体手術を実施し、良好な成績を得ている。手術加療だけでなく、外来での網膜光凝固治療や血管新生阻害薬であるアバスチンや副腎皮質ステロイドであるケナコルト等の眼局所投与による治療も積極的に行っている

眼形成・腫瘍=眼瞼下垂や内反症といった疾患に対しては、年間約50件の眼形成手術を行っている。眼部悪性腫瘍は当院の形成外科との連携により眼瞼周囲のみならず、疾患によっては頸部郭清まで行うこともある

HIV/AIDS=当院はHIV/AIDS先端医療開発センターであるため、免疫・感染症内科との連携によりサイトメガロウイルス網膜炎などのAIDS眼合併症の治療を多数行っている

角膜=角膜疾患としては、ドライアイの症例が多く集まり、症状に応じて涙点プラグ挿入、涙点閉鎖を行う。重症例には薬剤部の協力を得て、自己血清点眼薬を自家調整し処方することで良好な成績を得ている。また、他の医療機関にて難治性となった薬剤耐性菌感染症やアカントアメーバー角膜炎等の角膜感染症の治療に関しても薬剤部の協力を得て、自家調整点眼薬を処方することで良好な成績を得ている

電子カルテ=2006年から全面的に電子カルテ化され、眼科では独自のシステム構築を行い、画像記録・描写によるカルテ所見も含めてすべてが電子的に保存され診察室で閲覧可能となり、インフォームド・コンセントの助けとしている。

医療設備

三次元光干渉断層計(3D-OCT1000)、IOLマスター、超音波画像診断装置(超音波生体顕微鏡、Aモード、Bモード)、前眼部形状解析装置(TMS)、視野計(ハンフリー静的視野計、ゴールドマン動的視野計)、スペキュラーマイクロスコープ、マルチカラーレーザー光凝固装置、ヤグレーザー装置、白内障手術装置(インフィニティ)、硝子体手術装置(アキュラス2台)、手術用顕微鏡(カールツァイス)など。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

皮膚科

分野

皮膚科

特色

皮膚がんの中核病院として皮膚腫瘍の診断と治療を中心とする診療に評価を得ている。皮膚がんに対する正確な診断と十分な説明、事実に裏付けられた治療(EBM:Evidence Based Medicine)をモットーに、社会的な生活の質(QOL:Quality of Life)を第一として、手術療法に化学療法や放射線療法を組み合わせた集学的治療が可能で、皮膚がん切除後の組織欠損に対しても、整容面や機能面に配慮した診療を心がけている。また、先進医療としてRI法と蛍光色素法を併用した悪性黒色腫に対するセンチネルリンパ節生検やダーモスコピーを用いた色素性病変に対する非侵襲的な検査を行っており、臨床検査科病理部門との合同カンファレンスなどにより診断精度を高めている。接触皮膚炎や中毒疹などの原因精査と治療にも対応し、下肢静脈瘤に対する診断と保存的治療に加えて短期入院による外科的治療の経験も豊富である。更に、密接な病診連携のもと地域の医療施設からの要請にも積極的に対応し、後期臨床研修制度に沿った若手皮膚科医師の教育や女性医師支援の一環として先進的なワークシェアリングにも取り組んでいる。

症例数

年間の手術数約215例、入院手術数約110例、皮膚悪性腫瘍手術数約45例、皮膚良性腫瘍手術数約130例、静脈瘤手術数約40例、皮膚悪性腫瘍入院患者数約60人。皮膚悪性腫瘍として悪性黒色腫、有棘細胞癌、基底細胞癌、血管肉腫、乳房外パジェット病など、皮膚良性腫瘍としてホクロやアザ等の各種母斑、脂漏性角化症、表皮嚢腫など、皮膚感染症として帯状疱疹、蜂窩織炎などを診療。

医療設備

カラードプラ、ダーモスコピー、脈圧波計、超音波手術器、高周波ラジオ波メス、シンチグラフィー、MRI、CT、MDCT。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

糖尿病内科

分野

糖尿病内分泌内科

特色

糖尿病の診断から治療、合併症管理にいたる全領域に対し、全科的に連携して対応している。2型糖尿病に対する強化インスリン療法とヤング世代の1型糖尿病患者の治療に力を入れている。病診連携に積極的に取り組んでいる。

症例数

定期的に通院の糖尿病患者は約400人と少なく、治療方針が決まればかかりつけ医に紹介している

★検査・治療・教育の3本立てのプログラムで対応している

★検査では、血液・尿検査や連続グルコース・モニタリングシステム(CGMS)、眼科受診、インスリン抵抗性の評価、頚動脈エコーによる動脈硬化の評価、血圧脈波・ドプラ血流計による下肢血行動態の評価などを併用して、糖尿病の代謝動態および合併症進展の総合的把握にあたっている

★治療では、特に血糖コントロール例には強化インスリン療法を積極的に導入し、2型糖尿病の特性を考慮した治療を施行している。腎症合併例には低蛋白糖尿病食の指導と血圧の管理を行っている。壊疽や閉塞性動脈硬化症の合併例には、皮膚科・形成外科、循環器科、心血管外科と連携して治療に当たっている。ヤング世代を中心とした1型糖尿病の専門外来を構築中である

★糖尿病教育では、月1回の外来糖尿病教室(外来およびHPに年間の日程を掲示)と教育入院を実施している。教育入院は2週間のクリ二カルパスを基本としているが、時間をとりにくい場合には入院日数の相談に応じている。時間のとれない場合には外来でのインスリン自己注射の導入も行っている。また、患者会の「やまぶき会」や大阪糖尿病協会と連携した諸行事(10月のウオークラリーや12月のバイキング食事会など)を通じて、啓蒙活動にも力を入れている

★初診時には紹介状持参が望ましい。地域医療連絡室経由(TEL 0120-694-635)で他院から紹介・診療予約が可能。再診は予約制。

医療設備

頚動脈エコー、連続グルコース・モニタリングシステム(CGMS)、MRI、CT、PWV、血液透析、CAPD、骨塩定量装置等。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

感染症内科

分野

感染症

特色

主な対象疾患はHIV感染症/AIDSである。当院は97年にエイズ診療の近畿ブロック拠点病院に選定され、HIV感染症の診療、臨床研究、研修・教育、情報発信の4つの機能を担い、全科でHIV診療を実施している。当科は97年に総合内科内に創設されたグループが01年には免疫感染症科として独立し、現在は科名が感染症内科に変更された。当科の外来診察は原則、個室対応でプライバシーに配慮している。肝炎等は当科外来でコンバインドクリニックとして予約再診も可能である。当科では医師に加え、HIVコーディネーター看護師、薬剤師、臨床心理士、MSW、情報担当職等と連携を取り、チーム医療を実践している。当科はAIDSに合併する日和見疾患の診断や治療、HIV感染症に対する標準的治療である抗HIV薬の多剤併用療法を得意とする。HIV感染症は全身疾患であり、合併症等は全科で対応する。当科は院内の感染対策業務にも従事している。当院は免疫機能障害認定の自立支援医療の指定医療機関であり、内科学会、日本環境感染学会、感染症学会等の教育認定施設でもある。早期、後期研修医も積極的に受け入れ医師の育成にも力を入れている。

症例数

HIV感染症患者は97年から10年3月末で累積カルテ数が約1,800人となった。最近では毎年200人前後の新患が紹介される。HIV感染に伴う入院患者数も延べ1,500人を超え死亡(事故も含む)は約3%程度である。AIDS発病入院患者の軽快率は約9割である。承認された抗HIV薬はほぼ揃えている。抗HIV療法による抗ウイルス効果も高い。

医療設備

CD4陽性細胞数測定、血中ウイルス量定量、薬剤耐性検査(遺伝子型)、CT、MRI、シンチなどを備えている。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

外科・乳腺外科

分野

乳腺・内分泌外科

特色

「乳癌から女性を救う診療と研究」を大目標に、乳腺疾患の精密検査(癌の早期発見)から、手術・薬物療法などの治療、再発乳癌の治療とケアなど幅広くかつ各分野において最新の専門性を提供する。病理・放射線科をはじめ、看護師・薬剤師・診療放射線技師・細胞検査士などとのチーム医療が充実。全症例の画像・病理診断カンファレンスと術前術後カンファレンスを毎週開催。臨床試験コーディネーター(CRC)の協力のもと、治験や臨床試験の推進にも力を入れる。地域の乳癌検診にも協力している。

症例数

過去3年の乳癌の平均年間新患数は215例。進行再発乳癌も地域かかりつけ医との連携のもと積極的に治療を担当。各種ガイドラインで示される標準的治療はもちろん、さらに治療成績とQOL向上を目標に、最新情報をいち早く適用するために多くの臨床試験グループに所属し(JCOG、JBCRG、CSPORなど)、常に最先端の診断と治療を提供する

★手術は可能な限り乳房温存とセンチネルリンパ節生検で機能温存を目指す。乳房温存率は09年は72%、10年は69%、平均70%前後で、適切な局所治療を実施。腋窩リンパ節転移がないと予測されるN0乳癌では全例センチネルリンパ節生検を実施。温存乳房への放射線治療は標準的な外照射法以外に、短期間で終了する組織内照射法も臨床試験として施行中。断端陰性でホルモン感受性陽性などいくつかの条件を満たし、局所再発リスクが低いと予測される場合は放射線治療の省略も考慮している。乳房温存が困難な場合は形成外科との連携で乳房再建術も選択可能

★乳癌診断時に針生検などで組織採取を行い、その臨床病理学的評価により術前薬物療法(化学療法や内分泌療法、分子標的治療)か手術先行(原則T1N0症例)かなどの個別化治療を提案。術前化学療法は乳房温存率の向上のみならず、早期の全身治療の開始により、治癒率の向上が期待できるとの考えで積極的に取り組んでいる。アントラサイクリン系+タキサン系レジメの逐次投与を基本に、pCR(癌の完全消失)は約20~25%の成績である。化学療法は原則全例専用ブースを用いた外来通院型化学療法で、完遂率は95%と専任看護師や薬剤師によるサポートシステムが充実している。薬物療法委員会による治療レジメ登録制を行い、薬剤投与法や副作用対策などの支持療法は統一した方法で実施することで安全性の向上を図る。術前内分泌療法による薬剤感受性を重視した個別化治療の実施をめざす

★新規薬剤の登場とその著しい進歩の結果、治療成績やQOLはかなり改善している。N0乳癌であれば90%以上、N(+)でも70~80%を超える10年生存率を期待できるような治療法を提案していると自負

★特に再発乳癌の場合は一つでも多くの治療オプションを提供する姿勢で、新規薬剤の開発治験の契約も積極的に進めている

★分子生物学などの基礎研究の進歩と成果をいかに実地臨床に応用できるか、JBCRGなどの臨床試験グループを中心とするトランスレーショナルリサーチにも参画し、さらなる個別化治療に挑戦中

★治療成績の向上のみならず、薬剤がもたらす副作用にも配慮した診療を行う。たとえば、タキサン系の爪変形の予防にはチームとして研究を実施。化学療法による卵巣機能障害は不妊や早期閉経に伴う骨塩量や血管系への影響もあり得ることから、その予防策を実践中である。このような新規アイデアによる治療や研究に関しては、すべて院内IRBの承認をうけた実施計画書に則り行う。実施済みもしくは現在進行中のプロトコールは50課題を超えている。同時に多施設共同研究の形で地域における臨床試験の活性化を促し、そのリーダー的存在を目指している

★一緒に病気と闘う気持ちを共有できるような雰囲気を目指し、許容されるオプションは提示の上、患者の希望を第一優先とする。常に患者さんには身内同様の思いやりをもって診療にあたるよう心がけている

外来診療=初診:受付は正午まで。可能な限り紹介状持参が望ましい。再診=月~金で原則予約制。セカンドオピニオンは随時対応(地域医療連絡室☎06-6946-3516まで)。マンモグラフィ併用検診(予約制:大阪市在住の40歳以上女性)。

医療設備

MMG(精度管理中央委員会認定)、高精度US、MRI、CT、シンチ、吸引型組織生検装置、放射線治療装置(リニアック、小線源治療装置、Xナイフ)他。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

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